着物始末暦(中島要/ハルキ文庫)
中島要氏の着物始末暦。まず第1巻『しのぶ梅』を読んでみて満足できる内容だったので、全10巻をまとめて手に入れた。ゆっくり楽しみたい。
1冊ずつ紹介するのもどうかと思うので、まず、3巻までを紹介したい。
しのぶ梅 着物始末暦
藍の糸 着物始末暦(二)
夢かさね 着物始末暦(三)
タイトルから、呉服屋を舞台とする商売話かなと思っていた。必ずしも間違いではないが、主人公の余一は、着物にかかわることなら、仕立て直しや染み抜きなど何でもこなす着物始末屋だから、単なる商売繁盛の話ではない。そこに、何かと関わりのある呉服太物問屋の若旦那「綾太郎」。店を持たず土手で商売する古着屋「六助」。主人公に思いを寄せる一膳めし屋の娘「お糸」。その幼馴染で紙問屋の奉公人「おみつ」。紙問屋の娘で若旦那の許嫁「お玉」。など多彩な人物が絡む。
連作短編という、時代小説ではおなじみのスタイル。章ごとに視点が変わるのは、以前紹介した『誰に似たのか』と同様の手法。着物にかかわる様々ないざこざや関係者のこだわりを、与一が技術と洞察力で解きほぐしていくうちに、より大きな物語が進んでいく。
4巻以降の紹介は、読んでみてから考えたい。
中島要氏の着物始末暦。まず第1巻『しのぶ梅』を読んでみて満足できる内容だったので、全10巻をまとめて手に入れた。ゆっくり楽しみたい。
1冊ずつ紹介するのもどうかと思うので、まず、3巻までを紹介したい。
しのぶ梅 着物始末暦
藍の糸 着物始末暦(二)
夢かさね 着物始末暦(三)
タイトルから、呉服屋を舞台とする商売話かなと思っていた。必ずしも間違いではないが、主人公の余一は、着物にかかわることなら、仕立て直しや染み抜きなど何でもこなす着物始末屋だから、単なる商売繁盛の話ではない。そこに、何かと関わりのある呉服太物問屋の若旦那「綾太郎」。店を持たず土手で商売する古着屋「六助」。主人公に思いを寄せる一膳めし屋の娘「お糸」。その幼馴染で紙問屋の奉公人「おみつ」。紙問屋の娘で若旦那の許嫁「お玉」。など多彩な人物が絡む。
連作短編という、時代小説ではおなじみのスタイル。章ごとに視点が変わるのは、以前紹介した『誰に似たのか』と同様の手法。着物にかかわる様々ないざこざや関係者のこだわりを、与一が技術と洞察力で解きほぐしていくうちに、より大きな物語が進んでいく。
4巻以降の紹介は、読んでみてから考えたい。