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漫画家第二弾?日本で単行本発売のCHuNさんが人気に

2010年07月22日 02時38分29秒 | 台日交流

(これが『魔王様の勇者討伐記』の台湾版『魔王逗勇者』。帯には、「日本進出の代表作、栄えある台湾凱旋」と書かれている。また、ユニークなストーリー、“萌え度”100%の女主人公、日本の読者からも好評とアピール。もちろんお約束の「台湾之光:台湾の誇り」とも)

台湾の漫画家の作品が日本で伝統ある漫画週刊誌、週刊「少年ジャンプ」に掲載されたことを以前紹介した。それでは他に日本の漫画界で活躍する作家はいないのかというと、そうではない!テレビゲームの『ファイナルファンタジー』や『ドラゴンクエスト』であまりにも有名なスクウェア・エニックスが出版した『魔王様の勇者討伐記』の作者、CHuN(チュン)さんとは実は台湾の漫画家なのだ。
同作はスクウェア・エニックスが2009年まで発行していた「ガンガンパワード」、月刊「ガンガンウイング」にそれぞれ一度登場、ガンガンウイングがオンライン化されてからも「ガンガンONLINE」で一度掲載された連作の読み切り作品だ。これが日本では昨年11月に単行本化され、増刷されて第5刷となるなどなかなかの人気なのだ。
そして今年、台湾でも台湾角川書店によって5月に出版された。こちらは『魔王逗勇者』というタイトルになっている。このタイトル、なかなかひねってある。スクウェア・エニックスの代表作、『ドラゴンクエスト』は台湾では『勇者闘悪龍』という。直訳すると「勇者が悪いドラゴンと戦う」といった意味だ。そして『魔王逗勇者』の「逗」という字は、「闘」と発音が同じ。しかし意味は「からかう、笑わせる」。つまり、「魔王が勇者をからかう」といった意味になり、スクウェア・エニックスの漫画雑誌で掲載された作品であることを巧みに利用したネーミングになっているのだ。CHuNさんは、「日本で第5刷とは言え、自分が日本にはいないので実感がなかった。台湾で、自宅近くの本屋に並んでいるのを見ると、何とも言えない喜びがある」と話している。
『魔王様の勇者討伐記』の内容は平和主義者の魔王(イケメンの若い男性)が人類との平和共存を求め、魔王退治に燃える勇者(かわいい女の子)に和平を訴え続けるのだがうまくいかないというもので、ちょっとしたお色気コメディ。たわいもないといえばそうなのだが、とにかく日本の漫画に遜色ない画力である。台湾角川では発売二ヶ月で1万冊以上売ったとしており大好評のようだ。

(台湾版に付いている折り込みピンナップ。同作品に出てくる小悪魔的秘書の「ナナ」。ロリキャラ定番のスクール水着だ。日本版には付いているのだろうか)

CHuNさんは今年30歳。国立台湾大学医療技術学科卒業の秀才だが、好きな漫画の道を歩むため両親と二年間にわたる「冷戦期」を過ごした。しかし、単行本が出て、母親も経営する店で客に「これは息子が描いたんだよ!」と宣伝するまでになったという。CHuNさんは2007年から日本の市場にチャレンジし始め、短編をいくつか発表、昨年の『魔王様の勇者討伐記』単行本発売にこぎつけた。最初は各出版社を回っても門前払いを食うばかりで、「会議室まで通されてお茶が飲めた」ことで喜ぶような状態だった。チャンスを与えられても何度も書き直しを求められ、漫画の悪夢にうなされることもあったという。ここ4年間は、起きては描き、描いては寝るという生活で、スタジオのソファーで寝るばかりでベッドで眠ったことがないとそのすさまじい生活を笑いながら話している。

CHuNさんの新作は月刊「ガンガンJOKER」で連載中の『皇帝の花嫁』。韓国の作家との合作で8月には日本で単行本が発売されるという。『魔王様の勇者討伐記』はCHuNさんの作品だが、協力として「友善文創(Friendly Land)」が参加している。これは台湾の漫画家やイラストレーター、ライトノベル作家が所属する会社で、先ごろ紹介した『STORY』の彭傑さんの名もある。世界で歓迎される日本発信の「MANGA」。その大きな市場の開拓に向けて台湾の漫画界が本格的に動き出していたのだ。期待したい!(U)

※ 台湾の漫画家シリーズ?第一弾はこちら!
   http://blog.goo.ne.jp/rtijapaneseblog/e/5a7bdf475cdb82a4f0cc7e40ba2446a3


 



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