以前から気になっていた「ブルーノ・タウト」の建物を見たくて「熱海市」へ行ってきました。でも他にも見たいところがあって、その一つが「МOA美術館」です。今まで熱海は通過地点でしかなかったのですが、今回は注目していた3か所を巡る一泊二日の旅でした。行きは中央道を山梨方面まで行って双葉JCTから中部横断道、新清水JCTから新東名、長泉沼津ICから伊豆縦貫道を使って3時間余り…ちょっと遠かったです。中央道からの八ヶ岳と富士山、中部横断道からの富士川です。
今回の旅は夫と…中央道と中部横断道は私が、新東名からは夫が運転して行きました。新東名は以前乗った時は3車線とも混雑していましたが、今回はガラガラでした。茶畑が見えてくると静岡に来た感じがしました。
熱海について「МOA美術館」を目指しました。海を見下ろす山の上にあって駐車場からは建物の3階が入口でした。大きな開口部とエントランス…大きな開口部のドアは漆塗りでした(内側は赤と黒!)漆塗りは人間国宝「室瀬和美」が手掛け、朱漆と黒漆のコントラストは現代美術作家「杉本博司」のデザインだそうです。
この右方向に海の見えるロビーがあって、そこにも「杉本博司」デザインのソファがありました。脚部は透明度の高い光学ガラスを使用しているようです。海の風景も見事で、相模灘が一望できました。近くに見えるのは熱海の初島、遠くに見えるのは伊豆大島です。
ロビーの続きにあったのは何と桃山時代の豊臣秀吉の黄金の茶室です。当時の文献をもとに再現したのだそうです。黄金の茶道具も純金で復元されていました。
ここには国宝が3点もあって、この日は「野々村仁清」の「色絵藤花文茶壷」が展示されていました。「尾形光琳」の「紅白梅図屏風」は2月の展示予定になっていました。「尾形光琳」の絵や印籠、屏風などを見てきました。
「尾形乾山」の作品にも注目でした。
「豊臣秀吉」直筆の書状や「千利休」が愛用した茶碗、重要文化財の品々もたくさんあってを鑑賞できました。これは奈良時代の十一面観音と中国南宋時代の書です。
特別展は「十三代三輪休雪の萩焼の世界」でした。素敵な萩焼の作品を鑑賞しました。「千住博」の作品とのコラボ展示もありました。
外に出ると相模灘を一望できるロケーションでした。眼下に梅園が広がっていましたが、さすがまだ梅の蕾は堅かったです。広場には「ヘンリー・ムア」の「王と王妃」の作品がありました。
山の下方にある入場口に行ってみました。ここに行くまでは山の斜面の景観をそのまま残すように内部にエスカレーターが設置してあって、アーチ状の壁面や天井は美しい色彩でデザインされていました。その上には円形ホールがあって、世界最大の万華鏡が投影されていました。
次に向かったのは「茶の庭」です。茶室や日本庭園があってちょうど紅葉が始まっていてきれいでした。
「尾形光琳」の屋敷が復元されていました。江戸時代の上層町衆の数寄屋建築だそうです。
庭には「ツルリンドウ」が咲き、「サザンカ」の花も咲いていました。見事な竹林があって、そこには「ツワブキ」が群生していました。
最後に見学したのは「能楽堂」です。檜皮葺き、入母屋造りの屋根に総檜造りの能舞台は能以外にもコンサートなどに使われているようです。
広大な敷地に立つ「МOA美術館」…創立者「岡田茂吉」が蒐集した作品が展示されています。美術品が最も美しく映える空間を演出しているそうで、それを手掛けたのは現代美術作家の「杉本博司」!その「杉本博司」の作品もいくつか展示されていました。他の美術館にはなかなか見られない、何とも贅沢な空間の美術館でした。