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日本では、街の景観を保つために条例を設置している地方自治体が数多くあります。
が、「見た目」より「使い勝手」重視の台湾では、今まであまり「街の景観」という発想自体がなかったように思います。(台湾にいらした事のある方ならナットクですよね!?)
台北市では3月16日、台湾の地方自治体として初めて、「景観自治条例」の草案が議会を通過。現在、制定に向けた具体的な動きが進行中です。
この条例によって、次のような「景観を損ねる」ものが規制対象となる予定です。
- エアコン設備、パイプ・コード類、給水タンクなどの建造物屋上や壁面への設置
- 建造物の窓にはめる鉄格子
- オープンカフェや路上での営業行為
- 高さ3~6mを超える大型広告(設置場所により規制サイズが異なる)
・・・などなど
これらは、一律の禁止ではなく、申請し許可を得る事が義務付けられる予定で、無許可の場合には6000元から10万元の罰金を課す事が想定されています。
市民の反応は、「美観を保つのはいい事」「生活に大きな影響があり困る」など、様々。
3と4はともかく、日本の人によく分かりにくいのが、1と2でしょう。まずはこちらをごらんあれ。
窓の外に突き出たエアコン、だら~んと垂れたパイプ。
いずれも台北ではおなじみの光景。
個人的には、台湾の治安は大変いい方だと思うのですが、
平和ボケしていない台湾の人たちは防犯意識が強く、
古い民家やアパートの多くは、窓に鉄格子が。
初めて台湾の鉄格子窓を目にした外国の人が、「台湾の家はまるで牢屋のようだ」と言っているのを耳にした事がありますが、そう思われても仕方ないかな、、という気もしないではありません。
私も以前、鉄格子アパートに住んでいた事があり、その開放感のなさに嫌気がさして引っ越したのですが、他の住人に不満を打ち明けてみたところ、「鉄格子がないと安心できない」という返事でした。「子供が落ちると危ない」という意見もありました。
給水タンクについても、台湾では戸建や集合住宅に係らず、古い建物なら屋上にむき出しでボンと置いてある場合が一般的です。
確かに、いずれも「美しい」とはとても言い難い光景です。。。
新築マンションなどはこのようにキレイなのだが
冷静に考えれば、これまでは建造物の規定や広告規制が緩すぎたというのも事実です。
また、台湾では元々、「見た目」は二の次、という感覚が強いためでしょうか、「公共の場を美しく保つ」という意識はやはり弱いと感じます。
台北は台湾を代表する都市で、今年は花博覧会など、大きな国際イベントも控えています。
個人的には、より美しい都市へ一歩踏み出す事には大賛成なんですが、市民の中には、「自転車専用レーンと同じように、どうせ掛け声だけさ」という疑念もあるようです。
自転車専用レーンが失敗したのは、勢いで決まりだけ作ったものの、目的を実現させるための細かな配慮が足りなかった事が原因でした。しかし、自転車レーンの時とは異なり、景観自治条例については、歓迎している市民も大勢います。
街が美しく生まれ変われば、地域住民にとって暮らしやすくなるだけではなく、台北の都市としてのソフトパワーも大きく向上する事でしょう。
「景観自治条例」が台北市政府の汚名挽回となるかどうか、期待を込めて見守りたいと思います。(華)
・・・そうそう、この条例が成立すると、台湾名物「巨大選挙広告」も規制を受ける事になる訳ですね。。
ちなみに、引用過去記事でご紹介しているのは高雄市の選挙広告ですが、高雄市・台中市などその他の大都市は今のところ、同様の条例を設置する意向はないようです。
・・・・・はともかく、窓の外に突き出たエアコンは地震の時に危険だと思います。
歩きにくいですね、せっかく通路段差解消改造中なのにね。
エアコンは必需品、窓の鉄格子も必需品、なんでカイゼンの余地は有りますね。
色も町並みで統一感が有るとスッキリします、清々しい台湾を。
「これから」に期待です!
ではまた
鉄格子もそういう文化ですから、しかたないです。
綺麗になっちゃったら、シンガポールと変わらないきがします…