台湾の生涯教育の中核「社区大学」

　「社区大学」とは、台湾における生涯学習制度の中心です。。
　「社区」というのは、「地域」「コミュニティー」というような意味で、社区大学は、台湾各地にある、地域密着型の生涯学習機関です。
　1998年に台北に初めて設立されたのを皮切りに、今では離島なども含め台湾中に100校近く開設されています。

台北市北投社区大学の伝統芸能クラスの成果発表
様々な年齢・性別の人が集まっている
中には台北在住外国人とおぼしき生徒も

　社区大学は、例えるならカルチャーセンターのようなイメージですが、「大学」という名称を冠しているだけあって、意外と本格的な学習機構です。
　絵画やダンスなど、お習い事のようなものから、外国語やパソコン、財テクノウハウなどの実用偏、統計学や国際情勢分析など、大学の教授を招いての本格講座まで色々なクラスがあります。
　生徒の顔ぶれは、若い時に学校に行くチャンスのなかったお年寄りや社会人、お母さんたちや中高生、外国人まで、実に様々。
　社区大学は、学びたいという意欲を持ったあらゆる人が、自分の目的に合わせて教育を受けられる場所です。

　台湾の生涯教育の始まりは日本よりも遅かったのですが、行政の支援を受ける社区大学というネットワークシステムによって、急速に浸透していきました。　

台北市副市長（左3）から表彰を受ける、
全国社区大学から選ばれた優秀生徒たち

　　中国語に、「活到老、学到老」という言葉があります。「人間死ぬまで勉強」「一生学び続けよう」というような意味でしょうか。
　あらゆる人に学びの場を提供してくれる社区大学は、まさに「活到老、学到老」を実践している学習機構だと言えるでしょう。（華）