大栗先生の超弦理論(大栗博司/BLUE BACKS)
大栗博司氏が書いた超弦理論の入門書。ブルーバックスで出版されていたことに最近気がついて、急いで手に入れた。2013年の発行。12年前だけど、内容は古くなってはいなかった。
場の量子論には手に負えない無限大が現れる。それは素粒子を点と考えているから。標準理論は、「くりこみ」によって無限大を先送りすることで完成したが、重力を取り扱おうとすると行きどまりになる。それを解決するアイデアとして弦理論が現れた。(発案は日本人)
弦理論では、光子のように力を伝える素粒子=ボゾンを、点ではなく振動する弦だと考える。クウォークや電子のように物質のもとになる粒子=フェルミオンも弦だとするのが超弦理論。
本書では、超弦理論の発展過程を、できるだけ少ない予備知識で最先端まで案内している。まず、超弦理論ではなぜ空間が9次元なのかを説明する。(類書でも例を見ない分かりやすさ)
その後、第一次超弦理論革命、筆者が大きく貢献したトポロジカルな弦理論の登場、第二次超弦理論革命を経て、Dブレーンの世界に至る。
著者によれば、超弦理論は重力現象についてのデータと素粒子現象についてのデータのどちらにも適合する唯一の仮説である。それは、ニュートン力学、アインシュタインの相対性理論に続いて、私たちの空間の理解を抜本的に変革する。(本書の第9章のタイトルは「空間は幻想である」)
追記
gooブログ終了間近ではありますが、当ブログの記事数が300に達しました。どなたかがひとつの区切りと書いており、ひとつの目標にしていたので、その記念に、はてなブログの引用ではなく、直接投稿しました。