実家へ

毎年一月二日は私の実家へ顔を出している。
母と長男が暮らしている実家だ。


兄は独身なので母が世話をしているようなかんじ。
兄も兄で、目の前にあるものでも母に取らせたりしている。
私はいつも兄に言う。
逆だろうって。
高齢な母なのだから、少しは気づかいしろと。

何度言っても変わらない。ふざけたヤツだ。
だから実家に帰っても長居はしない。
娘にそういったところを見せたくないからだ。そこのところだけは気が重い。


母は我が家の様子を見て目を細める。
仲良くしていていいね、と。父が厳しい人だったので、家族団らんというのはあり得なかった家庭。
私はそんな家にはしたくなかったし、子供がある程度言いたいことを言える家庭にしたかった。
娘にしてみれば、まだまだ物足りないかも知れないが、そこをわきまえさせるのも親の役目だ。

毎年初めに、甘くなりすぎないように、きつくなりすぎないようにと、自戒するようにしている。