日々之風流

社会の荒波に揉まれる日々を「これまた風流」とかなんとか言っちゃうゆる~い日記

映画「戦国自衛隊1549」レビュー!!

2005年07月04日 | 【映画】

待ちに待った「戦国自衛隊1549」ついに(つうかやっと)観て来ましたよ!
で感想ですが「ストーリーは良くできてました、しかしもうちょっと丁寧に
作ってくれたら、もっと面白かったんじゃないかな?」といった感じでした。

【感想など】

ストーリー的には巧く出来てたと思います。
現代からやってきた自衛隊によって綻びが生じた過去の歴史が
(織田信長なんか最初に戦国時代に来た実験中隊によって既に
殺されてますからね)最後はつじつまが合う形で元に納まります。

ロメオ隊(表向きは先にタイムスリップした自衛隊の救出隊)が
戦国時代に行く理由も一応納得できるし、的場1佐(鹿賀丈史)ら
実験中隊が歴史を変えようとした理由も解らなくはありません。

しかし、そのストーリーが大局的な視点で語られるのでイマイチ
感情移入しにくいんですよ。大げさな例えですが、言うなれば
あらすじを追ってるって感じでしょうか?

例えばロメオ隊ですが、鹿島勇祐(江口洋介)や森3佐(生瀬勝久)
神崎2等陸尉(鈴木京香)かろうじて三國陸曹長(嶋大輔)にドラマが
あるぐらいで、他の隊員は「ドンパチ要員兼やられ役」です。

仮にも当ての無いミッションに参加して、実戦経験の無い自衛隊員が
初めて命のやり取りを、日本人同士(過去の人間とはいえ)で行うのに
そこらへんの心理が描写されていないなんて、薄っぺらくないですかね?

また侍も、もうちょっと現代兵器に驚いても良かったと思うんですよ。
(一瞬ひるんだだけで、次の瞬間にはもう突撃を敢行してますから)

コブラなんて、あんな大きな物体が爆音を轟かせて飛んでたら
フツー腰抜かしますよ!?それがあんた、20mm機関砲だの
ロケット弾だの戦国時代の兵にとって未知の兵器で攻められたら
突撃どころじゃないんじゃないでしょうか。

プラトーンやプライベートライアンまでとは言いませんが、侍達や
主要メンバー以外の自衛隊員にも、葛藤や人間ドラマがあれば
見る側も感情移入しやすかったし、見応えもあったんじゃないかと
思います。

「近代兵器ならではの描写」も、もうちょっと丁寧に描いて欲しかった
と思います。例えば戦車砲を打つにしても、ただ砲撃するのではなく
目標をロックオン⇒移動しながら目標を自動追尾⇒砲撃
という90ならではのプロセスを踏むだけで、説得力が全然違ったと
思うんですよ。

他にも、終盤にコブラ(対戦車ヘリ)をカールグスタフで撃墜するシーンが
あるのですが、あのぅ・・・カールグスタフって「対戦車砲」ですからね?
そこはせめてハンドアロー(対空ミサイル)で攻撃するとか、他になんか
あったんじゃないでしょうか。せっかく自衛隊が全面協力してるんだから
兵器についてもキチンと考証して欲しかったと思います。

いろいろ書きましたが、敵や隊員達の心理、兵器を扱う際の細かな
描写や用兵についての考証を、一つ一つ丁寧に積み重ねる事によって
登場人物はより魅力を増し(架空戦記とは言え)リアリティに満ちた
ものになったんじゃあないでしょうか?

自分自身リメイクを強く望んでた作品でもあり、また「戦国時代」
「自衛隊」「タイムスリップ」と魅力的な要素を多く含んだ作品だけに
「面白かった、けどもう少し頑張って欲しかった」といった感想でした。

ここは以前にも書きましたが、是非「続・戦国自衛隊」を映像化して
欲しいものです(三部作くらいで) 魅力的な登場人物にリアルな描写
関ヶ原での「大どんでん返し」とスケールの大きさではこちらの方が上
かと思います(実際映像化は難しいと思うけどさ)まだ「続・戦国自衛隊」
をご覧になってない方は、是非こちらも一度ご覧ください。


【余談とかお知らせとか】

先ずはお知らせですが、戦国自衛隊1549の撮影済みフィルムを
ハリウッドがオリジナル編集し、効果音や音楽も新たに作成し直した
「ハリウッド・プロダクション・バージョン」の製作が決定したそうです。
タイトルは「SAMURAI COMMANDO MISSION 1549」
ここら辺については、この作品を世界中の方々がどう評価するのか
とても興味がありますね(でも分かるのかなぁ信長とか道三とかって)

で余談なんですが、全国の90ファンには大変申し訳ないのですが
今回せっかく自衛隊の全面協力が得られたのに「90式戦車」の活躍は
ほとんど(ってか全然)ありません。

冒頭にチラッと出てきて砲撃するシーンと、ラスト近くにカールグスタフ
撃ち込まれて大破して終わりって・・・これじゃあんまりですよ!?
こんな扱いじゃ三好も怒るって話です(続・戦国自衛隊ネタですいません)