
金庫破りときどきスパイ(アシュリー・ウィーヴァー/創元推理文庫)
第二次世界大戦中のイギリスを舞台とするスパイもの。というよりは、素人がスパイ活動に巻き込まれるタイプのコージーミステリというべきか。
主人公は若くて美しい女性で、しかも金庫破りという設定。
それだけでも、いかにも、なのだが、他にもコージー感がたっぷり。
スパイにリクルートされる経緯が、いくらか安直。
取り扱われる機密が、いくらか陳腐。
恋愛小説か、といいたくなるほどの相手役とのかけひき。
にもかかわらず、すいすいと読めたのは、戦時下の緊迫感、主人公の生い立ちをめぐる謎、思いがけないアクションなど、読みごたえがあるからか。
いずれにしても気楽な読み物としてはお勧め。
第二弾がすでに出版されていて、そちらも読んだ。ストーリー上、続編があるはずだ。

余談だが、金庫破りが主人公のミステリとして思い浮かぶのは、
解錠師(スティーブ・ハミルトン/ハヤカワ文庫)
これはお勧め。読後感がよい。
貴志祐介の「防犯探偵・榎本」のシリーズ
これは私好み。この作者は、このシリーズしか読んでいない。
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