正直ホッとした。
同室内に総務があり、体調を崩し三ヶ月間休職していた社員が
クビになったことをリアルに聞いていたからだ。私も同じだろう、と。
妻も、私も仕事に出なくちゃね、と言う。
私だけが悪人で、取り巻く人たちは皆良い人という感覚が生じる。
なにもできていないのは自分だけ・・。
否応もない孤独感に襲われる。怖い。
病気も怖いがそれよりもこの孤独感が怖い。
それからというもの、毎日点滴に行っては家で安静という日々。何日も何日も。
実家にも電話で知らせる。
肝炎とドクターから言われた時、家族にそういった人はいないかと聞かれたからだ。
母はとても心配をしていた。それはなぜかと言うと・・
私は出産予定日よりも2ヶ月早く生まれた。
当然体重も軽く、体もできあがっていない。生まれて半年間、産声をあげなかったのだ。
医者からは50%の生存率だと言われていたそうだ。
当時の医学では生きていることすら奇跡に近かったということだろう。
わずか1600gという体重。
保育器にいなければ命を維持できない状態。その事実がすべてを語っていた。
詳しく話を聞いたことがなかったが、それを聞いたのが私の結婚式の時だった。
父が挨拶の時、突然胸から突き上げるような感情に言葉を詰まらせる。
半年後、産声をあげたと医者から連絡があった時のことを話始めたときだ。