日本史を暴く(磯田道史/中公新書)
タイトルはやや過激だが、読売新聞に連載されている歴史コラムを収録したもの。
著者は歴史学者。古文書を読みこなして、これまで見過ごされてきた新たな事実を掘り起こすのが得意なようだ。そのスタイルに既視感を覚えて調べてみたら、2020年12月に、この人の『日本史の探偵手帳』を紹介していた。ほかにも歴史関連のエッセーが多数あるようで、エッセー好きを自認する者としては、認識不足を反省したい。
今回、印象に残ったのは、忍者。4本の記事があり、過酷な任務のわりに報われることの少ない悲哀が描かれている。
猫に関する記事は2本ある。江戸時代には、現代と同様、家族のように扱う飼い方が、一部で出現していた。
ほかにも、明智光秀の人物像や、鼠小僧の実態を紹介するものなど、歴史ものをあまり読まない門外漢には、意外性のある記事が多い。
日本史では、私が半世紀前に教科書で習った歴史解釈が、変更されていることも多いらしい。一方で、史料に基づかずに表明される「個人の意見」も巷間にあふれている。そういう中で、この人の著作は、よい指南役になりそうだ。
タイトルはやや過激だが、読売新聞に連載されている歴史コラムを収録したもの。
著者は歴史学者。古文書を読みこなして、これまで見過ごされてきた新たな事実を掘り起こすのが得意なようだ。そのスタイルに既視感を覚えて調べてみたら、2020年12月に、この人の『日本史の探偵手帳』を紹介していた。ほかにも歴史関連のエッセーが多数あるようで、エッセー好きを自認する者としては、認識不足を反省したい。
今回、印象に残ったのは、忍者。4本の記事があり、過酷な任務のわりに報われることの少ない悲哀が描かれている。
猫に関する記事は2本ある。江戸時代には、現代と同様、家族のように扱う飼い方が、一部で出現していた。
ほかにも、明智光秀の人物像や、鼠小僧の実態を紹介するものなど、歴史ものをあまり読まない門外漢には、意外性のある記事が多い。
日本史では、私が半世紀前に教科書で習った歴史解釈が、変更されていることも多いらしい。一方で、史料に基づかずに表明される「個人の意見」も巷間にあふれている。そういう中で、この人の著作は、よい指南役になりそうだ。