第32回東京国際映画祭「アジアの未来」部門出品作品のモーセン・タナバンデ監督のイラン映画(2019年)
『50人の宣誓Ghasam』を観る
イスラム法の裁判劇と思いきや、宣誓に行く血縁者36人の乗ったバスの中で起こる血族間にありがちなイザコザで映画が進行していく
が、最後意外な展開で幕を閉じる
ポスターの右手形はコーランに乗せる手を表しているが、そこに浮かび上がっている主人公の女性の顔こそ誰もが陥る、怒りと思い込みで公正な判断を失った人間の象徴であり、監督のこの50人の宣誓に対する疑義が表現されている。
映画終了後監督とのQ&Aで
このような宣誓は殺人事件に限って年間30件ほどあり、10名しか集まらなかった場合は、宣誓を5回繰り返して50人とみなすとのこと。
血族の役者は素人で座る位置などは決めたがセリフを覚えさすのは難しいのでその場その場で対処したとのこと。
血族の集まりということで同じ人相の人を集めるのに苦労したとのこと