3月4月の自粛休業生活中、調理に費やす時間が増えました。
スーパーに行く回数を減らす為、1回の外出で1週間分位の
食材を購入して来ますが、魚肉や野菜は鮮度が命ですので
夕食を済ませるとすぐに冷蔵庫を開け、鮮度を見極めて翌日の
メニューを決め下ごしらえ。
時間はたっぷりありますので、出来合い物を使用せず全て手作り。
一日4回の調理です。
当然包丁を使用する頻度も増えます。
現在2本の包丁を使い、1本はヘンケルの包丁で10年くらい。
もう一本は、40年程前に私が気に入り購入したもので濃州孫六作と
刻まれています。
購入した時から刃が薄く軽く、私にはとても使いやすい包丁です。
千切り、微塵切り、この刃の薄さがとても重宝なのです。
しかし包丁は使用が増えると研いでやらないと切れ味が落ちます。
父が存命中はまめな性格でしたので、頼まなくても定期的研いで
くれていました。
ですので包丁は良く切れるものといった感覚でしたが、父が亡く
なった後は砥石はあるけれども使用方法が解らず、簡単に研げる
ダイヤモンドスティックグラインダーなんてものを購入してみましたが、
上手く使えず研げず、研屋さんに出すほどの品物でもないけれど、
使い慣れたこの包丁は手放したくない。
使って使って研いで研いで手になじんだ貴重な包丁なのです。
スティックグラインダーで誤魔化し誤魔化し使ってきましたが、
すぐに切れにくくなり、そろそろ我慢の限界。
と言ったところで思い出したのです。
父は晩年、電動研ぎ器も使っていたことを。
有りました! ナイフシャープナーです。
取説を読み、きぃーんとかシャーとかのすご~い音を聞きながら恐々
研いでみました。父がしていたように新聞紙を数枚に折って試し切り。
スッパと切れ味抜群です。
こちらが、そのナイフシャープナーと包丁。
父によって永年研がれてきましたので、元より薄めの刃がすり減り、
今では超極薄になっています。
木製の柄なので、使い込んでいる内に柄が痩せ留め具の鋲が緩みガタつき、
それでも何とか使いたいので、割り箸を削り差し込み隙間を埋め固定修理。
「買えばいいじゃない、何故そこまでするのかしら? 嫌だわ!」と
絶対似たくないと思っていた父とそっくりな作業を今している娘の私。
苦笑しつつ、血は争えないという言葉が浮かびます。
この超極薄の刃なので、この様に文旦の皮をきれいに剥ぐ事が出来ます。
毎年のマーマレード作りにこの包丁は欠かせないのです。
春キャベツのミトーローフ。
玉葱の微塵切りもキャベツの千切りも繊細に切れ、お陰様で
口当たり良く美味しく出来上がりました。
で、このナイフシャープナーっていつ頃購入したのでしょうか?
箱がかなり劣化していますので、随分古いものと思われます。
気になって調べてみました。
1977年に上記の賞を取っているとあるので、この時期当たりに購入していると
思われます。
当家は日立の家電特約店でもありましたので、この商品を選んだのでしょう。
43年程前の商品ですね。包丁の購入とほぼ一緒の歴史となります。
大正生まれで家庭では頑固でワンマンな父、娘の私は粗利が合わなかったのですが、
父が亡くなってからはとても愛おしく感じております。
家族思いのこまめな父、ただ愛情表現力に欠けていたのでしょう。
親孝行したい時には親は無し。正にそれです。
父の購入したシャープナーのお蔭で、まだまだ包丁は活躍してくれることでしょう。
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40年前、私と一緒に東京から来たんだわ☺️お父様と同じもの選んでいたとは...と、話したね。