沖縄県が、音楽を通じて台湾との交流を促進しようという一大プロジェクトを始めています。
沖縄音楽の海外市場に向けた輸出を目指し、その第一の進出先を台湾に、というのです。
数年というスパンを見据え、プラットフォームを構築し、沖縄音楽を台湾に広めると同時に、台湾のアーティストについても、沖縄を通じて日本に発信していこうという、夢のあるプロジェクトです。
沖縄と言えば、安室奈美恵さんなどのビッグネームや、沖縄テイストを特徴とする夏川りみさんなど、実に多くのアーティストを輩出している事で知られています。
沖縄県から同事業の委託を受けている沖縄FUN-MUSICの伊禮さんは、
「沖縄には、古くは台湾を通ってやってきた楽器もある。台湾には沖縄音楽に共鳴してくれる土壌があるし、ビジネス環境や著作権の問題もアジアでは優等生。これまでは東京ばかり向いていたが、東京よりもずっと近い所に、素晴らしい可能性を秘めた大都市があるという事に気づいた」
と台湾市場開拓への意気込みを語っています。
沖縄FUN-MUSICの伊禮さん（左）
アジアを中心にリサーチを重ね「台湾しかない」という結論にたどり着いたそう
伊禮さんは、台湾の音楽市場について
「台湾は芸術、特に音楽に大きな可能性があると感じた。街中に溢れる音楽に個性があり、感性豊かな若者が多い。また、地域や行政ぐるみで、そうした芽を育てて行こうという姿勢が強い」
と高く評価しています。
沖縄と台湾の、国境を越えた音楽交流は既に始まっています。
県では、3月に、第一回沖縄国際アジア音楽祭を予定しており、台湾をはじめアジア各国・地域からも、多くのアーティストがエントリーしているのですが、その海外からの参加アーティストの中から、事前に行われる人気投票でトップに選ばれると、「招待ゲスト」としてのスペシャル参加ができる事になっています。
沖縄県では、沖縄テレビを通じておよそ70もの海外アーティストを紹介し、携帯電話での人気投票を続けてきました。
驚くべき事に、その結果、なんと上位10組に残ったのがほとんど台湾のアーティストだったというのです。
この音楽祭と、前述の台湾への音楽事業進出は本来は別々に進められていたプロジェクトなんだそうですが、予想を上回る台湾アーティストの人気ぶりに、「それなら最終選考会場を台湾に持っていこう！」という話がとんとん拍子に決まり、来週2月3日には、人気投票でトップ3に残った台湾のバンド3組と、沖縄のアーティスト2組が、台北市内で、最終選考を兼ねた交流ライブを開催する事になりました。
この台湾ライブの模様はもちろん、後日沖縄で放映され、その後人気投票を経て、3組の中から特別ゲストが決定します。
トップ3組に残った台湾のバンドのひとつ、安妮朵拉（アニドラ）のボーカル、アニーさん（上の写真真ん中）は、
「エントリーはしたけど、まさか自分たちが人気投票で上位に残るなんて思っていなくて、本当にびっくりしている」と緊張しながらも、「言葉の違いを超えて応援してくれた日本の人たちに、最高の演奏ができるように頑張ります！」と笑顔。
2/3の最終選考ライブに残った台湾のバンド・安妮朵拉（アニドラ）
こちらもトップ3入りを果たした台湾のバンド・Gochic
ぱっと見、日本か台湾か不明だが・・・左端のバイクを見ればすぐ分かる
台北ライブには沖縄のアーティストも参加するので、台湾の音楽好きにとっても大変楽しみな企画です。
台北ライブに参加する沖縄のバンド、ARIA ASIA
バイオリン、胡弓、和太鼓などを取り混ぜた独創的な音が特徴
沖縄県には、「音楽を通じた台湾との交流が、いずれ観光や物流など、もっと多くの交流を生み出す」との期待があり、近く台北に拠点を構え、本格的に音楽交流を進めていくそうです。
これまでのテレビを通じた人気投票などによって、沖縄にはすでに少なくない「台湾バンドのファン」が生まれています。
これからの交流の発展に、注目していきたいですね！ （華）
（ライブのシンボルデザインには、中華民国台湾の国旗と沖縄の県旗！）一番上の写真
2/25の「数字の台湾」では、沖縄FUN MUSICの伊禮さんと、2/3の最終選考兼交流ライブに参加する台湾のバンド・安妮朵拉（アニドラ）のボーカル、アニーさんのトークをご紹介しています。
↓から2/25の日付をクリック！ 
2/3の最終選考ライブ「EASR CORE ASIA」会場
THE WALL（開場18：30、開演19：00）
↓2/3ライブ参加アーティストHP、ブログなど
