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小山裕久さんがやってきた!

2010年08月31日 21時49分22秒 | 台日交流

 ・・・と聞いても、北川景子さんのような芸能人ではないですし、「はて?どの小山さん?」と首をかしげた方もいらっしゃるかも知れません。
 ですが、台湾では今、小山裕久さんの名前を知らない人はいないのではないでしょうか。

 食通の方ならきっとご存知でしょう、徳島市と東京・虎ノ門で、高級懐石料亭「青柳」を手がける小山裕久さんは、ミシュランの三ツ星を獲得した料亭で料理長をつとめ、日本の皇室や政府首脳にも料理を提供し続けてきた、日本が誇る超一流の料理人です。


 その小山さんが、8月25日から29日まで、台北市内の一流ホテル、グランド・フォルモサ・リージェントの招きで、台湾特別宴席を設けたのです。

 終戦までは日本として過ごし、その後も、日本と密接な関係を保ってきた台湾には、今の日本の若い人以上に「本物の日本料理」を愛する人々が大勢います。
 街中いたるところに日本料理屋が並び、もちろんお味はピンきりですが、日本でもめったに味わえないような本格日本料理も数多くあります。
 世界中どこにでもある日本料理店、高いお金を払えばおいしいのは当たり前ですが、台湾では、戦前から営業しているような平凡な定食屋などで感激の味に出会える事も珍しくなく、世界一の日本食通なのではないかと思わされます。

 さて、そんな台湾の人たちにとって、日本料理界のトップに君臨する一人である小山裕久さんの宴席が台湾で行われるなんて、夢のようなまたとないチャンス。
 宴席の一週間以上も前から、台湾各紙は競うようにして小山さんの特別宴席の内容などを伝えました(一番上の写真)。

 その夢の宴席のお値段はと言うと、ランチは5800元(約1万5000円)、ディナーは1万5000元(約4万円)と、けっこうな金額です。
 ある新聞には、「空港のグルメ街の値段が一般よりも数十元高いと非難を浴びているが、1万5000元の小山料理には予約殺到」なんていう記事が踊ったほどです。

 実は、小山さんの宴席は、これまでに海外から招かれた一流料理人の特別宴席の中で、最も高い値段設定という事もあって注目を集めたのですが、その人気のほどはと言うと、文字通り「秒殺」!
(最近、瞬時に売り切れる人気商品を「秒殺」という言い方が流行っています)

 限られた予約席をどうにかゲットしようと、グランド・フォルモサ・リージェントのオーナーに直接「仲介役」を頼む人が続出したそうなのですが、何と、オーナー本人ですら予約が間に合わなかったと伝えられています。
 台湾の人たちが、いかに小山さんの来台を熱望していたかが分かるかと思います。


ランチ、ディナーともに用意された「文箱八寸」
ながめるだけで満足できる繊細さ

 また、今回の宴席で使用された調理器具や食器類は全て日本から運ばれたもので、時価総額なんと、およそ250万元(約660万円)!
 料理だけではなく器を愛でて楽しむという日本料理の奥深さにも注目が集まり、食器一つ一つの意味や、本格料亭でのマナーなども報道され、懐石料理に対する関心がまた高まったようです。


「青柳」の命、鳴門鯛
もちろん日本からの新鮮直送

 こんな特別料理を楽しんだのはいったいどんなお偉いさんたちなのかと思いきや、予約客の多くは、純粋に日本料理を愛する一般の人たちだったようです。
 ある年配のお客さんは、ホンモノの懐石料理を求めて奥さんと徳島の「古今青柳」まで足を運んだ事があるものの、小山さん本人の料理は食べられなかったという残念な思い出があるそうで、「台湾で小山さんが自ら手がける懐石が食べられるなら1万5000元なんて安い!」と大喜びでした。

 知り合ったばかりの台湾の人に必ずと言っていいほど聞かれる事の一つに、「台湾でオススメの日本料理店を教えて」というものがあります。
 日本で台湾の人に出会っても、日本の人が「おいしい台湾料理屋さんはどこ?」と質問する事はきっとあまりないでしょう。
 台湾の人たちが、いかに日本料理に高い関心を持っているかが分かろうというものです。
 料理は、歴史と文化の織り成す芸術です。今回の「小山さんフィーバー」には、台湾の、日本に対する並々ならぬ理解と想いが表れていたように思います。(華)

小山裕久さん台湾特別宴席紹介ページ


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