
カルロ・ロヴェッリの科学とは何か(カルロ・ロヴェッリ/河出書房新社)
古代のアナクシマンドロスの業績を現代の視点から評価するとともに、科学的思考の本質について考察する本。
アナクシマンドロスの業績は、次のことを発見したことにある。
太陽や月や星が自分たちの周りを回っているのであれば、地球の上だけでなく、下にも空っぽの空間が存在するはずだ。したがって地球は虚空に浮いている。
この発見をもたらしたのは、この世界のことを、神話的・宗教的な文脈ではなく、合理的な自然主義によって説明しようとする思想であり、それこそが科学的思考の源流だ、と著者は評価する。
科学とは、「世界の見方」を問い直し、変革する試みである。それ故に、その成果は絶対の真実ではなく、現時点での最善の答えにとどまる。(ただしそれは、すべては相対的なものだ、という意味ではない。)
感想をいくつか。
この本は、一般向け著作7冊のうち、最初に書かれたもの。そのためか、他の本ほど読みやすくない。しかも、現代でもなお多数派を占めているように見える宗教的な頑迷さに対して、明らかな敵意を示している。
ユヴァル・ノア・ハラリによれば、宗教は大規模な集団を統合するために非常に優れた発明だったが、現代ではむしろ邪魔になっている、とのことだが、この本では、宗教は「科学的思考」にはない「確かさ」をもたらすものであり、かつ、権力と結びつくゆえに、非常にやっかいなものだと論じている。
いずれにしても、著者の本音がよく表れている一冊。
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こんばんは。さくらです。
個人的なメッセージで失礼いたします。
今まで、私のような未熟者のブログを毎日応援してくださいまして、本当にありがとうございました。
sadao-mii様からの応援は、夫が休職中のつらい日々の生きる源でした。
博識高くご誠実なお人柄をお慕いし尊敬しております。
gooブログは去りますが、sadao-mii様からいただいた日々の応援は忘れません。そして、もっと本を読みます!
これからもどうぞお元気でいらしてください。本当にありがとうございました。さくら
今後もお元気で、心安らかに過ごされることをお祈りします。
私はまだ移転先を決めていませんが、読みたい方の記事がよめるように工夫したいとは思っています。
こちらこそ、ありがとうございました。