Runrun日記

最近読んだ本ー峠

司馬遼太郎 著 「峠  上・中・下」 新潮文庫

この小説を、テレビドラマにするとしたら、配役は誰が良いのだろうか?
主人公の河井継之助は、大河ドラマの”風林火山”で山本勘助を演じた内野聖陽が良い!
吉原の花魁・小稲は誰が良いだろうか? 京都の織部は誰が?
・・・不遜な事を考えている。

陽明学を学ぶ継之助は、幕末の時代何を考えたのだろうか。
この本では、陽明学と朱子学の違いをいろいろ書いてあるが、私にはわからない(笑)
吉原の小稲との会話の中で、「・・おれの生命は、おれにとって一個の道具だ」と云わせている。
人には霊があって、霊が生命を所有していると云っている。
霊の命ずるままに、己の生命を動かし、自分のなすべき事を成し遂げる。

不幸に、継之助は譜代大名長岡藩の藩士であり、そこからは逸脱できなかった。
幕末の動乱の時代に、勤王倒幕と対抗するしかなかったのだろう。

◇◇◇◇◇

継之助は、遊学のあと藩の役人に登用される。
郡奉行と町奉行を兼務して改革に乗り出す。
賄賂、贈答の禁止、ばくちの禁止、妾を持つことの禁止、娼妓の廃止、
全ては、藩の財政を豊かにし、西洋式の武器・武力を持って藩が独立できるようにするため?

◇◇◇◇◇

大政奉還、鳥羽伏見の戦いと時代は進んでしまう。
福沢諭吉と継之助が話をするところが有る。
これは作者の創作だろうか?
歴史の中で、福沢諭吉は何を考え、そして継之助は?

◇◇◇◇◇

長岡藩の家老となった継之助は、
官軍にも幕軍にも属さない中立の立場を取ろうとするが、出来るはずもない。
結局、官軍と戦い命を落とす。

幕末の、それまで太平楽に暮らしていた武士たちの混迷・・・。
司馬遼太郎と云う作家は、幕末に生きた武士たちの思想と生きざまを掘り下げている。
この小説は面白い!

私のお気に入り度:★★★★☆
にほんブログ村 小説ブログ 歴史・時代小説へ

ランキングに参加中、クリックして応援願います。

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

最近の「本と雑誌」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事