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ゲームシナリオライターMistaの制作メモ@将棋ミステリー「千里の棋譜」PS4/Switch

将棋ミステリーADV「千里の棋譜」PS4、Switch版をリリース!
ゲーム制作、将棋、投資などの話題

黒書院の六兵衛

2013-04-09 | 作品評
日経新聞朝刊に『黒書院の六兵衛』という浅田次郎さんの小説が連載されているのですが、
これがじんわりと面白くて、朝刊を取ってきたらすぐに小説欄だけを読むようになってしまいました。
幕末から明治維新にかけて、徳川家の黒書院に座り続ける六兵衛という立派な侍を軸に
ほとんどそこだけで話が進む(中々進まない…)のですが、六兵衛とは何者か?という謎は
未だに明かされておらず、引っ張られてしまいます。
所々緩んでいる箇所もあると思うのですが、逆にそこが連載小説的なうまさで
読者側の興味が離れない程度の緩みで、所々で他者の視点からのエピソードが入ったり等、
飽きさせない。大掛かりな舞台が不要なので演劇などにも向きそうな話ですね。

当初は歴史物かと思い読んでいたのですが、急にミステリ的になる所も秀逸で
六兵衛の正体に関しては、何度もミスリードに引っ掛かってしまい、それもまた
楽しめました。正直3月末までかと思っていたのですが、まだ続くようで
逆にここまで引っ張られれて、オチがきちんと付くのか、楽しみと同時に心配にも
なってしまいますが、これまでの流れから考えると、きっと用意があるのでしょう。

キン肉マン続編の話でも書きましたが、連載物というのは、お預けをされる分、
期待が膨らむので楽しいですね。とはいえ、全体の構成をしっかりさせつつ、
毎日あるいは週刊でアップしていくのは大変だろうと思います。
週刊漫画でもよく作者が体調を崩したり、途中まで面白かったのに急に乱れた展開に
なったりしますが、いかに大変かということでしょう。


梅ちゃん先生の高視聴率に思うこと

2012-09-13 | 作品評
ここ二年ほど朝ドラを見るようになっていますが、
毎日15分ずつというのがちょうど良い長さで、ファンが多いのも実感できました。
今年の「梅ちゃん先生」は特に人気が高く視聴率が良いようです。
一方で例えばヤフーのテレビ番組のレビュー欄を見ると、
さすがに偏りすぎと思うくらい1点の評価が並んでおり、
逆に昨年の「カーネーション」は高評価でした。

基本的に作品の悪い評価は書かないことにしているので、
ここでも書きませんが、少なくとも「カーネーション」の方が質が高いという
評価がされているようです。しかし、人気は「梅ちゃん先生」、つまり、
作品の評価と人気が一致していないという状況になっています。

これはドラマに限らず、今のエンターテイメント全般にその傾向がありますが
良いことではないと感じています。
つまり、制作側が質の高いものを作っても、視聴率などのビジネス的観点では成果が上がらず、
一方で質が高くなくても、一般に広く浅く受け入れられるのならば、成功してしまう。
これが続くことで制作側は質の高いものを作るよりも、質が低くてもよいので
一般ウケするものを作らざるをえなくなります。
エンターテイメントはビジネスなので、テレビなら視聴率、映画やゲーム、小説等では
売上がなければ成功とは言えず、制作会社を始め、関わる全ての人々の死活問題なので
止むなく売れ線を狙うといった例は幾らでもあるでしょう。

しかし、死活問題だからといって、その場しのぎの制作を続けていると、
結果的に業界全体が見放されてしまうことになります。
今はむしろ既にその結果が出ている印象であり、テレビもゲームも危うい状態で、
この悪循環を断ち切る必要があるでしょう。
そのためには制作側はもちろん受け手側も質の底上げに協力する気概で向かいたいところです。

もう一つ気になるのは、こうしたビジネス偏重が「やむなく」ならばまだ良いのですが、
近年の風潮では、むしろ、そうした質を伴わないビジネス偏重の制作が堂々と行われ、
礼賛の対象にすらなりうることです。このことはまた別途書こうと思います。

アニメ・十二国記

2012-08-23 | 作品評

NHKBSで再放送していたアニメの十二国記を見終わりました。
小野不由美さん原作だけあって、素晴らしい出来でした。

冒頭はやや設定が色々あり、物語の展開も飛ぶ印象だったのですが、
主人公が景王になってからは完全にはまりモードになりました。
原作の小説も読んでみたいですね。

大きな点としては、
・人物の内面描写が深い。簡単に救われない骨太の物語。
 最近の風潮は暗くじめじめしたものが避けられる傾向なので逆に新鮮だった。
 → 簡単に「良い人」「幸せな展開」にはなると読者は安心はしますが、
   面白さや大きな感動は無くなりますよね。
・海客(かいきゃく)や麒麟、王に関する設定などが面白い
 → ただ、アニメなので人名などを覚えるのが大変で、
   危うく入り込めなくなるところでした。

私は身内から「すぐ良い人になりすぎ」「人名が分かり難い」という指摘を
受けているので、上記は常に課題となっています。

小野不由美さんの作品では他では東京異聞(とうけいいぶん)と屍鬼しか
読んでいませんが、日常から非日常に入る点の巧さでは十二国記も含めて
どれも共通していると思いました。
構想中のUnknownもパラレルワールドものですが、Unknownの世界は
十二国記のように完全に独立した世界ではなく、日常の世界にプラスαした
イメージなので、東京異聞が近いかもしれません。
MATRIXに代表されるように仮想空間ものは世にあふれているので、
別世界ではなく、同じ現実世界に何かがふと存在するような感じで
Unknownを表現したいのですが…なかなか難しいところです。

#余談ですが、景王や海客、東京異聞が普通に出るGoogleIMEはすごいですね…

キン肉マンの続編

2012-08-06 | 作品評
子供の頃には毎週月曜日に発売するジャンプが楽しみだったものですが、
さすがにある程度の年齢から読まなくなりました。
しかし、今は大人になった我々の世代向けに当時の漫画が続々と復刻、
あるいは続編ができていますね。
その流れでキン肉マンも毎週月曜日にオンラインで読めるのですが、
大人になっても相変わらず、月曜を楽しみに読んでしまうという…
正直、作品としては終了した方がよかったと思うのですが、
そういう冷静な視点より前に楽しんで読んでいる自分がいるので
これもアリかなと思います。(そういえばジョジョリオンも買わないと)

こういった週刊漫画や新聞小説や朝ドラなどもそうなのですが、
連載物というのは一度はまるとずっと見ますし、一方で
一気に見られないことで期待感なども煽られるので
通常の完結するタイプに比べて、良い所も多いように見えます。
個人的には最初から最後までほぼプロットを決めてから作るタイプしか
話を作ったことがないので、隣の芝生は青いというか少し憧れます。
実際には連載物でも大きな流れは決めて作るのでしょうが、
それでも途中でキャラが勝手に踊って物語が作られた…などという話もあり
連載長編も一度作ってみたいとは思います。

とはいえ、週一でも非常に大変なことでしょう。
私の場合、まずは、ブログから毎日書けるようにならないといけません、
話はそれからですね(笑)