Runrun日記

最近読んだ本ー月のしずく

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山道を歩いて行くと、足元にさくらの花びらが一杯落ちていました。此処にもさくらがあるのかと、見上げると高木に葉桜。足元を見ながら歩いていると気がつかない。新緑との、グラデーション! きれいです。

 


浅田次郎 著 『月のしずく』 文春文庫

7編の短編が収録されていました。「月のしずく」「聖夜の肖像」「銀色の雨」「「琉璃想(リウリイシアン)」「花や今宵」「ふくちゃんのジャック・ナイフ」「ピエタ」。短編なんで、ポエム的。独白とか・・。読者を置いてきぼりにして、さらっと終わる・・。余韻が残る。

表題作「月のしずく」が良かった。
十五夜の晩、コンビナートで荷役(蟻ん子)をする43歳の辰夫は、酔って帰る途中、男と諍いを起こした女リエを拾って帰る。
十六夜(いざよい)の夜に、辰夫はリエを恋するようになり、十七夜に恋を打ち明ける。なんか、詰まんないけど、ロマンチック。43歳といえば働き盛り、しかし蟻ん子で結婚も出来ない辰夫の生活感と、その純真さが魅力です。で、結末は??

「琉璃想(リウリイシアン)」は、終戦の時に一人北京から帰って来た人が、50年を過ぎて故郷・北京を訪ねる話。「蒼穹の昴シリーズ」にも出てくる北京の胡同(フートン)の景色がなんとも美しい! ここで妹や父親と別れがあった。郷愁ですね。「蒼穹の昴シリーズ」とリンクする?

「花や今宵」は、最悪の30歳の誕生日に、電車で自宅に帰る途中で寝てしまい乗り過ごしてしまった女性の話。真夜中の山中の駅に降り立ったたら、同じような男性がいた。
なんかなぁ、浅田さんの小説だと、このままタイムスリップしそうに思うが。二人は自宅に帰るタクシーも呼べず、雨風に降られて、やむなく近くにあったラブホテルに入る。ラブホテルの窓から満開の桜が・・。二人の男女の怨みつらみ、なんとなく気持ちが合って行く。で、この後どうなるの?

「エピタ」キリストの亡骸を腕に抱く聖母マリアの彫刻(エピタ)が、ローマ・サンピエトロ大聖堂にあるとか。母に捨てられた娘・友子は、恋人と共にローマの母を訪ねる。母に対する憎しみと愛情。母の子に対する愛を、エピタ像の聖母マリアに映している。

この小説のお気に入り度:★★★☆☆

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