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アジア最南端の日文図書館-池上文庫設立10周年

2011年01月16日 23時38分51秒 | 台日交流

(アジア最南端の日本語図書館-竹田駅園・池上文庫)

1月16日、台湾南部の屏東県竹田郷の「竹田駅園」にある「池上一郎博士文庫」で同文庫設立10周年、及び池上一郎博士生誕百年記念大会が催された。ここは「アジア最南端の日文(日本語)図書館」。台湾にありながら日本語の書物ばかりが収められているユニークな場所だ。大会には屏東県の鍾佳濱・副県長をはじめ、竹田村の傅民雄・村長、池上一郎文庫研究学会の劉耀祖・理事長ら地元の関係者のほか、日本からもボランティアや観光客など45人が参加した。屏東県の鍾佳濱・副県長は、池上文庫は台湾と日本の人たちの交流のプラットホームだとし、今後もより多くの日本の方が現地を訪れるよう希望すると共に、竹田郷を台湾と日本との交流を促進する重要な民間の拠点として建設する考えを示した。
 

 1911年1月16日に東京に生まれた池上一郎博士は第二次世界大戦時、軍医任命を受け、1943年に当時の台湾高雄洲潮州郡竹田庄第19712部隊野戦病院(現在の竹田国民小学校)に院長として派遣された。医療資源が乏しかった戦時中に無数の命を救い、地元の人たちに大いに尊敬された。池上博士は台湾に二年足らずしか滞在しなかったが、台湾を「第二の故郷」としていた。終戦で日本に帰ってからは多くの書籍を竹田村に寄贈、日本で学ぶ台湾の留学生の世話もした。

大会が始まる前、剣道が披露された。左は武蔵の二天一流!

池上一郎文庫研究学会の劉耀祖・理事長(左から二人目)と曽貴珍・館長(左)

竹田郷公所(役場)では池上博士に贈られた数千冊の書籍を記念文庫にしたいと考えた。台湾鉄道が廃止する予定だった竹田駅の保存を行政院文化建設委員会に訴えて駅舎を守ると共に、同委員会の協力を得て竹田駅周辺を「竹田駅園」に改造、日本統治時代の倉庫を図書館にしたのだ。2001年1月16日、池上博士90歳の誕生日に合わせて、「池上一郎博士文庫」は設立された。同図書館の曽貴珍・館長によると、台湾に日本語の図書館を設立するのは池上博士生前最後の願い。図書館設立の記念式典はビデオテープで池上博士に伝えられ、池上博士はその二ヵ月後に他界した。池上一郎文庫研究学会の劉耀祖・理事長によると、その後、インターネットなどで「池上文庫」のことを知った台湾と日本の関係者が相次いで日本語の書物を寄贈したため、「池上文庫」の蔵書は1万冊以上に膨れ上がり、芸術、社会科学、宗教など、さまざまな分野の本がある。ボランティアはこれらの本を10種類に分類。日本語のできる地元の年長者と日本語を勉強している若い学生がよく本を借りにくるという。また、最近ではここを訪れる日本人観光客も増えた。

館内には池上博士の胸像(左)が置かれ、
池上博士の紹介文が刻まれている大きな額が掛けられている。博士の写真もある。

本を整理しているボランティア

ここで本を読むことができる

大会で。屏東迦南教会の人たちによる日本の歌の合唱

台湾在住の屋代さんは得意の胡弓(二胡)で日本の演歌などを披露

10年前、ホームページを立ち上げて池上博士と台湾のことを「台湾の近代化に尽くした日本人-池上一郎文庫と竹田駅、南部の足長おじさん池上一郎博士」と紹介した日本のボランティア枝厚さんは、「池上一郎博士は日本では有名ではないが、自らの蔵書をすべて台湾に寄贈した。台湾の人たちもそれを素直に受け取って古き友の最後の願いを実現させた。このような日台交流は多くの日本人を感動させた」と話している。横浜市在住の枝厚さんは過去10年、1月16日にはほぼ毎年池上文庫を訪ねてボランティアとして館内の本を整理する。枝厚さんのようなボランティアは20数人いるという。会社の社長もいれば、重役もいる。みなこのような台湾と日本間の草の根交流に感動して自発的に手伝いに来ているのだ。

池上博士を紹介するホームページを立ち上げたボランティアの枝厚さん(左から二人目)

ボランティアの濱屋方子先生(静宜大学)

屏東商業技術学院の張月環・組長もボランティアの1人。日本語が堪能な張月環先生は日本語専攻の若い学生を率いてお昼も食べずに午後三時まで会場で手伝った。池上博士が第二の故郷、台湾に贈ったのは日本語の本だけではない。台湾と日本の次の世代の交流に一つのきっかけを作ったのだ。台湾と日本の交流が末永く続くことを心から願う。

張月環先生(前列右)が率いる屏東商業技術学院の学生は
ドキュメンタリー映画「台湾人生」の酒井充子監督(前列中央右)と記念写真
当日は「台湾人生」が上映され、監督との歓談の時間も設けられた


 なお、池上博士の他に、この竹田にはもう一つラブストーリーがある。それは水谷政美さんと水谷雪さん夫婦の物語だ。水谷夫妻が竹田に住んでいた第二次世界大戦中、夫の政美さんは亡くなった。妻の雪さんは夫を偲ぶため28年前に再び竹田を訪問。それ以来、竹田に定住し、夫に対する愛を地元の若者への奉仕に変えた。ミュージシャン出身の竹田村の傅民雄・村長は水谷雪さんの物語を、「サヨナラ、竹田」という曲にした。台湾で二番目に大きいエスニックグループ、客家人を対象に放送している客家テレビの羅致中・監督は水谷雪さんのストーリーに興味を持ち、テレビドラマ化すると決意。16日、羅致中・監督は池上博士の生誕百年の祝賀式典に出席したほか、水谷雪さんの娘婿ともドラマの製作に関して意見交換した。ドラマのタイトルはずばり「サヨナラ、竹田」で、舞台は第二次世界大戦中の竹田野戦病院。ヒロインは竹田郷に住む客家人の女性と水谷雪さん。客家人の女性は未婚で妊娠中。水谷雪さんは夫に死なれて一人で子供二人を養っている。ドラマは夫のいないこの二人の女性が後ろ指をさされながらも、愛の力に支えられて困難を乗り越えた物語を描く。早ければ今年後半にクランクインし、来年にも放送されるという。(旺)

 

参加者全員で記念写真 

竹田駅園の開館時間は次の通り。
火曜日から金曜日:午前08:30~11:30
            午後02:00~04:30
土曜日と日曜日:午前08:30~11:30
           午後休館
国定休日と月曜日休館

住所:屏東県竹田郷竹田村竹田火車駅園
電話:08-771-1647

アクセス:
在来線台湾鉄道の区間列車ご利用の場合、高雄駅から竹田駅までは凡そ55分。
                   屏東駅から竹田駅は凡そ20分。
台湾新幹線こと、台湾高速鉄道から直接タクシーで竹田村に行く場合、凡そ40分で
台湾元800元。

枝厚さんのホームページ
http://www.a-eda.net/asia/ikegami.html



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2 コメント

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第二の「海角七号」 (バナナ@父さん)
2011-01-30 20:23:46
当日、私も池上文庫にいました。
「SAYONALA竹田」客家テレビの放映楽しみです。そして、その次は日本でも上映したいです。今後とも多様な情報を掲載してください。
来年の周年祭にも大阪から仲間と共に参加いたします。
返信する
UGG (UGG )
2011-08-16 23:36:06
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