9月16日(水)に月山ジオパーク構想のフィールドワークショップが開催されました。
この日にまわったジオツアーコースは以下の通りです
・風車群
・中島橋周辺から見える月山
・科沢層(化石)
・立谷沢川の砂金掘り
・立谷沢川の直轄砂防事業
・弥陀ヶ原湿原
あくまでも「ジオ」のフィールドワークショップなので、通常の観光ツアーでは絶対に寄らないような場所も当然コースに含まれています。
一般的な表現ではないとは思いますが、八木先生曰く「とてもジオジオしている」コースとのことでした(笑)
最初のジオサイトは、「風車群」。
「清川だし」とは日本三大悪風にも数えられ、昔から住民の生活や農作物の生育に悪影響を与えたりしていました
これは戸沢村古口から庄内町清川の間の最上峡が狭窄部となっており、山地から吹きおろす風が狭い場所を通る際に強められ強風となることが原因です。
この辺りでは西高東低の気圧配置のときの北西風と、太平洋側に高気圧が張り出しているときの東風のいずれかの強風が、一年をとおして吹き続けます。
その強風を逆手にとって、自治体として初めて風力発電による売電を行ったことでも有名です
その後は、中島橋周辺から月山の眺望を見ましたが、この日は曇り空でそれほどはっきりは月山が見えませんでした
せっかくなので、下に綺麗な写真も貼っておきます(笑)
↑雪解けの頃に中島橋から撮った写真です
その後は「科沢層」に移動です
科沢層は400~300万年前に浅い海の底だった地層です。
この場所では、今から十年ほど前にクジラやカイギュウの仲間の化石が発掘されました
それらの化石はしかるべき施設で保管されておりますが、現在でも貝の化石などは見ることができます。
↑わかりづらいですが、地層の中で白く見える部分が貝化石です
その後は立谷沢川を上流に進んで、砂金掘り体験。
↑砂金掘りをする場所のすぐ上流では黄銅鉱や黄鉄鉱、石英などの鉱物を見ることができます
この日は砂金掘り体験の時間を十分にとることはできなかったため、砂金はあまり採れませんでしたが、その雰囲気は味わっていただけたと思います
さらに立谷沢川を上流に移動して、六渕堰堤の前で国土交通省の立谷沢川砂防出張所の伊藤所長から、立谷沢川の直轄砂防事業について教えていただきました
立谷沢川は、「最上川の土砂の7割を立谷沢川が供給している」とも言われるほど土砂の発生が著しく、「そのまま放置しておいては酒田港まで土砂で埋め尽くされてしまう」とも言われたほどです。
そのため山形県で最初に国の直轄砂防事業が行われ、現在までに40基以上の砂防堰堤が設置されています。
午前の部が終了して、お昼休憩は北月山荘へ
お食事処「やまぶどう」で作る、自慢のお昼ご飯を堪能
骨ごと頭から食べられる名物のイワナや、ゼラチン豊富なジュンサイ、月山筍の入ったお味噌汁など、どれもとても美味しかったです
午後からは月山八合目に移動して、「弥陀ヶ原湿原」を見て回りました
「弥陀ヶ原湿原」は高層湿原で、堆積した泥炭層の隙間に水が涵養されることにより、たくさんの池塘が点在しています。
6月~8月が花の見ごろで、本州ではここ月山と尾瀬にしか自生しない「オゼコウホネ」をはじめ、約130種類もの植物を観察することのできる、花の楽園となっています。
さすがに9月の中旬になり、咲いている花は「オヤマリンドウ」「アキノキリンソウ」「ウメバチソウ」くらいしかありませんでしたが、環境省の下本さんから案内していただき、みんなで弥陀ヶ原湿原を満喫しました
私はシーズン中に10回くらいは来ますが、本当に綺麗な場所なので、写真が好きな方には特にお勧めです
↓空が青ければ、秋にはこんな光景を見ることができます
↑この二枚は去年の10月に撮った写真です
今回のフィールドワークショップも参加された皆さんにはとても好評でした
見慣れた景色でも、専門家に「ジオ」の切り口で説明していただくことによって、やはり新鮮な光景に映るようでした
興味の有無でその見え方は全然違うものとなります。
皆さんもっと「ジオジオ」して行きましょう
参加してくださった皆様、説明してくださった講師の方々、大変ありがとうございました
【お問い合わせ】
庄内町商工観光課立川地域観光振興係(☎0234-56-2213)
月山ジオパーク推進協議会事務局(☎0237-74-2112)