![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1b/6c/8505ce8b66d92edc2fe6a902727c0166.jpg)
台湾を代表する伝統芸能のひとつに、「布袋戲(ボテヒ)」と呼ばれる、手袋式の人形劇があります。
「パペット」と呼ばれるお人形を使った伝統劇はヨーロッパなどでも有名ですが、台湾のボテヒは、そのあでやかさ、パワフルさ、ダイナミックさ、そして庶民性などが特徴です。
1931年に設立された「亦宛然掌中劇団(英語名:I Wan Jan Puppet Theater)」は、伝統ある有名ボテヒ団のひとつ。
同劇団はこのほど、8月下旬にカナダで行われた「台湾文化節(台湾文化フェスティバル)」の招待を受け、1990年から続くフェスティバルにおいて初めて、ボテヒの公演を行いました。
会場は、カナダ最大の都市、トロントのオンタリオ湖という湖に面した、ハーバーフロント(Harbourfront)と呼ばれる場所。
モダンな水の都の雰囲気と、台湾伝統の演劇音楽のハーモニーが見事に融合したその演出は、会場を訪れた多くの人と引き付けました(一番上の写真)。
ボテヒや、同じく台湾の伝統芸能として知られる、台湾版オペラのような「歌仔戲(ゴアヒ)」などはいずれも、非常に庶民的な台湾の土着文化です。
伝統芸能が大切にされ、その道のプロや名家が社会的に尊重される日本に比べると、台湾では、文化・芸能に携わる人々の社会的地位が十分に高いとは言い切れない部分がありました。
また、戦前・戦後を通しての複雑な事情により、台湾土着の文化にスポットがあたりにくかったという事情もあります。
そのため、政府が支援する海外向け文化活動となると、モダンな演劇や、中国大陸発祥の文化が中心となる傾向があった事は否めません。
ですが最近では、ボテヒやゴアヒといった、台湾の庶民文化のオリジナリティーや新鮮さが再発見され、国際社会に向けて積極的に発信していこうという機運が高まっています。
この波がぜひ日本にも波及してくれる事を願っています。(華)
トロントでの公演後、観客と喜びを共にする関係者ら
亦宛然掌中劇団の別ページ(人形などの写真あり)
日本にも紹介してほしいところ。
横浜中華街の茶館に週一回公演するところが有りますので、今度観劇に行こうかと思います。
昨今のアニメブームやコスプレブームなどで、決して庶民芸能やマイナー演芸ではないカルチャー性を持ってると思います。
他のアジアの国々にも民族の人形劇が有りますので、台湾も世界に公演を推し進めて行けば良い。
台湾のアイデンテティーの貴重な一つになると思います。
ではまた