いつか時間ができたらじっくり取り組んでみようと思っていたのですが
いつか、っていうのは時間の有無ではなくて、きっとやりたい!と思った時がその時なのだ と思うことにして
5月から1年間(全12回)の古文書講座に通うことにしました
だってテキストが「加沢記」(沼田藩士加沢平次左衛門の記)なのですもの
これらの本にも出てくる書
真田と吾妻の関係を読み説くという地元の博物館ならではのアプローチ、この機会を逃してはならぬのじゃ~
(初心者対象)とあったので、ちょっと軽い気持ちで申しこんだものの(人気でキャンセル待ちでした)
先日1回目の講座を受けに行ったら、そんな甘い気持ちはすぐ吹き飛びました
まず、「はいこれは去年のです」といって80頁のプリントアウトしたテキストを渡され、
「それから これが参考資料です」、といって用語集がドーンと34頁!
ええ~ こんなに~!? 早くも気分は逃げ腰に…
でもタイトルを見たら
「滋野海野氏御系図 附 真田御家傳之事」とあり
おお!と気分が高まります
講座が始まりー
「エーでは去年の続きから46頁を開いて…あ、今年から参加された方には申し訳ないですが、がんばってついてきてください」
わあ、いきなりの本文突入!?
ところどころ難字の解説はあるものの、ふつう(現代語)の音読ペースで先生がどんどん先に読んでいかれます。
「速かったらそう言ってくださいね、途中で止めますから」
まわりをみると皆さんしっかり予習されています。だれも止める人はいません。
わたしといえば、耳をダンボにしてそれはもう必死でテキストに書き込んでゆくのが精いっぱい。
この字のれろれろぶりで伝わりますか~わたしのロウバイが~
どこが初心者向けじゃ~ とてもついてゆけませ~ん
考えたらコレは「古文書講座」であって、「古文書解読講座」ではないのだった
すなわち、古文書を読んで、その先の解釈をしてみましょう、ということであって
活字を一字ずつ手取り足取り教えてもらえると思った私がいけないのであった
内心ひ~ひ~言いながらも 内容が元禄6年の長野原の合戦で 地元の地名やらゴロゴロ出てきて面白くて
わあ幸せ!と思いながら頭から湯気をだしつつ1回目を終えました
1時間半で10頁!
たぶん内容の半分も理解できていなかったと思うけど
でもこんな集中して書物に向かうのって新鮮で! 脳がしびれました~
それがちょうど1週間前のことで
2週間後の次回までに、ちょっとは復讐を…じゃなかった復習と予習をすべく、
それからというもの、ちょっとでも時間があれば机に向かっております
ずっとにらめっこしてるとパズルのように文字が浮かんでくる瞬間があって
判読できたときの嬉しさといったら!
なじみのある地名や人名(この辺に多い苗字とか)なので親しみがわきます
やってみて思ったこと。
文字を読むのも難しいのですが、それ以上に自分が日本語に対して無知だったと知らされる
漢字の意味がわからなくて、崩し字辞典より 漢和辞典をひくことが多いとか
「たり」と「けり」の違いってなんだっけ?とか
「知行」「得心」「安堵」「与力」「勤番」「違背」「扶持」「同心」等々…普段使わない言葉だらけで~
あと人名の肩書がやたら長く「○○守○○佐衛門尉○○」とか「真田一徳斎入道幸隆公」と
去年までのわたしなら ウンザリして投げ出していたでありましょう
でも地元の題材で土地勘がわかるのと
真田丸のおかげで、真田がらみの資料に触れていること(敵味方兄弟縁者&前後の出来事が頭に入っている)
時代小説を読むようになって独特のいいまわしに慣れてきたことがあって
まだ全貌はつかみきれないが かろうじてこれはこのことを云うのであろう、と推察される場面も多々あり
同時に 古文書を読むというのは文字を解読することではなくて、
歴史を知り、人の営みに思いを寄せることなのだと気付くのであった
まだスタートしたばかりでこの先挫折しないとはいえませぬが
目下意欲的にとりくんでおります この時間だけは現実の憂いを忘れタイムスリップ、というかんじです
何の役にも立たない勉強ほど楽しいものはない!
高校時代のやつを引っ張り出して
あんなに歴史嫌いだったのにねえ