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業務&ITコンサルタントのひとり言

コンサルティング活動を通じて感じることを勝手気ままに記載

壊れたニッポンを治す為の処方箋#3:103万円の壁の解決と大学生アルバイトの問題

2024年12月14日 12時51分17秒 | 社会全般
今話題の103万円の壁について、新聞やTVで様々な解説をしている。その中で、学生の立場での解説があったが、学生にとって103万円の壁の議論は必要なのだろうか?本来学生は勉強する事が本業であり、103万円を超える程のバイトをしている事に問題がある。

残念ながら、日本の学校教育の在り方は間違っている。特に大学の教育が…。大学生は本来、人生で一番勉強すべき時期なのだが、日本の大学では勉強をそれほどしなくても大学を卒業できる事に問題がある。アメリカを代表とする上位クラスの大学では、アルバイトに精を出す暇など殆どないのが実情なのだが…。

ひと昔前までは、アメリカの上位の大学になればなるほど、入学者数に対して卒業できる学生の割合が大変低かった。勉強しないと卒業出来ない為、学生は必死に勉強した。そして落ちこぼれた学生は、レベルの低い大学に転校して、学業を続けていた。

最近は入学者の選別に力を入れている為、大学入学者はその厳しさに覚悟を持っている学生が入学してくる事で、卒業できる割合が高くなってきていると聞く。但し、勉強しないと卒業できない事については変わりはない。結果、夏休みには思う存分アルバイトをするが、授業がある学期中にアルバイトをする学生は大変少ない。

一方日本の大学の学生は、勉強する時間を削ってまでアルバイトに精を出している。

4年間勉強してきた学生と、4年間アルバイトに精を出してきた学生とでは、卒業時点で雲泥の差が出る。それが今のアメリカと日本との国力の差ではないだろうか。昨日、ある調査データが公表されたのだが、日本人の知力は24歳で頭打ちしているとの事で、北欧諸国では、数的思考力が30~40代まで伸び続けているとある。

日本の大学の殆どは大都市圏にあり、アルバイトは簡単に見つけられる。一方アメリカでは主な大学は地方にある場合が多く、アルバイトはそれ程多くはない事も影響しているだろう。しかし、やはり大学は勉強をする所である。

またアメリカでは一旦社会人となってお金を稼いでから、大学に行く事も容易にできる事も影響しているだろう。その為、日本の”苦学生”の様が学生は、比較的少ない面もある。そこで政治が考えるベキ事は、教育の無償化であって、大学生にアルバイトをさせる事ではない。

アルバイトに精を出すのは高校までで、繰り返すが大学では死ぬほど勉強する所である。そして週末はストレス発散、勉強、そして多少のアルバイトに使う時間である。大学生が103万円を超えるアルバイトにいそしむ事は本末転倒であり、103万円の壁の是非を学生の立場で解説する必要はない。それよりも、大学生に勉強させる事を考え、それに向けた案を解説すべきである。日本の将来の為にも...。
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壊れたニッポンを治す為の処方箋#3:11月12日の日経「SNS利用 16歳未満禁止」の意味と価値

2024年12月08日 12時14分30秒 | 社会全般
11月12日の日経に、「SNS利用 16歳未満禁止」云うタイトルの記事があった。これはオーストラリアでの話だが、他の国でも、同様の動きをしているとの事である。これは日本も見習う事ではあるが、理念や哲学が欠如した日本人に、この様な事が出来るだろうか?

記事には、「SNSが豪州の若者に悪影響を及ぼしている状況を終わりにする」とある。そして、フランスでは13歳未満の使用禁止、ノルウエーではSNSの利用開始年齢を13歳から15歳に引き上げる、そしてアメリカでは一部の州で年齢制限を設ける試みをしているとある。全うな大人の判断だろう。

残念ながら、日本の政治家の殆どには、理念や哲学がない。無いから、アメリカから云われてLGBT法案を通し、そして夫婦別姓を進め様としている。アメリカに云われて、そして政治家に留まる為に、これら悪法を通そうとしている。その様な政治家が、子供の心の健康を考慮する事は出来ないだろう。残念ながら…。

子供には、スマホは必要ない。子供にとって必要な事は、五感を使って遊び、遊びから学ぶ事が大事である。そして、生身の人間と触れ合い、社会性を学ぶ事である。自然を相手に遊ぶ事が、一番の情操教育になる。自分にとって、基地を作って遊んだ事が、一番の思い出である。その為、子供にはSNSの使用を禁止するだけでなく、スマホそのもののが不要ではないだろうか。

またスマホの使用は、目に大変悪い。子供の健康(この場合は目)を心配する親であれば、子供にスマホを使用させる事は躊躇するだろう。そういった意味で、スマホだけでなく、ゲームで遊ばせる事も、親であれば躊躇すべきであるが、残念ながらこれに無頓着な親は多い。

幸いこの日の記事の後にも、何回か類似の記事を見た。マスメディアの中では、重要な社会問題であると云う意識がある様で、多少の希望が持てる。そしてこのオーストラリアでのこの法案は、世界の流れである。是非日本でも、子供のSNSそしてスマホの使用を制限する法案を作成し、通して欲しい。
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壊れたニッポンを治す為の処方箋#3:10月23日の日経「新卒採用綱渡り 来春の計画達成率 理工系最低」で表出された問題点

2024年12月07日 16時13分42秒 | 社会全般
10月23日の日経に、「新卒採用綱渡り 来春の計画達成率 理工系最低」云う記事があった。理工系の学生の採用に苦労しているとの事だが、残念ながらこの記事はその理由の深掘りが全く書かれていない。そこでその理由を想像してみたい。

大学の学生数については、文系の学部・学科(多分学生数も)が増えているが、理工系の学部・学科(学生数)が微減していると聞く。しかし理工系の達成率が低い主な原因は、学生数の減少よりは、理工系の求人数が増えているからだろう。因みに、来年辺りから大学での理工系の学生数を増やしていく方針だったと記憶している。

理工系の学生向け求人が増えているとの前提で話を進めるが、何故企業は理工系の求人を増やしているのだろうか?先ずはこの点を考える必要がある。多分それは、企業が求めている人材は、文系より理工系の方に居ると云う事だろう。

先ず明確なのは、理工系の教育の方が、実社会で直ぐに役立つ教育を行っていると、企業は考えているのだろう。そして一般的に云われている事だが、理工系出身者の方が、論理的な思考が出来ると云われている。社会では時には情緒的な思考が必要だが、論理的な思考が必要である事が多い。豊洲市場への移転の際に「安全ではあるが、安心ではない。」と云った何処かの愚かな知事の様な意味不明の情緒的な思考が優先されると、社会は壊れてしまう。

教育現場での問題は、自分の4月20日に掲載したBlogにも書いているが、日本では理工系の学位取得者は”全体の35%に留まり、英国の45%、ドイツや韓国の42%より低い”と云う事が問題である。そもそもの理工系の卒業生の割合が低い事が問題であり、改善が必要である。その問題点に漸く気が付いたのが、今年の4月20日に紹介した記事である。
”https://blog.goo.ne.jp/s_and_m_consul/e/1cdf58bc8d96cc82559174a5529c3b22”

そして文科省が指導している大学教育の問題点は、既得権益を守る為に、長年定員を抑制してきた事である。定員を抑制してきたため、下位層の大学でも学生を集める事が出来る。そして文科省を引退した人が、そこに就職する...。一種の利権構造を維持してきた仕組みだと言えよう。

それから企業側の問題点は、理工系を求めている割には、理工系の初任給が、文科系と殆ど変わらない点にある。本来であれば、理工系の学生の方を求めるのであれば、文科系より高い初任給を払うベキである。そうすれば、より多くの高校生が理工系を目指す様になり、自ずと理工系の定員を増やす必要が出てくる。因みにアメリカでは文系と理工系とは、初任給が倍以上違う現実を、企業や国民は知るべきであろう。
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壊れたニッポンを治す為の処方箋#3:10月23日の日経「欧州からの休暇革命『休み下手』返上で高時給」への期待と問題点の本質は?

2024年12月01日 11時22分43秒 | 経済
10月23日の日経に、「欧州からの休暇革命『休み下手』返上で高時給」云う記事があった。休暇を多く取りながら労働生産性を上げて行く事の重要性を言いたいのだろうが、これがもっと推進される事を願っている。しかしそこにたどり着くには高いハードルがある。

この記事には「英国では週休3日を企業に促す法案の提出に向け動く。日本でもJR西日本など大手企業が導入に前向きだ。」とある。そしてこの記事には、DMG森精機に関して次の記載が続く。「1700時間対2300時間。森社長はドイツ社の社員が日本の7割強の年間労働時間で同等の成果を上げているのに驚いた」とある。そしてDMG森精機は休暇を増やしても、連結営業利益が3期連続で最高を更新したと…。

我々読者は、休暇を増やしたダケで、生産性が上がった訳では無い事を理解する必要がある。この様な事ができたのは、日頃から高いレベルの仕事を求めているDMG森精機だからこそ出来た事であろう。そして森社長はその高いレベルの仕事を実現している対価として、記事には次の事を記載しいている。「休暇は社員への投資だ」。

但し、ここで注意する必要があるのは、3期連続の増収の結果、”1700時間対2300時間”の差がどの程度縮まったのか?である。あくまで想像であるが、この差はまだまだ大きいであろう。

”『休み下手』返上で高時給”を実現する為には、ただ単に週休3日制などの休暇を増やしても、労働生産性が上がる訳ではない。これを実現する為には、主に次の3個の前提条件を満たす必要がある。

・労働生産性を上げる為には、業務の仕方を変える必要があり、効果的そして効率的な業務の仕方に変える必要がある。
・社員(人)が、仕事よりも家庭やプライベートを優先する様になる事である。
・仕事の成果に対しては、会社は厳しく評価する必要がある。

森精機の実際の仕事の仕方を見た事がないので、あくまで漏れ聞こえてくる情報を元にした想像ではあるが、森社長は上記の3個の前提条件を理解し、実行しようとしている様に見える。是非頑張って頂きたいし、他の企業の模範になって頂きたい。
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壊れたニッポンを治す為の処方箋#3:10月21日の日経「『守永流』同意なき回収 停滞破る目覚めの劇薬」への期待と問題点

2024年11月30日 14時24分54秒 | 経済
10月21日の日経に、「『守永流』同意なき回収 停滞破る目覚めの劇薬」云う記事があった。日本電産と言った方が伝わるが、ニデックと言う会社の創業者である守永氏の経営手腕によって買収した会社が良くなっていく内容だが、守永氏の手法には問題点もある。

記事の中に、「1日の営業件数を買収前の5倍に増やし、顧客からの見積もり依頼は3倍に増えた」とある。そして「買収した(された)企業の経営が好転するのに、平均2年が掛かる」とあるが、この買収では即座に効果が表れている様だ。流石、永守流である。

しかしこの記事には、一般論では一見良い事ではあるが、本当は問題がある改善策が書かれている。それは、「調達部門では複数の取引先から見積もりを取り、3~5回の価格競争が原則となった。」とある。これは一般的には、正しい改善策と考えられているが、これを実施されると、多くの下請け企業は自社の利益を削って値下げ交渉に応じる事になり、下請け企業の従業員への給与を上げる事に苦しむ事になる。

勿論、下請け企業も企業努力して改善・改革を行い、利益を増やす事も可能である。しかし、この買収された企業は、3~5回の値下げ交渉をされている下請け企業と同じ様に、製造業の大企業から値下げ要求に長年苦しんできた会社である。会社を変えていく事は大変な事である事を、一番よく知っているハズであるが...。

その昔、日産にゴーンが乗り込んできた頃、日産は仕入先に対して軒並み2割カットを伝えてきた。当時丁度、自分もコンサル業務で日産と取引をしていたのだが、2割カットを依頼される事が分かっていたので、3割増しの価格で見積もりを出し、言い値で注文を取った事がある。但し、その契約はT&M(Time and Material)と云う、実際に掛かった金額を請求する契約で、見積りした金額程の費用が掛からない事を分かっていたので(管理していたので)、実際の請求額は見積もり金額より少ない金額で出した事がある。多くの日本人が、この様な気構えで仕事(取引)をすれば、これ程長い間、給料が停滞する事は無かったのだが...。
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壊れたニッポンを治す為の処方箋#3:103万円の壁の解決方法

2024年11月24日 10時59分32秒 | 社会
国民民主の玉木さんが103万円の壁を178万円に引き上げる政策を打出し、自公と調整に入った途端、財務省の息がかかったジャーナリストが挙って消極的な案を出してきた。限度額を引き上げる理由は2つあるのだが、その一つのみを議論しており、大変愚かである。

この”理由”の一つは、少しでも多く働きたいが、103万円の壁を気にしている人達の目線である。もう一つは雇い主の目線で、特に年末になると人の確保に苦慮している人達の目線である。

働きたい人達の考えは概ねこうだろう。
社会との接点を持ちたいから、または小遣い稼ぎや家計の足しでパートで働いている人達の労働パターンは、概ね4時間/日x週4日=週16時間、または6時間/日x週4日=週24時間、程度が多いのではないだろうか?年間50週働いたとしたら、年間の労働時間は800~1200時間となる。

仮に時給が1000円とした場合、最大で120万円になるので、103円の壁は120円程度で十分になる。しかしそもそも、時給が低い為、時給1200~1500円程度で考えるベキであろう。そうなると、時給1200円では96~144万円、時給1500円では120~180万円となる。

個人的な意見は、週20時間以内の労働が、控除の対象となるベキだと考えている。週20時間は年間約1000時間である。それで壁は150万円辺りでも十分と考える。178万円の方が有難いに決まっているが、150万円以上働く人達は、正社員から見ると逆に不公平感があるのではないだろうか。因みに学生には社会保険料の徴収は必要ないと考えている。

因みに、限度額を103万円に設定したウン十年前は、どの様な根拠、または想定で、この103万円を決めたのだろうか?その情報共有も殆どされていない。そして、税金の在り方を抜本的に見直す必要があるだろう。

もう一つの理由は雇い主の目線だが、それは労働力不足の解消であるが、これが殆ど議論されていない事に、ジャーナリストの愚かさが見えてくる。特に年末になるにつれて、年収の調整に入る人が多くなり、パートを制限する人が沢山居る事が、大きな社会問題になっているのに、それを考慮しない、似非ジャーナリストの案には、ガッカリさせられる。
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"壊れたニッポンを治す為の処方箋#3:11月12日の日経「ウクライナ巡り自制促す」の意味と解決に向けた私案 "

2024年11月23日 10時00分00秒 | 社会全般
11月12日の日経に、「ウクライナ巡り自制促す」云うタイトルの記事があった。これはトランプ氏がプーチンに対して言った言葉の様だ。トランプ氏はウクライナに非武装地帯を設ける案を持っている様だが、素人なりに、これを踏まえて私案を考えて見たい。

ロシアの目線で考えると、ウクライナがNatoに入る事はとんでもない事である。要するに、最前線が自国の隣に来る訳であり、看過できないだろう。そうなると、トランプ氏が言っている緩衝地帯または非武装地帯の設置は理にかなっている。

記事には、「トランプ氏はロシアが占領している領土の一部を維持する形での合意を支持する意向を示している」と書いている。そうなると、ルハンススク州を緩衝地帯またはロシアに帰属させる事が考えられる。後は、これにドネツク州を含めるかどうかが、論争になるであろう。

2つ目の検討ポイントは、軍事的に重要なクリミア半島の帰属である。この地はロシアにとってもウクライナにとっても重要な場所である。元々はクリミアにあるセバストポリがロシアの黒海艦隊の基地だったが、ウクライナ独立後は、クリミア半島の中にあるアゾフ海には、ロシアの重要な軍港があったと記憶している(間違いかも…)。その軍港から黒海に抜けるのに、クリミア半島で狭められている海峡を通る必要があり、そのクリミア半島が他国の領地である事は軍事面では許容できない問題であろう。

その為、クリミア半島を分割し、東半分をロシアの帰属にする事が、両国にとって一番納得し易い妥協案であろう。ロシア側からすると、クリミア全体を欲しているが、そうなるとウクライナにとって脅威になる為、その様な合意は難しいだろう。そしてこの軍事面でロシアはドネツク州やサポリージャ州も欲しいと言うだろうが、この辺りは非武装地帯としてウクライナに帰属させる方が良いのではないだろうか。

3つ目が一番難しい。素人では...。それは、ウクライナの東側ではロシア系の住民が沢山住んでいるのだが、彼等はどう考えているのか、殆ど情報がない。ロシア人だから、ロシアに帰属したいと考えているのか、それとも、独裁国家のロシアに帰属したくないと考えているのか、これが全く分からないのである。かれらの希望もある程度考慮する事も必要ではないだろうか?

そして、これらの妥協案をロシアが受入れない場合、アメリカはウクライナに入り込んでいるロシアの軍隊を攻撃し、場合によってはロシアの軍事施設も攻撃する事を伝えるであろう。そうしないと、この紛争は何時まで経っても終わらない。
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壊れたニッポンを治す為の処方箋#3:10月11日の日経「ドコモ、国産優先を転換」の問題点の本質は

2024年11月17日 10時00分00秒 | 経済
10月11日の日経に、「「ドコモ、国産優先を転換」云うタイトルの記事があった。これは、日本の電子・通信産業は、世界で競争出来なくなったと云う事の象徴であろう。1980年代辺りまでは世界のトップランナーだった日本のこの分野の企業の衰退は、大変残念である。

何が起こっているかというと、この記事では「基地局富士通から海外製」とある。そして「ファーウェイ、エリクソン、ノキアが3強で、NECと富士通合わせても約2%。」との事である。ドコモの発注が2%と云う事は、世界では殆ど売上がないとの事であろう。惨敗と云える。

昔はNTTからの通信関連の発注は、殆どがNECや富士通の国内企業だった。企業としてはNTTから安定した注文があり、企業経営はそれで成り立っていた。また通信関連の市場は今とちがってそれ程大きくなく、技術の進歩も今程早くなかったであろうし、市場も今程Blobal化していなかった。その為、海外への積極的な展開は行わず、日本の市場で安住していた。

国内に安住している内に技術の革新に取り残され、世界では勝負出来ない企業に成り下がっている。これが今の日本の電子・通信関連企業の現状である。70年代辺りまでは、日本は海外に打って出ないと食べていけないと云われていて、多くの企業が海外に販路を求め、海外でも売れる製品を開発してきた。それが日本の市場で満足し始めた事で、世界で戦えない企業になった典型的な例であると云える。

12日にも富士通に関連する記事があり、「富士通、ITシフトに拍車」とある。通信機器関連では商売が出来ない為、ITビジネスに販路を求めているとの事だ。しかし残念ながら、富士通はIT関連での海外でのビジネスはあまり進出できておらず、殆どが国内企業を相手にしたITビジネスである。海外でもあると云う人もいるだろうが、それは買収した海外のIT企業の業績のみで、富士通が日本の企業の海外子会社へのITシステム開発で、富士通が選ばれる事は殆どない。

何故なのだろうか?日本人は、今まで海外や外国人をコントロールして来た経験がない。俗に云う植民地を持った事はあったが、欧米の様に外国、又は外国人をコントロールし、搾取する様な事は行って来なかった。この性質が、日本の企業の海外展開にも表れており、日本の殆どの企業では、海外法人の運営は現地に任されており、コントロール出来ていない状況にある。

昨今のGlobal企業でのITシステムの導入では、業務や管理の統一化を推進しているが、日本の企業または日本人が海外方針をコントロール出来ていない為に、日本主導で業務や管理体系の統一化を行えていないケースが大変多い。外国の子会社の言いなりになっているのが状況である。

しかし一方で、日本の業務や管理体系が特殊であるが為に、日本主導で統一化できない面もある。これらの二つの問題点を解決しない限り、日本の企業がGlobal化する事は大変難しいであろう。そして今自分は、正にこの問題を解決する為に取り組んでいる。何とかしないと…。
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壊れたニッポンを治す為の処方箋#3:なぜ日本のスーパーは、安売りをしたがるのか?

2024年11月16日 12時37分26秒 | 社会全般
10月の末頃の「マツコの知らない世界」と云う番組での話だ。自分の家にはTVが無く、Tverで仕事をしながら断片的に見たので若干不正確かも知れないが、北関東のスーパー激戦区では200円弱のお弁当が売られていると…。この安売りを続ける限り、日本人の収入は上がらない。

この”安売り”に関する問題点を何回か掲載しているが、この”安売り”が企業活動に置いて、目指すべき方向だと考えている事が、この30年に渡る日本の経済の元凶である。

製造方法の改善や、ムダな業務の削減によって、コストの削減を行い、販売価格を下げるのであれば、企業活動として正しいのだが、人件費を削減し、仕入れ価格を抑える事でコストを削減する事で、経済の停滞を招いてしまっている事に気が付かない限り、日本の経済は発展しないし、政策として目指している緩やかなインフレは実現しない。

人件費を抑制する為に、国(政府)は二つの大罪を侵している。
①非正規労働者の対象範囲の拡大
②外国人労働者の受入れの拡大

但し、今回はこの問題点を深掘りするのではなく、日本人の特性であり、美徳でもある次の事が、多くの日本人が低賃金で苦しんでいる事を深掘りしたい。

昔から、日本の一般庶民は貧乏だった。貧乏で無かったのは、昭和後半の高度成長期から、バブル崩壊迄であろう。突然小金を持った日本人がお金を持った時の振舞いが分からず、バブル崩壊に向かったのだろう。(これも本日の本題ではないので、これ以上の深掘りは止めておく。)

昔から日本の一般庶民は貧乏だったが、決して不幸せではなかった。そしてお互いを助け合い、貧乏の中でも幸せな生活を送っていた。この様な事例は、江戸末期から明治に掛けての外国人による日本人描写に記載されている。その代表例が、イザベラ・バードによる日本紀行であろう。

このお互いを助け合う精神が、200円未満のお弁当を生んでいる。生産者側、この場合はスーパーの従業員の給料と利益であり、仕入れ業者からの仕入価格の抑制→生産者側の従業員の給料を抑えてまで、定価格での販売を実現している。これを続ける限り、日本人の多くが貧乏のままで生活する事になる。

今は欠点になっている日本人のこの美徳を変えない限り、低賃金は続き、日本と云う国は成長しないであろう。そして外国から見ると、日本人は都合の良い低賃金で働いてくれる優秀な労働者であり、都合の良い労働者として取り扱う事が、恒常化しつつある。何とかして、この様な事は阻止する必要があるのだが…。
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壊れたニッポンを治す為の処方箋#3:10月8日の日経のコラム「『背中見て学べ』もう古い」の問題点の本質は

2024年11月09日 10時26分35秒 | 社会全般
10月4日の日経に、「『背中見て学べ』もう古い」云う興味の湧くタイトルの記事があった。記事を読んでみると、この記事には統一したメッセージはなく、単に一人の若者の意見を書いているダケであるが、現状を知る上では参考になる記事であろう。

この若者は、「このままだと思い描いた成長ができない」、「上司の背中を見て学べという雰囲気で、結局よくわからなかった」と言っている。これが意味する事は、日本人は基本的には育てないと育たない文化にあり、外資の金融機関では、人を育てる環境ではなく、背中も殆ど見せていないと云う事である。だから”背中を見ても分からない”になる。

この若者は日本企業に転職し、勤務時間が長くなったにも関わらず、「それでも今の方が楽しい」「『この人から学びたい』と思える人を見つけたから」と言っている。やはり、自分で学ぶ事が出来ず、教えてくれる人が居て、初めて居心地の良い環境が見つかったのだろう。日本人は育てないと育たないの典型である。そしてこの記事には、若者はベンチャービジネスより大企業を志向する傾向にあると書いている。

またこの記事には少し矛盾した事も書いてある.。記事の冒頭に、外資への就職は「給与の高さやスキルアップの面から人気がある」と書いているが、最後にはこの若者が外資から日本企業に転職した理由をうけて、「若者を突き動かすのはお金でなく、向上心という情熱なのかもしれない」と締めくくっている。

”スキルアップ”と”向上心”は似た意味を持った言葉であるが、外資でスキルアップ出来なかった若者が、日本企業では”向上心”を持てるとはどういう意味だろうか???。

これは既に述べている様に、自分で学ぶ事が出来ない人間は、外資では活躍出来なく、日本企業に入って育ててもらうしか道がないという事である。繰り返すが、多くの若者は、教えてもらわないと、”スキルアップ”も”向上心”も育む事が出来ないと言っているに等しいのではないだろうか。

日本の学校教育では”教える事”が中心で、”生徒が学ぶ事”を教えていない。その為、「教え方が悪い」などと云った批判を良く聞くが、これは本末転倒であろう。確かに、教え方の良し悪しは必要だろうが、自分が学ぶ姿勢を持たないかぎり、人は伸びない。

この事例にはもう一つの問題が隠されている。それは、リモートワークが人がっている事である。リモートワークだと、「上司の背中」は大変見えづらくなる。なので、人の背中を見て学ぼうを考えている人にとっても、学ぶ機会は激減する。この点も課題であり、多くの企業は業務効率の観点も含めて、出社させる様にする方向に転換している。
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