李徳(1921-2010)は、戦後の台湾を代表する芸術家で、また戦後台湾の美術教育の先駆者の一人でもありました(上の絵は李徳の自画像、1966年)。
中国大陸生まれの李徳は1948年に国民党と共に台湾に渡り、主に絵画分野で、戦後台湾の芸術の発展に功績を残しました。
その作品は、デッサン、油絵、水彩画など多岐にわたります。自分自身の波乱の人生を反映してか、一見複雑で分かりにくく見える素描の中に、新しい表現とシンプルなメッセージを込めた作品が多いと言われています。
代表作の一つ「折翼(折れた翼、1979年)」
台北市立美術館では現在、李徳の没後初めてとなる展覧会を開催しています(9月25日まで)。
「空間と情熱のもがき」と題された李徳展では、李徳の人生と共に歩んできた数々の作品を、時代ごとに計182点展示しています。
時系列に並べられた作品をゆっくり鑑賞していると、外省人と呼ばれる人々の人生や、激動の戦後台湾の歴史を、別の角度から理解する手がかりを見つけたような気がしてきます。
機会があったらぜひ一度、足を運んでみてはいかがでしょうか。(華)
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