読書日記を始めます。よろしくお願いします。
バウドリーノ(ウンベルト・エーコ/岩波文庫)
エーコの作品は、「フーコーの振り子」、「薔薇の名前」(読んだ順)に続いて3作目。今回の舞台は、十字軍遠征時代の中世世界。言語とほら話に特異な才能を持つ主人公は、神聖ローマ帝国皇帝の養子となり、新たな都市の建設や十字軍遠征、東方の伝説の国への旅に関わることになる。
全体がとんでもないほら話とも言えるが、実在した人物への語りという形で進められる物語は、実在する都市の成り立ちを教皇と皇帝の争いの中で描き出し、皇帝の死をめぐる密室殺人の謎を解き、3種類の愛の形を描き、最後には再び東方へと旅立つところで終わる。作者の、中世世界に関する膨大な知識に支えられているのは前2作と同様だが、ペダンティシズムを感じる暇もない勢いがある。確かに、一番面白いエーコ、と言ってもいいかもしれない。
バウドリーノ(ウンベルト・エーコ/岩波文庫)
エーコの作品は、「フーコーの振り子」、「薔薇の名前」(読んだ順)に続いて3作目。今回の舞台は、十字軍遠征時代の中世世界。言語とほら話に特異な才能を持つ主人公は、神聖ローマ帝国皇帝の養子となり、新たな都市の建設や十字軍遠征、東方の伝説の国への旅に関わることになる。
全体がとんでもないほら話とも言えるが、実在した人物への語りという形で進められる物語は、実在する都市の成り立ちを教皇と皇帝の争いの中で描き出し、皇帝の死をめぐる密室殺人の謎を解き、3種類の愛の形を描き、最後には再び東方へと旅立つところで終わる。作者の、中世世界に関する膨大な知識に支えられているのは前2作と同様だが、ペダンティシズムを感じる暇もない勢いがある。確かに、一番面白いエーコ、と言ってもいいかもしれない。