あなたに似た人(ロアルド・ダール/ハヤカワ・ミステリ文庫)
SFでも、ファンタジーでも、スパイものでもないハヤカワ文庫を買うのは、本当に久しぶり。多分、30年以上は買っていない。『三体』の第三部が3月に出ると思っていたのに5月になって、ハヤカワ成分を補うために、本屋で物色していて見つけた。
訳者あとがきをみると、この短編集は、詩人の田村隆一氏が半世紀以上前に翻訳して、広く読まれてきたらしい。また、この作者は、映画《チャーリーとチョコレート工場》の原作も書いている、とのこと。
いずれにしても、50年以上、接点のなかったこの本が目に留まったのは、まあ、悪くなかった。ちょっと毛色の変わった作品で、必ずしも推理小説とはいえない。アメリカで探偵作家クラブの賞を受賞しているが、収録されている11の作品のいずれも、謎や推理を主眼としたものではない。(ときどき、英米ではミステリーの範囲が広すぎる、と思う。)
たとえばそれは、オー・ヘンリーを思わせるような、切れ味のよい短編だが、最も顕著な特徴は、小説の終わり方にある。どの作品も、「ええええ!」という、独特の終わり方で、こういう作品があるんだと知るだけでも、この本を読む価値は十分にある。
SFでも、ファンタジーでも、スパイものでもないハヤカワ文庫を買うのは、本当に久しぶり。多分、30年以上は買っていない。『三体』の第三部が3月に出ると思っていたのに5月になって、ハヤカワ成分を補うために、本屋で物色していて見つけた。
訳者あとがきをみると、この短編集は、詩人の田村隆一氏が半世紀以上前に翻訳して、広く読まれてきたらしい。また、この作者は、映画《チャーリーとチョコレート工場》の原作も書いている、とのこと。
いずれにしても、50年以上、接点のなかったこの本が目に留まったのは、まあ、悪くなかった。ちょっと毛色の変わった作品で、必ずしも推理小説とはいえない。アメリカで探偵作家クラブの賞を受賞しているが、収録されている11の作品のいずれも、謎や推理を主眼としたものではない。(ときどき、英米ではミステリーの範囲が広すぎる、と思う。)
たとえばそれは、オー・ヘンリーを思わせるような、切れ味のよい短編だが、最も顕著な特徴は、小説の終わり方にある。どの作品も、「ええええ!」という、独特の終わり方で、こういう作品があるんだと知るだけでも、この本を読む価値は十分にある。