ロバさんのブログ

ロバさんのいななきを徒然に!

クロッシング・ザ・ブリッジ (サウンド・オブ・イスタンブル)2

2013年05月25日 00時08分21秒 | 映画鑑賞リスト
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1




《Crossing the Bridge: The Sound of Istanbul》2005年トルコ/ドイツ
Fatih Akın(ファティフ・アクン)監督
イスタンブールの音楽シーン、ドキュメンタリー映画

YOU TUBEで再度観る
以前DVDでひろった字幕をYOU TUBEのカウント時間にあわせる
()内数字±1sec

Soundtrack
1."Music" - Sertab Erener (5:18)
2."Tavus Havası" - Baba Zula (5:27)
3."İstanbul 1:26 A.M." - Orient Expressions (6:36)
4."İstanbul" - Duman (1:40)
5."Şahar Dağı" - Replikas (7:08)
6."Holocaust" - Ceza (3:28)
7."AB-I Hayat" - Mercan Dede (3:47)
8."Kürdili Hicazkar Longa" - Selim Sesler (4:58)
9."Wedding Song" - The Wedding Sound System (2:04)
10."Penceresi Yola Karşı" - Selim Sesler & Brenna MacCrimmon (2:54)
11."Hayyam" - Siya Siyabend (2:49)
12."Böyle Olur Mu" - Nur Ceylan (1:34)
13."Ehmedo" - Aynur Doğan (5:26)
14."Hatasız Kul Olmaz" - Orhan Gencebay (5:24)
15."Haydar Haydar" - Müzeyyen Senar (1:19)
16."İstanbul Hatırası" - Sezen Aksu (4:38)
17."Cecom" - Baba Zula (4:35)
18."Music (Radyo Versyonu)" - Sertab Erener (3:47)


=字幕=

儒教では こう言われる
”音楽は訪れた土地の文化の奥深さを語る”
音楽というのは それほど雄弁なんだ
《タイトル;Crossing the Bridge: The Sound of Istanbul》 
イスタンブールは
72の民族が行き交わった 大きな橋みたいな街だ

対極のものが 隣り合っている
すべてが混在している
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〔0.01.16〕
イスタンブール
年月を重ね 年老いた都
おお ビザンチン
〔0.01.34〕
伝統と革新 富と貧困

俺の師匠は この街だね
〔0.01.56〕
この街を動かすのはカネさ

道案内なら俺に任せてくれ
どこへでも連れてくよ
〔0.02.15〕
私はベーシストの アレキサンダー・ハッケ
アインシュテュルツェンデ・ノイバウンテンのメンバーだ
この街との出会いは ある映画の撮影だった
レコーディングに訪れたのだ
イスタンブールには 不思議な魅力がある
だが その魅力の正体は 今も謎のままだ
そこで 音楽をもとめて旅を決意した
謎の答えを求めて

準備に抜かりはない
パソコンとマイク12本 ソフトにハードディスク
まさに完全装備だ
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〔0.03.21〕
最初のバンドは ババ・ズーラ
サイケなアングラ・バンドだ
演奏場所にも かなりの こだわりがあるらしい
ボスボラスの船上で やりたいと言う
飛び入りで 私も演奏に参加する
予想もしなかったが・・・
ちょうどベーシストが 抜けたところだったのだ
とんだ偶然もあるものだ
喜んでベースを手にする

イスタンブールの象徴
それはボスポラスだ
二つの世界を隔てて 横たわる海峡
ノアの箱舟の嵐が 作ったという
伝説ではな
《film》
〔0.04.55〕
”レジェップ
見てみろ この水が 干上がることはない ”
〔0.05.05〕
これは西洋の天啓的なドラムセットだ
でもスネアドラムを ダルカップに替えた
ダルカップならではの ビートを刻むためだよ
うまり変拍子ってヤツだ
〔0.05.23〕
西洋とトルコの古典音楽には 大きな違いがある
西洋の3拍子は ずっと1・2・3を繰り返す
だが トルコ音楽には 細かく刻む拍子があって
ば行リズムと呼ばれる
カウントが不規則なんだ
〔0.05.51〕
1・2・・・1・2・3
9拍子さ
〔0.06.00〕
8分の9拍子ってのは トルコ音楽の特徴なんだ
イラン音楽にもあるけど 弾けないや
ごめんよ
〔0.06.29〕
イスタンブールは 西と東が交差する街
だから有利な点もある
ヨーロッパに同化しようとする一方で・・・
アジアに親近感があり 友好的に見ているからね
違う価値観にも寛容で 柔軟な風土があるんだ
ヨーロッパでもアジアでも ないわけだけど
アジアの方が 近いような気がする
その日暮らしの 流浪の民でもある
特にミュージシャンはね
〔0.07.25〕
オキシジェン95・96
お相手はDJヤクザ
まずは新曲をどうぞ
イスタンブール 1:26AM
〔0.09.40〕
DJをやるなら・・・
古今東西の音楽に 敏感じゃないとね
つまり世界中の音楽ってこと
ワンパターンな選曲じゃ そっぽを向かれちまう
だけど アメリカへ行ってみなよ
ラジオもCDも 似たり寄ったりだ
退屈すぎる
この街じゃ あんなの通用しない
音楽に国境はない
東西の狭間で 壁を感じることはない
だからって 単純な話でもないけどね

東と西がまったく異質で 相いれないという発想は
故意に ゆがめられた 虚像にすぎない
時の為政者たちが 都合よくならべてきたウソだよ
今でもホワイトハウスの住人のような権力者は
文明の衝突を声高に 叫んでいる
ソビエト連峰が崩壊したために・・・
必要な脅威を作り出す 必要に迫られてね
悪者を作り上げて 民衆を恐怖に駆り立てる
でも どこから東で どこで終わるのか
僕には分からない 西はギリシアからLA?
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〔0.10.46〕
ベイオールを歩く
すべては ここから始まった
私の旅の玄関口だ

イスティクラル通りは・・・
人の波が途絶えることのない 繁華街だ
タクシム広場を起点に 街の北部まで伸びている
そんな大通りをそれて 路地裏に足を踏み入れた
クラブやディスコが 集中する流行の発信地だ
以前 ベイオールになんか 来る気もしなかった
一般人にとっては・・・
ヤバそうなふんいきの怖いエリアだったからね
ここでメシを食おうとは 誰も言わなかったよ
今でこそ安心して歩ける

〔0.12.14〕
デュマンは数ある ロックバンドの一つだ
イスタンブールはロックの街
欧米のカバー曲を 歌うバンドも多いそうだ
デュマンのボーカルは シアトルにいた時に
トルコ語で歌ったのが 最初だそうだ
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〔0.12.39〕
♪この街は酒と タバコで生きている
日が昇ると 夜の闇を待ちわびる
この街は俺たちの 生き血を吸う
この街のためなら 死んだっていいさ
イスタンブールが・・・
あんたの手に キスするぜ
この街は酒と タバコで生きている
日が昇ると 夜の闇を待ちわびる
この街は俺たちの 生き血を吸う
この街のためなら 死んだっていいさ
イスタンブール
イスタンブールが・・・
あんたの手に キスするぜ♪
〔0.13.50〕
ロックが根づくのか 議論されたこともある
昔の話さ
時代は変わったね
〔0.14.10〕
ベイオールで活動する レプリカズ
イカしたバンドだ
〔0.14.51〕
♪なんてこった
頭にくるぜ
いい加減にしろ
よしてくれよ
頭にくるぜ♪
〔0.15.16〕
ロックの台頭は 90年代初めだ
つまり まだ最近の話さ
90年代の後半になると・・・
さらにジャンルの幅が 広がり始めた
俺たちは ある意味 中途半端な存在だ
育てられた環境が・・・
ヨーロッパの価値観に 縛られていたから
10代は苦しかった
でも ある時 ふと気づいたんだ
自分の奥底にある音楽を 否定はできないってね
呆然としたよ
でも 受け入れたら ラクになった
この街こそが 自分の音楽の原点なんだ
俺の19の時に スターが現れたんだ
エルキン・コライ 俺を目覚めさせた人だ
偉大な英雄だよ
歌う姿がイカしてて 心を強く揺さぶられたね
彼の存在があったから 自分自身を再発見できた
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♪君は何を求めてるんだ?♪

俺たちの大親分で まさに先駆者ってやつだ
すごい人さ
反体制主義者は 容赦なく抑圧される時代
過激で反抗的な歌詞は 世の中に衝撃を与えた
彼は自分の娘を学校にも 通わせなかったほどだ
〔0.17.49〕
♪俺は たった一人
深い闇の中にいる
目がつぶれ 何も見えない♪

孤独だったね
当時は一人で突っ走った
今でさえ 孤独感から 開放されたとは思えない
だが 時代は変わった
完成度の高いトルコ語の ロックが生み出されてる
〔0.18.21〕
♪夜を泣き明かす
俺のひざで 砕け散る波
目がつぶれ 何も見えない
聞こえるのは 孤独なリズム♪

平坦な道のりではなかった
今でも目の前が明るく 開けているとは思わないね
欲しいものほど 手に入らないものさ
《コンサート》
ありがとう
近いうちに また会おう
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この街では 誰もが他人同士
自分のことしか 考えない人々
誰のことも 信用できない
裏切りばかりが 繰り返される
この街では 誰もがサギ師
人をだまして 平然としている
〔0.20.23〕
ブラック音楽をもとめて 東岸へ渡る
そこはもう アジアと呼ばれる世界
私は一人の若者と その家族に出会う

〔0.20.37〕
♪いいかい これが最後だぜ
耳をかっぽじって よく聞きな
ぶっちゃけマジな話だぜ
頭が空っぽの 大バカ野郎がいた
田舎で農場を やってんだ
どんなにアカにまみれても
下着を変えないフケツ野郎さ
俺の一発で 目が覚めるだろう
モハメド・アリも 真っ青の右パンチ
お前なんかイチコロだぜ
声のトーンが 響き渡っていく
すがすがしさが満ちていく
ダチのためなら どこへでも駆けつける
突然の嵐のように 姿を現して
どんな敵でも やっつけてやる
ダチのためなら 命さえも捨てる
俺の名はジェザ 覚えておけよ
嵐のように軽やかに舞う
甘く見ると そっちがヤバいぜ
ホロコーストの 悪夢を見たんだ
俺をよく見て マネしてみろよ
俺のラップに 合わせてみろよ
俺のリズムに追いついてみろ
俺と同じ悪夢を 味わうがいい
ノストラダムスを 気取るヤツらめ
俺は見たんだ 恐ろしい悪夢を
お前らに痛みが 分かるなら・・・
ホロコーストを 体験してみろ
俺の武器はヒップホップだ
マ・マ・マ・・・マイク・ショー
目を見開いて俺を見ろ
このサウンドに はまっちまえ
マ・マ・マ・・・マイク・ショー♪
〔0.22.45〕
狭いけど ステキよ
人気のショップなの 下はタトゥーのサロン
ここがサロンの中だよ
来た客にタトゥーを 入れてやるんだ
おい 客が来たぜ ウソだ

お客の大半は男性で 女の子は少ない
アルバムは多いのに 関心がないのね
女の子は特に問題意識を 持たないからだと思うわ

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〔0.23.20〕
♪あんた それで ラップのつもり?
退屈なおしゃべりは もうたくさん
あんたなんて 好きじゃないのよね
ハエみたいにウザいだけ
ハエは毎日のように 死んでいく
あんたもトイレで 同じ運命よ
今から30秒 数える間に
私の前から失せなさい♪

私は兄と仲良しで 友達みたいな関係なの
彼のことを誇りに思うし みんなも認めてくれてる
とにかく才能があるの 兄は私のすべてだわ
〔0.24.06〕
ギャングは アメリカにしかいない
あの国だけだ
裏社会でマフィアと つながり・・・
ラップを好むなんてさ
言っとくが 俺たちのラップとは違うぜ
決してヤクや暴力を あおったりしない
つるむのも 気の合う仲間だけだ

♪目を覚まして 俺の声を聞けよ♪

女の子やカネヲテーマに 歌うこともあるけど
それは遊び心ってやつ
本音で歌うのは もっとマジなテーマだよ
シリアスで奥の深い内容だ
〔0.25.05〕
調子はどうだい?
そうさ 俺は 葉っぱをやってる
いい感じだぜ
俺はCJ タイヤの リムを売ってる
仕入れ値は1500万 それを5000万で売る
生まれはトルコだが アメリカやドバイにいた
これが俺だ じゃあな
〔0.25.30〕
人は俺たちを見て アメリカかぶれだと言う
俺たちなりの自己主張を 理解しょうともしない
気にしてるのかよ
そうじゃないさ
頭の固い人間には 通じないさ
時代は変わるよ
俺は他人の目なんか 気にしてないぜ
お前を責めてるわけじゃない
今朝も母親に言われた
「ズボンをあげなさい」ってさ
もうウンザリだ
〔0.26.48〕
これを見てくれ
サダム・フセインだ イカしているだろ
若者に伝えたいことがある
誘惑に打ち勝って ダンスに夢中になれ
荒れたヤツが多い
ドラッグは簡単に 手に入るしね
ブレイクダンスが 転機になるといい

♪夢があるなら 希望を捨てるな

コンクリートに 覆われたジャングル
夢を叶えるのは 自分しかいない
この街の魔力に 惑わされるな
東と西を 気の向くままに
世界に誇る遺産の数々
どんなにつらくても ここが俺の居場所
イスタンブールで 生きていくんだ
築かれてきた 伝統を胸に♪
〔0.28.15〕
息子は小学生のころに・・・
ヒップオップを始めたんだ
けしからんと思ったものだ
私はE・クランプトンや・・・
J・ヘンドリックが 音楽だと信じてからね
節に合わせて歌うのが 歌の基本じゃないか・・・
言葉を並べ立て それで歌手のつもりかと
だが 今じゃ 考えが変わったよ
ヒップホップこそ 時代が求めていた音楽だ
〔0.29.57〕
これでいこう
この曲でステージに 上がるんだ
そのあとで アカペラに入ろう
彼らはロマの三人兄弟だ
何の教育も受けてないし
三人とも まだ若い
トランペットの15歳と 19歳と21歳の兄
三人が音楽で身を立て 家族を養ってるんだ
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〔0.31.35〕
私が求めているのは 中心にある静寂なの
ハリケーンの目の中に いるような静けさで・・・
そこに居ると自然に 回りたくなるの
身体の感覚がなくなり・・・
魂が解き放たれる
〔0.32.35〕
私の着ている黒いマントは 墓場を表しています
そして 墓石を表すのが この長い帽子です
すその長い純白の衣装は デンニュレといいます
死者を包む白い布を 表すものです
右の手の平は天に向け 左は下に
右手に神の啓示を受け 左手で人々に伝えます
メブラーナの旋舞は・・・
神の恵みの施しを 表しているのです
メブラーナ教団が説く 教えとは・・・
寛容の一言に尽きます
〔0.34.07〕
最大の違いは
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そうね 歌の持つ表現力かしら
トルコ語だと 感情があふれ出る感じ
英語で歌うよりもね

ブレンナ 出だしを 歌ってみてくれないか

♪彼女は窓から路地を見てた♪
最初の音はミ?
ラだ
トルコに来る前に友達が カセットをくれたの
50~60年代のトルコやブルガリアの民謡のね
それを聴いて 思わず夢中になったわ
音楽仲間とブルガリアへ 行くきっかけにもなった
もちろんコンサートを 開くためよ
村から村へ車で移動して 大変だったわ
でも貴重な出会いが あったの
それは ほこりをかぶった 古いレコード
心を打たれ 何度となく 繰り返し聴いたわ
埋もれさせておくには 惜しい曲ばかり
だから 何曲かを選んで セリムと演奏した
つぼみを私たちの手で 美しく咲かせたのよ
〔0.35.54〕
♪彼女は窓から 路地を見ていた
彼女は窓から 路地を見ていた
道行く人々は 石を投げた
道行く人々は 石を投げた
私の恋人は 長いまつげをしてる
私の恋人は 長いまつげをしてる
かわいい彼女を 見つけておくれ
見つけてくれたら お金をあげよう
いとしい彼女を 見つけておくれ
見つけてくれたら お金をあげよう♪

「はるばる北アメリカから 君のような人が来て・・・
トルコ語で歌う
俺たちが その価値を 見失いかけていたのに
君は素晴らしいと言う
それは俺たちへの 褒め言葉と同じだ
とても誇りに思う」って 彼らは言うのよ
それはね
世にも美しいステキな 旋律だったわ
陽気なんだけど どこか哀愁も漂っている
歌詞の意味は 分からないけど
さわやかな感じが すごくいいの
心にしみたわ

〔0.37.48〕
♪彼の馬車は 青い色をしていた
彼の馬車は 青い色をしていた
私は きれいな レースをかぶる
私は きれいな レースをかぶる
それでも心は 悲しみにくれる
それでも心は 悲しみにくれる
かわいい彼女を 見つけておくれ
見つけてくれたら お金をあげよう
いとしい彼女を 見つけておくれ
見つけてくれたら お金をあげよう♪
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〔0.38.42〕
古い友人の セリム・セスレル
彼とは以前 映画で 一緒に仕事をした仲だ
彼の故郷 ケシャンを訪ねる
ケシャンはギリシャとの 国境に近い町
人口の3分の2がロマだ
生演奏を楽しめる 居酒屋で
男たちは酔っ払うまで 陽気に飲んだくれる
見事な演奏には圧倒された
昔 スペインにウードを弾く アラブ人がいた
フラモ・メンゲとか 言ったかな
すごい名手だった
誰もが彼のように 弾きたくて・・・
こぞってマネをした
ウードがフラメンコの ギターを生んだんだ
ウードってのは たいした楽器だよ
弦楽器の生みの親って わけだな
しびれるね 彼は本物のウード弾きさ
《セリム・セスレル談》
ジプシー音楽はトルコの 古典音楽とは違って
じっとして 聴くものじゃない
音に合わせて踊り出さずに いられないものさ
トルコの古典音楽は そうじゃない
みんな押し黙って 聴いている
Crossing_the_bridge_403
《居酒屋の男》
一緒に踊ってみな
誰だって わしらの 仲間になっちまうさ
〔0.43.53〕
ケシャンの夏は 結婚式のシーズン
??????????
花嫁は黒い衣装で かぞくとの別れを惜しむ
《アナウンス》
どうか お席に
さあ 花嫁の イスメットに祝儀を
景気予よく雨あられと おサツをまきましょう
どなたも祝儀を お願いいたします
おいで 子供たちよ
皆さん どうか お聞きください
?????
音楽をとめて
ついに新郎と新婦が 一緒に踊ります
音楽スタ-ト
〔0.46.05〕
”東洋の神話集”
”修道者のメッセージ”
”ミュゼイェン・セナール”
〔0.47.22〕
彼らは何も知らない
知ろうともしない
彼らには 何も見えてない
見ようともしない
Crossing_008
そんな彼らが 世界を支配している
世界を動かすのは 彼らのような愚か者だ
悲しいけれど それが現実なんだ
たとえ異端と 呼ばれようとも
君は自分の 信じた道を行くんだ
どんなに 孤独でつらくても
友よ
彼らは何も 知ろうとしない
そんな愚か者が 世界を動かしている
それが現実だ

こんな時にうるさいな・・・(突然、携帯電話が鳴り出した)
〔0.49.19〕
ドラッグが深刻化している
特にハード・ドラッグだ
困ったものが出回り始めた

やあ!
あら 帰るの?
ちょっと 撮らないでよ

やあ ハリルおじさん
調子は どうだい
いらっしゃい

ラリっている間は 現実を忘れられる
俺たちは路上で演奏する
タクシム広場は もちろん フランス文化センター
映画館や高校の前でもやるよ
どこへでも行って 市街地の外でもやる
矛盾した話だけど・・・
路上で演奏するするのは ヨーロッパ風だ
だから警察は 俺たちを大目に見ている
ヨーロッパ化を 推し進めるには・・・
歌わせたほうが 好都合だと思っているんだ
頭にくるよ
歌に込めた熱い思いを 誰も分かろうとしない
金を稼ごうなんて 夢にも思ってないさ
だが 世間じゃ誰も 本気で聴いてくれない
声やルックスでしか 判断しないのさ
音楽には強い力がある
いつかは世界を変える日が来ると 俺は信じてる

路上に立てば みんな同じだよ
誰もが平等だ
階層や貧富に関係なく 一直線上に並んでしまう
それが路上だ

シンナー中毒者も・・・
身なりのいいビジネスマンも足を止めていく
違う世界の人間同士が 歌を通して接点を持ち・・・
人生や社会の矛盾に 目を向けるんだ
〔0.53.09〕
♪聞いてくれ
浅黒い顔をした 青年が言った
彼女への愛は 神聖なのだと
この腕の中で 彼女を抱きしめたい
夜が明けるまで 抱きしめていたい
そのためなら 死んでもいい
本気なんだ♪

見方を変えれば・・・
Crossing_062
路上は落ちぶれた者の砦だ
彼らの視点から 路上の石の記憶を歌にする
E・コライもアンカラの 歩道の情景を歌にしている
すごくロマンチックなんだ
路上暮らしの経験者には グッとくるね
たかが石かもしれない
でも 石には石なりの 記憶があるはずだ
〔0.54.52〕
♪激しく流れる 川のように
私の涙も激しく落ちる
音を立てる 流れのように
私の涙も激しく落ちる
どれだけ待てば 帰ってくるの
愛するあなた
待っているのに
突然 あなたは 行ってしまった
愛するあなた
待っているわ
激しく流れる 川のように
私の涙も激しく落ちる
音を立てる 流れのように
私の涙も激しく落ちる♪
〔0.56.04〕
ダーダネス海峡の 戦いでは・・・
チャナッカレの町だけで 25万の命が奪われたとか
国旗の由来でもある
血が赤い川となって 流れた時・・・
三日月の横に明るい星が 並んだそうだ
青白い光が地上を照らす
真っ赤な血に映る 三日月と星
それが旗の図柄になった
この大地に住む全民族が 共有する共和国の旗だ
排他主義やファシストの ものじゃない
〔0.56.47〕
アイヌールが歌う舞台は18世紀のトルコ風呂だ
聖堂のような屋内に・・・
彼女の迫力ある声が 美しく響く

クルド人問題は根が深い

民族を象徴する言語や 文化を・・・
クルド人の人々も必死で 守り続けてきた
苦難の連続にも負けずにね

トルコ政府はクルド人の 言葉や音楽を禁止したわ
存在すら認めず弾圧したの
Crossing_102
〔0.57.48〕
1980年のことだ
少数派の民族音楽が 国内で禁止された
英語や仏語 独語の歌は 自由に歌えるのに・・・
自分たちに身近な歌が ご法度とは情けなかった

♪偉大なアーメドよ
あなたを尊敬し お慕いしています
倣慢な主人でなく 不正な裁判者でもない
春の雨が降る
暦の季節は 違うというのに
私は神の懐に 抱かれながら・・・
耐え難い苦しみに 身をもだえている♪
〔0.59.05〕
10年ほど前だ
兵役を終えて 故郷に帰ろうとしたんだ
だが 我が家が見つからない
あるはずの場所を 探し回ってもないんだ
目印はバカでかい看板
こう書いてある ”森と同じに国家を愛せ”
そこから振り返ると 昔と同じ湧き水が出ている
だが 森が消えてた
連中は森ごと 家を焼いたんだ
独立を勝ち取った仲間だろう
なぜ 追い詰めるんだ
俺たちが何をしたってんだよ

♪苦しみに 身を引き裂かれながら
叶わぬ夢を 抱き続けている♪
〔1.00.10〕
歌には民族の記憶が つづられている
クルド民謡を聴いていると 挽歌の多さに驚くかもね
切なくて悲しい歌が 多すぎるのよ
それは理不尽に 受けてきた・・・
迫害や差別の 長い歴史のせいよ

♪いとしい人よ
いとしい人よ 夜の闇は深くて長い
あなたの姿さえ 見失ってしまった
いとしい人よ
夜の闇が深すぎて あなたは見えない♪
〔1.02.09〕
音楽を始めたころだから 10年前ね
コンサートでクルド語の 歌を歌ったら・・・
サズのジャックを3回も 抜かれたことがあった
今は自由に歌えるけど 当時はひどかったわ
〔1.02.29〕
クルド語は1980年に 解禁となったが・・・
ビデオクリップなどの 放映は許されなかった
テレビで流れるように なったのは最近だよ
残念だが 解禁されたのは 欧州の外圧のためだった
国内の改革を求める声に 応えた結果ではない
〔1.02.57〕
何世紀も同じ大地に 住んでいるのよ
そろそろお互いの文化を 受け入れてほしいわ
切なる夢ね
〔1.03.28〕
♪自由を求めて闘おう
いとしい人よ
闘志を燃やせ
立ち上がるのよ
奪われた故郷のために♪
〔1.03.56〕
オルハン・ゲンジェバイを 訪ねる時が来た
トルコでは 往年の大スターだ
数多くのアルバムを リリースし・・・
主演した映画も数知れない
ライブ演奏には 応じない彼が・・・
撮影のために生演奏を披露すると言う
《映画のシーン》
”どうしたの
脱がせて欲しい?
不貞を働けと?
バカね 田舎へ帰ったら?
どきな ”

《オルハン・ゲンジェバイ談》
私の相棒だ
子供たちは オルハン・ババと呼ぶ
38年間 作曲と演奏を やってきた
私の声を聴いてくれる 親友のような存在だ
Crossing_168
〔1.06.19〕
♪どんな男も・・・
完璧ではないものだ
愛してくれ
ありのままの俺を
どんな病も・・・
いつかは治るものだ
俺の苦しみを・・・
取り除いてくれ
俺の迷いを・・・
取り去ってほしい
お願いだ
疲れ果て・・・
力は尽きている
ここへ来て・・・
抱いてくれ
孤独な俺を・・・
慰めてほしい
聞いてくれ
愛があるなら
お願いだ
愛があるなら
聞いてくれ
お願いだ
愛してくれ♪
〔1.07.54〕
オルハン・ゲンジェバイは・・・
都会的なスタイルの サズを定着させた

サズといえば 民俗音楽の楽器だし・・・
古くさいイメージがあった
だが 彼は 楽器の可能性を広げた
〔1.09.12〕
1934年 押し寄せる 近代化の波の中・・・
トルコ音楽も流れなくなった
イスラム重視の人々は アラブのラジオを聞いた
アラベスクとは文字通り ”アラビア風”を意味する
60年代に入って アラベスクが復興したが
トルコ音楽に比べて ずっと軽視されてきた
その評価は間違っているし ひどい屈辱だったよ
私は新たなサズの奏法を 目指し・・・
特性の似たエジプトの 音楽を取り入れた
もとはヨーロッパの 流れをくむ技法で・・・
トルコ音楽にはないものだ
そのために 私の演奏は 異端として見られた
保守的な音楽家には 徹底的に非難されたね
古きを重んじるあまり 変化は嫌われたんだよ
伝統を壊すつもりなど まったくなかった
古いものほど 容易には消え失せない
私の中にも 脈々と生き続けているさ
Crossing_219
〔1.11.24〕
♪罪で汚れたテーブル
ワインのグラス
飲んだくれは 生まれつきだから
ほっといてくれ 罪深い女だから
こんな女を 誰が愛するものか
どうせ私は あばずれだから
こんな女を 誰が愛するものか♪
〔1.12.11〕
歌い続けて72年になるわ
今年で86のおばあちゃんよ
《映画》
”♪今宵は私が主役
私の夜なのよ
窓を打つ雨のしずく ♪”

イスタンブール育ちよ
市内のウスキュダル区に 10歳で移り住んだの
生まれたのはプルさd 幼いころから歌ってた
10歳まで吃音があってね でも歌は上手だったの
話す時は早口でないと うまくしゃべれなかった
歌はうまかったの
《film》
♪私を夢中にさせたのは・・・
あなただけよ
それなのに つれないそぶり
ひどい人ね
昔は輝いていたわね♪”

今じゃ 私のことなんか 誰も覚えてないわ
でも セゼン・アクスが 70周年を祝ってくれたの
リサイタルを開かせてくれて 大感激だったわ     
《セゼン・アクスfilm》
〔1.13.43〕
トルコ民謡とポップスを 融合させ・・・
タルカンのような 若手のスターも発掘している
音楽界に君臨し 尊敬される大歌手だ
《セゼン・アクスfilm》
#あいつったら許せない
頭にくるわ バカ!#
〔1.14.21〕
ラブソングが最高
ずっと大ファン
セゼン・アクスの歌が 流れてきたら・・・
ラジオの前にクギづけよ

憧れのスターだ
特別な存在だし 懐かしさも沸いてくる
昔を思い出すんだ

”イスタンブールの思い出”
〔1.14.55〕
彼女の邸宅を何度も訪ね 録音にこぎつけた
80年代のアルバムから 選んだ一曲
イスタンブールの 過去をしのんだ名曲だ
彼女がマイクの前に立つ
Crossing_the_bridge_444

〔1.15.58〕
♪壁にかかる 
   古ぼけた一枚の写真
一人の老婆が 
   じっと見つめている
時の流れを 
   瞳の奥に忍ばせて
瞳の奥に 
   時の流れを忍ばせて
まなざしにあふれる 
   深い愛と悲しみ
私の胸は 
   しめつけられる
切なさに
   引き裂かれそう
老婆の頬は
   しおれたバラのよう 
この胸の痛みを
   今は抱きしめていよう  
彼女がおもむろに
   口を開く
その口から
   もれてきた言葉は
聞いたこともないほど
   美しい旋律だった
汚れのない
   美しさに満ちていた
絵に描いたような
   ある秋の日の光景
あの日の輝きを
   老婆は夢見ている
あの風景に
   再び出会えたなら
燃えるように
   美しい紅葉した木々
もう一度
   あの風景に出会えたなら
私の胸は
   しめつけられる
切なさに
   引き裂かれそう
老婆の頬は
   しおれたバラのよう 
この胸の痛みを
   今は抱きしめていよう 
彼女がおもむろに
   口を開く
その口から
   もれてきた言葉は
聞いたこともないほど
   美しい旋律だった
汚れのない
   美しさに満ちていた
懐かしの
   イスタンブール
はるかなる
   イスタンブール
美しい過去は
   彼女の胸深く
黄金色の文字で
   永遠に刻まれている♪
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〔1.21.36〕
♪庭のナイチンゲールに なれるのなら
美しく歌う 鳥になれるのなら
あなたのために 歌い続けるのに
知る限りの歌を 歌い続けるのに
私の魂は 戦いに疲れ果て
安らぎを求め さまよっている
私の魂は 戦いに疲れ果て
安らぎを求め さまよっている
庭のナイチンゲールに なれるのなら
美しく歌う 鳥になれるのなら
あなたのために 歌い続けるのに
声の限りに 歌い続けるのに
私の魂は 戦いに疲れ果て
安らぎを求め さまよっている
私の魂は 戦いに疲れ果て
安らぎを求め さまよっている♪

〔1.23.44〕
帰ろう
謎の答えは見つからない
確かなことは一つ
イスタンブールの音楽は 私の心を放さない

♪海カモメに なれるのなら
空高く舞う 鳥になれるのなら
広い海の上を 飛び回るのに
風に乗って 遠く旅するのに
自由に向かって 力強く羽ばたく
私の魂は きっと自由になれる
自由に向かって 力強く羽ばたく
私の魂は きっと自由になれる♪

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《おわり》