【ガラスのピラミッド(左)、モエレ山(右)】
ずっと前から行きたいと思っていた
イサムノグチが設計した公園。
数年前、ファインのエコ歯ブラシが
グッドデザイン賞を受賞した時
授与式に参加し、その時の大賞がこのモエレ沼公園だった。
イサムノグチは和紙のランプシェードや彫刻など、
生活に入り込む芸術を
アメリカ、日本に数々残している。
大地をデザインし、公園や庭園を芸術的にデザイン。
地球を彫刻した男といわれるイサムノグチは
アメリカと日本のハーフとして生まれ、
第二次世界大戦中は
日本にもアメリカにも居場所がなく苦しんだという。
戦後は、2つの祖国の美しさを作品の中に息づかせた。
というのを10数年前だっただろうか、
池袋の美術館での個展を訪れたとき
確か知ったような気がする。
スケールの大きな大地や石の作品と対象的に
小さな日用品のコーヒーカップやカトラリー。
イサムノグチの作り出す
ゆるやかでやわらかい曲線からは、
荒削りな石や、冷たくて無表情な金属やガラスに
まるで命を吹き込んだかのような
あたたかさや包容力を感じるのだ。
大胆だけど繊細。
強いけどやわらかい。
ゆるやかだけど鋭い。
どちらにも片寄らない。
でもどちらも持っている。
彼の作品のような
そんな私を今日も目指していこう。
*******************************
公園内のガラスのピラミッド付近から
急に雨がポツリ。と降りだした。
美術館のようなピラミッドの中で
夢中になってシャッターを押していたら、
傾斜した三角錐のガラス窓の天井から
雨の水脈のように放射状に流れ落ちていた。
かなり雨足が強くなっている。
バスの時間があるから、そんなにゆっくりしていられない。
意を決して降りしきる雨の中、
ピラミッド型のモエレ山に向かった。
小高い丘のように形作られていて、
取り巻くように階段が頂上をつながっている。
雨はますます激しさを増し
もはや「どしゃ降り」の範囲に入っていた。
さすがにあたりは誰もいない。
一段一段登っては足を止め、
遠くの山々や眼下に広がっていく風景を見下ろすと
緑色の木々は雨に煙っていて
なんとも言えない美しい風情である。
頂上につく頃には、すっかり全身がびしょ濡れになっていた。
空を見上げると、厚い雨雲。
傘をさしながらシャッターを押していると、
淡い光が差し込んだ。
太陽が隙間から顔をのぞかせたのだ。
雨の強さは「どしゃ降りレベル」をキープしている。
一瞬の気まぐれかと思いながら今度は、
直線になって地上につながった階段をテンポよく一気に降りた。
今登っていた小高い丘を振り返り見上げると
なんと雨はピタリと止んでいた。
山を登りはじめてから降りるまで、
その間15分ほど。
物語のようなタイミングだった。
黒い地面は磨かれた大理石のように輝いていて、
太陽を鏡のように映していた。
もしかしたら、これなんか意味ある?
もしかしたら、浄化の雨?
なんかきれいに流してくれた?
深い意味や理由はわからないけど、きっとそうにちがいない。
よかった、よかった♪
小鳥のさえずりと、草の青々とした香りが
息を吹き返したように
あたり一面を包んだ道を
また歩き始めた。
***************************
これからまた私の現実、
東京へと向かう短い空の旅。
またね、北海道。
ずっと前から行きたいと思っていた
イサムノグチが設計した公園。
数年前、ファインのエコ歯ブラシが
グッドデザイン賞を受賞した時
授与式に参加し、その時の大賞がこのモエレ沼公園だった。
イサムノグチは和紙のランプシェードや彫刻など、
生活に入り込む芸術を
アメリカ、日本に数々残している。
大地をデザインし、公園や庭園を芸術的にデザイン。
地球を彫刻した男といわれるイサムノグチは
アメリカと日本のハーフとして生まれ、
第二次世界大戦中は
日本にもアメリカにも居場所がなく苦しんだという。
戦後は、2つの祖国の美しさを作品の中に息づかせた。
というのを10数年前だっただろうか、
池袋の美術館での個展を訪れたとき
確か知ったような気がする。
スケールの大きな大地や石の作品と対象的に
小さな日用品のコーヒーカップやカトラリー。
イサムノグチの作り出す
ゆるやかでやわらかい曲線からは、
荒削りな石や、冷たくて無表情な金属やガラスに
まるで命を吹き込んだかのような
あたたかさや包容力を感じるのだ。
大胆だけど繊細。
強いけどやわらかい。
ゆるやかだけど鋭い。
どちらにも片寄らない。
でもどちらも持っている。
彼の作品のような
そんな私を今日も目指していこう。
*******************************
公園内のガラスのピラミッド付近から
急に雨がポツリ。と降りだした。
美術館のようなピラミッドの中で
夢中になってシャッターを押していたら、
傾斜した三角錐のガラス窓の天井から
雨の水脈のように放射状に流れ落ちていた。
かなり雨足が強くなっている。
バスの時間があるから、そんなにゆっくりしていられない。
意を決して降りしきる雨の中、
ピラミッド型のモエレ山に向かった。
小高い丘のように形作られていて、
取り巻くように階段が頂上をつながっている。
雨はますます激しさを増し
もはや「どしゃ降り」の範囲に入っていた。
さすがにあたりは誰もいない。
一段一段登っては足を止め、
遠くの山々や眼下に広がっていく風景を見下ろすと
緑色の木々は雨に煙っていて
なんとも言えない美しい風情である。
頂上につく頃には、すっかり全身がびしょ濡れになっていた。
空を見上げると、厚い雨雲。
傘をさしながらシャッターを押していると、
淡い光が差し込んだ。
太陽が隙間から顔をのぞかせたのだ。
雨の強さは「どしゃ降りレベル」をキープしている。
一瞬の気まぐれかと思いながら今度は、
直線になって地上につながった階段をテンポよく一気に降りた。
今登っていた小高い丘を振り返り見上げると
なんと雨はピタリと止んでいた。
山を登りはじめてから降りるまで、
その間15分ほど。
物語のようなタイミングだった。
黒い地面は磨かれた大理石のように輝いていて、
太陽を鏡のように映していた。
もしかしたら、これなんか意味ある?
もしかしたら、浄化の雨?
なんかきれいに流してくれた?
深い意味や理由はわからないけど、きっとそうにちがいない。
よかった、よかった♪
小鳥のさえずりと、草の青々とした香りが
息を吹き返したように
あたり一面を包んだ道を
また歩き始めた。
***************************
これからまた私の現実、
東京へと向かう短い空の旅。
またね、北海道。