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(MRT台北新交通システムの駅にある看板。「パパ、ママ!満6歳になったし、背も115センチを超えたのでキップが要るよ」と表示)
台湾では現在、児童料金の基準を身長で決めているところが多い。遊園地、美術館や博物館の多くは身長90センチ以下か110センチ以下を「児童」として、児童料金や無料にする基準としている。しかし、子供の発育は良くなった。「児童」なのに背が高いため損をしている子が続出しているのが現状。行政院消費者保護委員会では年齢を基準にするよう提案していたが、例えば食べ放題のレストランなどの業者側では、児童は身分証を持っていないため年齢の確認が難しいと難色を示していた。
(同じくMRTの改札。男の子版)
児童少年福利法による「児童」の定義は12歳未満。12歳が「110センチ」なら問題ないのだが、現在は6歳の児童の平均身長ですでに115センチ!12歳なら150センチ!とすると、平均的な児童は「児童」扱いされておらず、児童料金や無料の優遇を享受できていないことになる。これでは、業者が言う「年齢確認が困難」という理由も、児童を有料にしたいがための屁理屈なのではとかんぐってしまう。
そこで、行政院消費者保護委員会では11月27日、来年元旦から国営事業の博物館などでの料金を三つの種類に分けると発表した。「幼稚園以下は無料」、「小学6年生以下は児童」、「中学生以上と成人」の三種類だ。年齢(学年)を基準にするわけだが、身長も補助的な判断の基準として残す。6歳の平均身長は115センチ、12歳の児童の平均身長は150センチとする。民間についてはこれに倣うよう働きかけていくという。
(台湾高速鉄道での看板。上限が145センチとなっていることに注目。台湾高速鉄道では12歳未満で145センチ以上の子供が子供切符を買う場合、12歳未満であることを証明せねばならない。何で証明しようか?)
日本のJRは年齢を基準としているようだが、台湾鉄道などの交通機関では身長も基準の一つ。台北市民の通勤通学の足、MRTでは満6歳で身長が115センチ以上ならキップが必要。料金は一律なので大人料金だ。台湾高速鉄道では満6歳で115センチから145センチ未満なら子供キップが必要。身長がこの範囲内で6歳に満たない場合は、6歳未満であることを証明できればキップは不要。また、145センチ以上でも12歳未満であることを証明するものを示すことで子供料金が認められる。台湾鉄道も同じ。しかし、台湾鉄道では消費者保護委員会の方針に合わせ、「子供キップ」の身長制限を150センチまで広げることにした。
子供の年齢を身長で判断するのは合理的な気がするが誤差も避けられない。台湾で特に背が高い子供は何か年齢を証明できるものを常に持ち歩く必要があるようだ。でも、そうして考えると身長を考慮していない日本について疑問が。年齢を細かにチェックしているようには見えず、子供料金の判断はかなりゆるく行われているような気がするがどうなのだろう。(U)
(「満12歳の乗客は大人キップを。満6歳以上かつ身長115センチ以上の児童は子供キップを」と書かれている。)
交通機関では身長はあくまで補助的基準でいわば目安、結局は年齢で料金が決まるわけで、レストランなどもこれに倣うべきでしょう。ただ子供の年齢の証明の仕方が問題。台湾では一応満14歳で国民身分証を持つことになりますが、それより小さい子供の場合は難しそうです。どちらにせよ、常に年齢をチェックしていない限り、「背が低いのでまだ子供料金でいいよね」といった灰色の部分は残るのでしょうね。