ふれるほどやさしくなる立谷沢川流域

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月山ジオパーク構想 庄内町フィールドワークショップが開催されました!!

2015年09月28日 | ジオパーク

9月16日(水)に月山ジオパーク構想のフィールドワークショップが開催されました。

 

この日にまわったジオツアーコースは以下の通りです

・風車群

・中島橋周辺から見える月山

・科沢層(化石)

・立谷沢川の砂金掘り

・立谷沢川の直轄砂防事業

・弥陀ヶ原湿原

あくまでも「ジオ」のフィールドワークショップなので、通常の観光ツアーでは絶対に寄らないような場所も当然コースに含まれています。

一般的な表現ではないとは思いますが、八木先生曰く「とてもジオジオしている」コースとのことでした(笑)

 

最初のジオサイトは、「風車群」。

「清川だし」とは日本三大悪風にも数えられ、昔から住民の生活や農作物の生育に悪影響を与えたりしていました

これは戸沢村古口から庄内町清川の間の最上峡が狭窄部となっており、山地から吹きおろす風が狭い場所を通る際に強められ強風となることが原因です。

この辺りでは西高東低の気圧配置のときの北西風と、太平洋側に高気圧が張り出しているときの東風のいずれかの強風が、一年をとおして吹き続けます。

その強風を逆手にとって、自治体として初めて風力発電による売電を行ったことでも有名です

 

 

その後は、中島橋周辺から月山の眺望を見ましたが、この日は曇り空でそれほどはっきりは月山が見えませんでした

せっかくなので、下に綺麗な写真も貼っておきます(笑)

↑雪解けの頃に中島橋から撮った写真です

 

その後は「科沢層」に移動です

科沢層は400~300万年前に浅い海の底だった地層です。

この場所では、今から十年ほど前にクジラやカイギュウの仲間の化石が発掘されました

それらの化石はしかるべき施設で保管されておりますが、現在でも貝の化石などは見ることができます。

↑わかりづらいですが、地層の中で白く見える部分が貝化石です

 

その後は立谷沢川を上流に進んで、砂金掘り体験。

↑砂金掘りをする場所のすぐ上流では黄銅鉱や黄鉄鉱、石英などの鉱物を見ることができます

 

この日は砂金掘り体験の時間を十分にとることはできなかったため、砂金はあまり採れませんでしたが、その雰囲気は味わっていただけたと思います

 

さらに立谷沢川を上流に移動して、六渕堰堤の前で国土交通省の立谷沢川砂防出張所の伊藤所長から、立谷沢川の直轄砂防事業について教えていただきました

立谷沢川は、「最上川の土砂の7割を立谷沢川が供給している」とも言われるほど土砂の発生が著しく、「そのまま放置しておいては酒田港まで土砂で埋め尽くされてしまう」とも言われたほどです。

そのため山形県で最初に国の直轄砂防事業が行われ、現在までに40基以上の砂防堰堤が設置されています。

 

 

午前の部が終了して、お昼休憩は北月山荘へ

お食事処「やまぶどう」で作る、自慢のお昼ご飯を堪能

骨ごと頭から食べられる名物のイワナや、ゼラチン豊富なジュンサイ、月山筍の入ったお味噌汁など、どれもとても美味しかったです

 

 

午後からは月山八合目に移動して、「弥陀ヶ原湿原」を見て回りました

「弥陀ヶ原湿原」は高層湿原で、堆積した泥炭層の隙間に水が涵養されることにより、たくさんの池塘が点在しています。

6月~8月が花の見ごろで、本州ではここ月山と尾瀬にしか自生しない「オゼコウホネ」をはじめ、約130種類もの植物を観察することのできる、花の楽園となっています。

さすがに9月の中旬になり、咲いている花は「オヤマリンドウ」「アキノキリンソウ」「ウメバチソウ」くらいしかありませんでしたが、環境省の下本さんから案内していただき、みんなで弥陀ヶ原湿原を満喫しました

私はシーズン中に10回くらいは来ますが、本当に綺麗な場所なので、写真が好きな方には特にお勧めです

 

↓空が青ければ、秋にはこんな光景を見ることができます

↑この二枚は去年の10月に撮った写真です

 

今回のフィールドワークショップも参加された皆さんにはとても好評でした

見慣れた景色でも、専門家に「ジオ」の切り口で説明していただくことによって、やはり新鮮な光景に映るようでした

興味の有無でその見え方は全然違うものとなります。 

皆さんもっと「ジオジオ」して行きましょう 

 

参加してくださった皆様、説明してくださった講師の方々、大変ありがとうございました

 

【お問い合わせ】

庄内町商工観光課立川地域観光振興係(☎0234-56-2213)

月山ジオパーク推進協議会事務局(☎0237-74-2112)

 

 


「霊峰月山登山・月山神社湯殿山神社参拝ツアー」が開催されました!!

2015年09月18日 | イベント報告

9月13日(日)に標記月山登山ツアーが開催されましたので、その模様をご報告いたします。

 

今回のツアーは湯殿山口~月山山頂~羽黒口のコースです

 

湯殿山口から月山山頂を目指す場合、最初の難所「月光坂」でいかにスタミナの消耗を抑えて、最後の「鍛冶月光」までどれくらい体力を残せておけるかが最大の鍵になります。

勢いに任せて序盤を飛ばしてしまうと、どうしても後半がきつくなってしまします。かと言ってゆっくり登ると歩く時間が延びてしまい、背中の重いリュックに徐々にスタミナが奪われていきます。

このペース配分がガイドさんの腕の見せ所になります

 

今回の参加者は22名、それにガイド+スタッフが7名の総勢29名となかなかの大所帯となりました

やはり羽黒口と違って一人でフラッといけるコースでもないので、このようなツアーをご利用される方が多いようです。

 

湯殿山口からの月山山頂を目指す人が少ない理由として、もちろんコース自体の登りのきつさもありますが、実は時間的なきつさがあります。

湯殿山神社へ続く有料道路のゲートは、この時期8時15分~17時の間しか通行できません。また、仙人沢の駐車場から湯殿山神社へのシャトルバスも8時半から16時半までの8時間しか運行していません。

昭文社「山と高原地図 鳥海山・月山」によると、湯殿山神社からの月山山頂までの標準タイムが登り3時間半、下り2時間40分となっています。

湯殿山神社でお参りして、月山神社でもお参りして、休憩をとったりお昼を食べたりということも考えれば、時間的な余裕は正直あまりありません。常に帰りのシャトルバスやゲートの閉まる時間を意識して歩かなければいけません。

初めて登る人は時間に追われるプレッシャーを特に強く感じてしまうと思います。

 

そのため、今回のツアーも登り口は湯殿山口ですが、下りはタイムアップのない羽黒口を選んでいます。

 

 

7時に庄内町役場立川庁舎を出発

 

↑中型のバスをチャーターしたのですが、ほぼ満席になりました 

 

8時10分頃に有料ゲート前に到着。しばし、ゲートが開くの待ちます。

 

 

ゲートが開き、仙人沢駐車場の大鳥居の前で記念写真

 

急いで始発のシャトルバスに乗り込みます。

シャトルバスは湯殿山神社参拝のたくさんのお客さんたちと一緒になり、すし詰め状態になりながらなんとか出発

 

 

が、ここで思わぬアクシデントが

 

駐車場に我々のツアー参加者が一人取り残されているではありませんか

 

事前にシャトルバスの運行会社に確認したところ、8時半の始発の後は9時までバスは出ないとのこと。

スタッフ一同、大いに焦りました

 

シャトルバス下車後にスタッフ会議をし、本体は先に登山を開始してもらい、私がバス停に残り次のバスで来るお客さんを連れ、ペースを上げて途中で追いつくことになりました。

 

自分一人では30分遅れくらいなら簡単に追いつく自信はありましたが、果たしてお客さんがそのペースに着いてこれるのか・・・

バスを待っている間に、相当いろいろ考えました

 

・・・結果としては、15分くらいで次のバスが到着し、大人数のため湯殿山神社参拝にもたついていた本体には登山開始前に合流でき、ようやく一安心

しかし、本当に焦りました(笑)

 

で、準備運動をして、予定より15分遅れの9時15分に登山を開始します

 

↑数日前までかなり雨が強く降っていたので、なかなかの水量がありました。

 

 

序盤から続く厳しいのぼりをひたすら歩き続けます

 

そして、ついに湯殿山口名物の鉄梯子群が現れます

実際に実物を見ると、かなりの長さの梯子が垂直に近い角度でそびえ立ちます

この鉄梯子を登り終えると、最初の難関「月光坂」もまもなくクリアです

 

そして、ようやく休憩所の装束場到着

装束場到着は10時10分。ツアーのタイムとしては上々

ここで息を整えます。

 

この後はしばらく傾斜が緩くなり、ようやく景色を楽しむ余裕も出てきます

 

浄身川にはとてもきれいな川が流れていて、月光坂を登ってきた登山客の喉を潤してくれます

↑この水は本当に美味しいです

 

↑写真では分かりづらいですが、上の方はかなり色づいてきて、シルバーウィークには紅葉の見ごろになりそうです

 

そして金姥に到着。

ここで西川からの姥ヶ岳コースと合流します。

ハイシーズン中だと、ここから登山客が徐々に増え始めるのですが、この日は登山客は少なくほぼ貸切状態

ここから尾根歩きになるのですが、徐々に風も出てきました。

 

↑そして、ここ牛首が最後の難所「鍛冶月光」前の、最後の休憩地点です。

 

ここから先は、写真を撮る余裕も無く、ただただ上を目指して登り続けます

湯殿山口から登ってきて一番きつく感じるのが、ここ「鍛冶月光」の急坂です。

 

しかし、ガイドさんのペース配分が絶妙だったようで、ここもなんとか全員がクリア

 

そして13時にようやく山頂小屋に到着 

山頂の月山神社前で、記念撮影

 

この日の天気予報は午後から雨。

山頂小屋到着まではどうにか天気ももってくれたのですが、下りはずっと雨と風の中になってしまいました

みんな降られる覚悟はしていたので、あのきつい登りを雨具なしで登れただけラッキーだったと思います

 

休憩をしても雨と風で体温が奪われていくだけなので、下りは佛生池小屋と中ノ宮で小休止しただけで、修行僧のよう黙々と降りてきました

 

大所帯でコースもきつかったため正直かなり不安ではありましたが、一人の脱落者も出さずに全員が無事下山することができました

参加者の皆さん、ガイドさん、大変お疲れ様でした

 

 

9月15日に月山神社も閉山し、シルバーウィーク明けで山頂小屋等の営業も終了します。

月山登山のシーズンもそろそろ終わろうとしています。

我々の月山登山関連事業も、今シーズンはこれでおしまいです。

そう考えると、ちょっとおセンチな気持ちになっちゃいますね

 

今年もいろいろな月山を見ることができました

個人的には、高山植物をたくさん覚えることができたのが、今シーズンの収穫だと思っています

 

 

来年も今年同様に数回の月山登山ツアーを予定しておりますので、このブログをご覧になって興味をもたれた方は是非ご参加ください。

 

 

来シーズンはどんな月山を見ることができるかな?

 

※月山八合目へのアクセスルート「県道 月山公園線」は例年10月中旬までは通行できますので、あと一月くらいは八合目からの登山もできるはずです。

 

 

【お問い合わせ】

庄内町商工観光課立川地域観光振興係

☎0234-56-2213


月山ジオパーク構想ワークショップin庄内町が開催されました!!

2015年09月02日 | ジオパーク

8月20日(木)に庄内町役場立川庁舎で、月山ジオパーク構想のワークショップが開催されました。

「ジオパーク」や「ジオサイト」についての説明は、西川町での記事で説明させていただいておりますので、今回は割愛。

詳しくはこちらでご確認ください→「月山ジオパーク構想ワークショップin西川」

 

当日の大まかな流れとしては以下の通りです

 

①個人で付箋紙にジオサイト候補を書き出す

②班ごとに管内図の関係する場所にその付箋を貼る

③その中で重複したものをまとめる

④昼休憩でジオフードを食す

⑤班ごとに庄内町の各項目の代表的なジオサイトを決める

⑥庄内町以外の4市町村で思い浮かぶジオサイトを挙げる

⑦庄内町のジオツアーのコースを考える

 

基本的に西川町でやったことと同じことを庄内町に置き換えて行っているので、掲載写真はどうしても似通ってきます

しかし、その参加者数に大きな違いがあります

 

 

はい、頑張って集めました(笑)

日ごろからお世話になっているお宅に一軒一軒お願いに回りました

 

おかげで、庁舎の中で一番大きな大会議室がかなり手狭になるほど、本当に大勢の方々から参加いただきました

そのため、同じ場面の写真でもかなりにぎやかな印象になりました

忙しい中、お集まりになった皆さんにこの場を借りて感謝

ありがとうございました

 

 

↑まずは「ジオパーク」「ジオサイト」について座学

みなさん真面目に聞き入っています

 

 

↑庄内町の「ジオ」が何かをみんな一生懸命考えています

 

 

↑そして、それぞれが考えたジオを班ごとに管内図に張り付けていきます。

 

 

午前の部はここまでで、お昼休憩

 

お昼ご飯は庄内町三ヶ沢にある「三次郎そば」さん

しかし、これだけ人数が集まると、食べるのも大変です

お店の定員以上のお客様でかなりギュウギュウ

ゆでる前の重さで一人前200gもあるので、かなりおなか一杯になりました。

とても腰の強いソバがとてもおいしかったです

 

 

午後からもやることは盛りだくさん。満腹でも決して眠くなりません(笑)

↑それぞれの班で重複したものをまとめた黒板。

班ごとに特色が出ます

 

その後「①民族・歴史・文化、②生態、③景観、④大気環境、⑤地表・地質」それぞれの代表的なものを班ごとに抽出。

かなり接戦になりましたが、多数決の結果「①清川の歴史、②弥陀ヶ原湿原の池塘群、③月山、④清川だし、⑤濁沢地すべり」が庄内町の代表的な「ジオ」として選出されました。

 

↑最後に班ごとに考えたジオツアーコースを発表

次回のワークショップのコースの参考になりそうです

 

とても充実した一日でした。

参加された皆さんも口々に「おもしぇけぜ」「もっしぇがった」と言ってくださいました

 

 

二回目のワークショップは9月16日(水)です。

興味のある方は、下記までご連絡ください

 

今回のワークショップで複数の班から挙げられた「弥陀ヶ原湿原」「北月山荘」「風車群」「歴史の里きよかわ」「科沢の化石」「砂金」「余目油田」等から何カ所かを組み合わせて、現地を実際に見て回る予定です

 

参加してみるときっと新たな発見があると思います

「ジオ」の目で見るようになると、今までの光景も違って見えてくるかもしれません

 

【お問い合わせ】

庄内町商工観光課立川地域観光振興係(☎0234-56-2213)

月山ジオパーク推進協議会事務局(☎0234-74-2112)