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世界一高いビル、台北101が「衰~」

2009年10月10日 19時43分46秒 | 台湾ニュース

(すっかり「台北の顔」になった台北101。写真は2008年。壁面の「福」が確認できるだろうか)

台北にやってくる外国人観光客が必ず行くところの一つに、台北101(タイペイ・ワンオーワン)がある。101階建てで高さ508メートル。正式に使用されているビルとして、世界で最も高いものだ。下から見上げるとひっくり返りそうになる高さ。89階にある展望台も人気の的だ。しかし、一年で最も多くの人が注目するのは何と言っても「年越しの花火」。このビルが2005年から始めた、壁面に仕掛けた大量の花火を年が明けると同時に四方に放つ花火がとにかく圧巻なのだ。その衝撃的な映像は世界中で放送され、台湾の国際的な知名度向上に大いに貢献してきた。それが・・・どうも今年は無いかもしれないのだ。

(右側の面には「春」を逆さまにした字が。「到達する」の「到」と「倒立する」の「倒」は中国語でも発音が同じ。だから「春」をわざと逆さまにして、「春倒了!春が逆さまになった!」→「春到了!春がやって来た!」と言わせて縁起を担ぐ習慣)

この花火には台湾元2000万元(日本円で6000万円近く)が必要。しかし、大勢の人々を引き付けるのはもちろん、世界70カ国以上で放送されるといい、広告の効果から言えば十分採算が取れるのだそうだ。交通部観光局でも宣伝効果は1億元を超えると試算するほど。このため、2005年こそ台北101が自ら資金を投じて行ったが、2006年には日本のソニーがコマーシャルの一環として花火を行った。これが予想以上の話題となったため、同社は2007年もこの「広告塔」を利用、花火の映像と共に自社の商品名を世界中にアピールしたのだ。これを見た台湾の人たちは、「台湾のビルなんだから、台湾を宣伝すべき」と政府に求め、当時の民進党・政権は2007年と2008年の予算にこの経費を盛り込んで、昨年今年と「ラブ・タイワン」をテーマに見事な花火を行った。しかし、10日付の大手日刊紙『中国時報』は、ビル側は前回をさらに上回る花火を計画しているが、まだスポンサーが決まっていない!と報じたのだ。

(これがもう見られなくなる?ショック!写真は2006年元旦のもの)

台北101にとって気の毒なのは「世界的金融危機」。報道によると、ダメージを受けた企業に台北101の花火を買う体力が無いという。台北101ではこのため、政府、すなわち交通部観光局をターゲットに花火を売り込んでいるらしいが、これがまたツイていない。今年、台湾では大きな台風災害が起きた。観光局では同じ金をかけるなら台風で被災した観光スポットの復旧を優先せざるを得ない。つまり、台北101はこの文章のタイトルどおり「衰」というわけだ。この「衰」は、台湾最大の方言、台湾語(閔南語)で「運が悪い、ツイていない」といった意味。さらに「衰」なのは、来年には「世界一」の座から引きずり下ろされること。ドバイで建設中で、台北101をはるかに上回るビルが2010年にはいよいよ使用が開始になるのだ。そうなれば台北101は、「世界一高いこともあったビル」になる。今年大晦日の花火は「世界一」の台北101にとって最後の花火になる。何とかスポンサーが見つかり、有終の美を飾ってほしいものだ。(U)

※ YouTube には台北101での花火の映像が数多く紹介されています。
  これなどいかがでしょう。
  http://www.youtube.com/watch?v=l1Ov_ygQzGA&feature=related

 


 



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2 コメント

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凄い花火大会、台北101 (万太郎)
2009-10-12 12:31:22
動画を見ましたがいやはや凄いモンですねぇ。
ビル全体が花火に包まれ、火事も心配しちゃいますよ。
費用6千万円!、大金です。
ラジオかTV番組とタイアップして、花火中継番組としてで切り売りしては?
「ただいまの花火は○○清涼飲料水会社提供」
「これは○○ホテルグループから」とか。
何とか毎年開催して台北名物にしてほしいものです。
それとやはり景気回復でしょうか。
今度年末に行ってぜひ見て見たい!




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続けてほしいものです (U)
2009-10-13 21:17:26
万太郎さま、コメントありがとうございます!
ここ数年の大晦日の楽しみになっていましたし、自分的にはNHKのニュースで流れるかどうかをいつも気にしていました。世界一ではなくなりますが、これからも続けてほしいですよね!
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