ナチュラルな暮らし

穏やかな日常の一コマ

熱海へ~大正昭和の名邸に出会う~

2023-12-02 | ミュージアム

熱海の2か所目は街中にある「起雲閣」です。ここは岩崎別荘、住友別荘と並ぶ「熱海の3大別荘」と言われた建物…建てたのは海運王とも呼ばれた内田信也で大正8年のことです。大正14年に鉄道王と呼ばれた根津嘉一郎の手に渡り、建物が追加され日本庭園が整備されました。昭和22年に旅館として生まれ変わり、日本の代表的な文豪たちに愛された宿でした。今は熱海市の施設として維持管理されています。

  

 

大正8年に建てられた部屋は、旅館にした桜井兵五郎が石川県出身だったことで、金沢の名邸「成巽閣」の群青の間に因んで青い壁に塗り替えられました。金沢ではおもてなしをする部屋にはこうした色を使ったのだそうです。窓にはめ込まれたガラスは当時の手作りのもの…ゆがんだガラス越しの風景も良いものでした。

  

  

 

こちらは根津嘉一郎が昭和7年に新たに建てた洋館です。日本の神社や寺に見られる建築の特徴と中国的な装飾、それにアールデコも加わった玉姫と呼ばれる部屋です。この部屋の天井は東京の岩崎邸や地元の林家住宅でも見られる「金唐革紙」でした!

     

  

 

庭に面した部分はタイル張りでした。

  

 

こちらの部屋は中世英国のチューダー様式を用いた床の間的な空間があって玉渓と呼ばれています。

     

  

 

こちらは昭和4年に建てられた洋館で格調高い迎賓の雰囲気があります。廊下の天井も手が込んでいます。

     

  

 

こちらのローマ風浴室もとても手の込んだ優美なものとなっています。脱衣室もタイル張りでした。

     

  

 

旅館として使われていた時代には山本有三、志賀直哉、谷崎潤一郎、太宰治,、三島由紀夫などの日本を代表する文豪たちが訪れたそうです。その痕跡もたくさん残されていました。部屋から庭の眺めも良く筆が進んだことでしょう。

     

  

 

こちらは根津嘉一郎が手掛けた日本庭園です。庭も散策できました。ここからはスマホ写真です…

  

  

 

内田真也によって建てられた建物と根津嘉一郎によって建てられた建物を庭から見た風景です。

  

 

この日はこの後、海が見える宿(露天風呂付きのお部屋!)に泊まり、熱海の温泉で疲れを癒しました。海の幸をたくさんいただき、海の夜景も楽しみました。

     

  

     

 

МOA美術館と起雲閣を訪れたこの日、良い天気に恵まれ充実の旅の一日でした。車移動でしたが7205歩歩きました…

 

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2 コメント

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Unknown (kazukomtng)
2023-12-03 16:32:23
起雲閣、懐かしいわ!
詳しい解説で、あれこれと思い出す事ができました。
感謝!
ご主人様と良い旅をされていますね。

そうそう、
サメ氏の同期会、東京に変更になりました。
翌日に防衛省を見学したいらしい?
サメ氏は見学したくないらしい。
防衛庁時代にはよく出入りしていたみたいですが、防衛省は別の場所だし、かな?
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くちかずこさんへ (タッジーマッジー)
2023-12-03 19:11:02
くちこさんも起雲閣に行かれたのですね。
中々趣のある建物とお部屋の数々…
どこも見どころ満載でした。
大事に残されているのはありがたいことです。
古きよきものに出会う今回の旅…
なかなか良かったです。

来年の同期会は東京になったのですか、
東京も見どころいっぱいですから楽しんでください。
防衛庁があった所は東京ミッドタウンになりましたね。
一昨日、そこのイルミネーションを見てきました。
今の防衛省は市ヶ谷でしょうか…
昔とは場所が違えば雰囲気も違ってきているのでしょうね。
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