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■ ユーロ2008 グループD 第1戦 |
スペイン(4-1)ロシア ・前半20分 ビジャ(スペイン) ・前半44分 ビジャ(スペイン) ・後半30分 ビジャ(スペイン) ・後半41分 パブリュチェンコ(ロシア) ・後半45分 ファブレガス(スペイン)【ロスタイム】 |
■ 両チームのシステムについて |
◆ スペインのシステム
トーレス率いる?!スペインの登場。対戦相手は、策士ヒディンク率いるロシア。
試合前から一抹の不安を感じていたのだが、実際に前半45分を見た時点でいくつかプランを練って来ているという分かった。(ドイツW杯の際、日本と対戦したオーストラリアを率いている時にもヒディンクの手腕には脅威を感じたが、改めて実感。)
スペインのフォーメーションは、ちょっと変則的?な感じだが、[4-4-2]を基本として考えれば分かり易い。まず、今回のメンバーで純粋なサイドプレーヤーはシルバくらいなものでイニエスタもサイドプレーヤーの感じはしない。ただ、シルバのこの試合ではちょっと物足りなかった感は否めない。
中盤の2枚「シャビ、セナ」の関係性がポイントで、前者はレジスタ的に中盤でボールを散らす役割。後者はアンカーとしてDFラインの前で守備を安定させる役割。その他、セルヒオ・ラモスがオーバーラップが特徴。また、前半イニエスタが動いてポジションを色々と調整していたのは興味深かった。
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そして、2トップは、トーレスがフィニッシャーとして位置しビジャが動き回るという形が多かった。また、ビジャが左サイドへ流れるのも特徴的だった。
◆ ロシアのシステム
一方のロシアは、[4-1-4-1]のフォーメーション。
今回、ヒディンク・ロシアを初めて見たので、参考程度にその特徴を取り上げてみる。但し、スペイン戦限定のものかもしれないので、今後のスウェーデン、ギリシア戦ではどう変化してくるかは分からない。というか、そもそもロシアの選手は全く知らん。ただ、UEFAカップ獲ったゼニトの選手が多いのかな?「ゼニト・・・」なんか好きな響き(笑)
1.前線からのプレッシング
2.DFラインの押し上げ
3.両サイドの攻撃性
4.縦、横(サイド)の使い分け
プレッシング
ロシアの守備の基本形は、スペインのDFラインに対して前線からプレスを仕掛け、スペイン後方からのビルドアップ時の繋ぎを奪い攻撃に転じる意図と共に、スペインはDFラインからのパスのほとんどが中盤を経由していくのだが、その際起点となるのが、「シャビ、イニエスタ」である。(セナにもプレス入れていたけどね)さらに、ビジャやトーレスが引いて受ける形もあった。さらに、スペインのCBからの展開力がないことも分かっていたと思われる。
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次の段階としてスペインのFWが引いて楔のパスを受ける部分へのプレスも徹底していた。個人的には、イニエスタの方をロシアはかなり狙っていたように感じた。これは、後述するセルヒオ・ラモス(右SB)のプレーの特性と関係があったと思われる。また、ロシアは、適宜DFラインを押し上げていた。
両サイドの運用方法について
前述のイニエスタへのプレスが印象的だったのは、(スペインのシステムと関係があるのだが)スペインの右SBセルヒオ・ラモスが上がった裏のスペースをロシアは狙う意図が立ち上がりから明確だった。
つまり、同サイドのイニエスタの起点を潰し・奪い、それに伴い高めのポジショニングを取っているセルヒオ・ラモスの裏を狙うということである。そして、この場合、プジョルかマルコス・セナがサイドへ引き出される。そのスペースをロシアが狙うという方法である。また、多少立ち上がりのスペインがエンジンの掛かり具合が悪くどこか守備のルーズさ、緊張による固さ?が感じられた。
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つまり、(1)前線からプレスを仕掛ける。(2)中盤を経由する縦パスへのプレス。この2点を守備の主眼としていた。
勿論、スペインがボールを繋いで運ぶと「ぐ~ぅ」とラインは後退して、奪ったらカウンターという形を取ったりと、シンプルかつ効果的な組織が出来上がっていたという印象を受けた。
個人的にはこういうヒディンクのロジックって好きですね。組織の基本形があるから色々と変えれるし、最終的にチームが崩れた時にも選手達がやるべきことの拠り所になると思うのでね。
■ ロシアの決定機 |
上記の内容ががロシアの印象であり、前半2-0と折り返したスペインであるが、厳密には、試合の主導権はロシアだったと思う。そして、数字の上ではスペインがリードしていたが、ロシアに運がなかっただけで、むしろロシアが2~3点獲っていてもおかしくない前半だった。
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前半21分 この1分ほど前にスペインが待望の先制点を奪ったにも関わらず、守備の際(特に球際)のルーズさが、ロシアの決定機を作った。前半16分頃にもサイドから一度危険なシーンはあった。
この試合に限らずだが、スペインは球際での厳しさ、フィジカルコンタクトをあまり好まないのだろうか?リーガを見ていないので詳しくは分からないが、どうもイタリアやプレミアなどと比べると球際でのフィジカルコンタクトなどを積極的に行わない感じに見える。さらに、どことなく守備がルーズに感じるのが次のシーン。
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このシーンでもちょっと「ほんわか~」みたいな80sのフットボールみたいなボールの持たれかたをされているし・・・どうなんでしょね?
プレミアやセリエA的な基準でみたらバイタルエリアでこんな緩い感じの意識ってあまり見掛けないんですけど。なんか「一応ゾーン形成してまっせ!」みたいな。
湯浅健二氏ではないけど「アリバイ守備」みたいな感じに思えた。
さらに、前半終了間際にもFKが壁に当たったボールをシュート打たれてポスト直撃(その前にファウルがあった)など、意外とロシアが前半に2点取っていてもおかしくない内容だった。
ちょっと余談。この試合のスペインを見ていたらなんとなく将来の日本代表もこんな感じになりそうな予感を漠然と感じた。
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それでも、現実的にはスペインが2得点奪っていたので「試合の行方はスペインの手中」にあったのかもしれない。それでもベンチに座る策士のことが気になり、どこか不安を拭いされかった。(スペインのゴールなどについては後述)
■ 守備を整備してカウンター狙いのスペイン |
◆ トーレス交代
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後半9分。「トーレス → ファブレガス」と交代。ちょっとトーレス交代の早さには驚いたが、まぁ長丁場無理をしないでね。ということで。
そもそも、この試合、セスク・ファブレガスを先発起用しないので驚いたが、やはり初戦ということもありアラゴネス監督は慎重な方法をとったのかもしれない。今シーズン、リバプールが苦労させられたアーセナルの中心プレーヤー、ファブレガスの登場には期待していたが、正直、この試合では点差もあったので標準的なプレーに留まった印象。
ただ、シャビやイニエスタなど「パスくれ」君がいっぱいいるスペインではアーセナルのような感じにならないのは当然かもしれない。
そんなこんなで後半の半分以上が経過していく間にロシアも選手交代をするが、いまいち威力に欠ける。スペインも「イニエスタ→カソルラ」、「シルバ→アロンソ」という感じで中盤の選手を交代。
後半30分 ビジャがハットトリックとなる3点目を決めた時点で試合は決まった。
その後、ロシアも意地を見せ、パブリュチェンコが1点返すものの、最後は、ファブレガスがロスタイムにゴールを決めて4-1とスペインが初戦で勝ち点3を得た。
結果だけ見れば、「スペイン圧勝」かもしれないが、前半のロシアの内容を見る限り、決して圧勝とは言えない。むしろ、ロシアが不運だった気もする。その辺はロシアの指揮官ヒディンクも「不運」という言葉は使わなくとも内容にはある程度満足があったと思われる。
◆ 両チーム監督のコメント
「2点目を見てみればいい。あとは4点目も……。まあ、ああいったのはサッカーにおける初歩的なミスだ。ディフェンス陣の問題ではなく、チーム全体の問題としてとらえなければならない」 ロシア代表ヒディンク監督「初歩的なミス」 |
ヒディンク監督は試合内容をこう分析した。 「後半も運に恵まれなかった。0-3の前に1-2に持ち込むチャンスがあったのに、それを生かすことができなかった。あの時点で勝敗は決まった。チャンスの場面で、うちはあまりに素直にいき過ぎた。スペインの選手たちは相手のミスを見逃さない。ロシアは自分たちのミスのツケを払わされたのだ」 また同監督は、この日の結果が教訓として役立ったことを強調した。 「いずれにしても、今回の試合はいい教訓になった。まだ2試合残っているし、選手たちにも、『たとえ大差で負けても、敗北から何かを学び取ることができれば挽回(ばんかい)のチャンスはある』と言ってある。個人的には、スペインが、ロシアより強いチーム相手にどう戦うかをぜひ見てみたい。スペインが相手のミスをうまく突いたのは明白だが、この日の経験を通じて、自分たちのプレーをしようと努めれば、ロシアのレベルは必ず向上する、ということもはっきりした」 ロシア代表のヒディンク監督「スペインはうちのミスを見逃さなかった」 |
4-1で初戦を終えたことについては、こう感想を述べた。 「選手全員がチームの大切さを心得ている。ベンチを温めた者、3ゴールを決めた者(ビジャのことを指す)、中盤を安定させるために交代させられた者(トーレスのことを指す)、それぞれが皆チームを形成している。われわれは目標を達成するために、日ごとに前進を続けるよう努力している。だからこそ、結果には満足している」 また試合内容については、「先制点を決めて、その後も運に恵まれた。追いつかれそうになった直後、追加点を入れて2-0と差を広げることができた。ユーロは、アルゼンチンとブラジルを除けば、世界最強のチームが参加する大会だ。苦戦が予想されたロシアとの試合に勝つことができた」と、ライバルチームの手強さを強調することも忘れなかった。 スペイン代表のアラゴネス監督「ロシアから4点取るのは簡単ではない」 |
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>>リーガ
リーガも激しい選手は激しいですよ。アルベルダにせよ、かつてのバラハにせよ。当たりが緩いのは単純に当たってボールを奪える選手を今回中盤の選手で選んでいないからです。セナはあの中ではボール奪取能力は高い方に入りますが、周りが緩いだけに今ひとつ効いてなかったのかもしれません。
私もロシアの不運の要素の方が大きかったと思っていますが、今大会、ここまで鮮やかなカウンターが決まるシーンがいくつも見られます。ひょっとしたら、カウンターの精度で大会の行方が変わるかもしれませんね。
スペインの問題点でしたら、ご存じかと思いますが、
http://www.shukyu-keikaku.net/index.html
のサイトをごらんいただければすぐにおわかりなるかと思います。。S.ラモスの裏にしろ、当たりの緩さにしろ、既に指摘されていましたから。
今後はコンデションとの兼ね合いもありますが、個人的にはトーレスの使われ方と一緒に守備の修正にも注目したいです。
レッズは両サイドバックとりましたね、攻撃型の。笑
こんばんは、はじめまして。
バラーハ、アルベルダのバレンシアコンビ好きなんですよ!だからこそってのは感じたかもしれません。
選手選考の意図とかも分かるんですけど、上に上がっていくにはどっかで守備力って問われそうでしね。
リンクありがとうございます。何度か読んだことあります。まぁ、普段リーガ見てないってのがあるんで、プレミア的な感覚での意見です。^^;
ロシアはおっしゃる通り、カウンター強そうだなって感じたし、やはり不運は非常に大きかった。はっきり言って前半だけで2回くらい心臓止まりかけましたもん(笑)
ヒディンクは、経験値を言っていましたけど。
とりあえず、スペインにとってこのユーロを占う上で、次のスウェーデン戦が鬼門かなと・・・
こんばんは。
この試合を観て、ふと思ったのが、ビジャへのマークがきつくなれば、逆にトーレスが生きるのかな?ってちょっと思いました。つまり、決勝T以降にブレイクしてくれれば、幸いです。もちろん、怪我ないようにね!
スイスからデケン?を獲得したのしか知りませんでした。
これからチェックします!
蹴球計画で昨日の試合の戦評が出ましたが、私にはわかりませんでしたが、試合中にお1-4-4-1-1にチェンジしていたんですね。なんとなくそうかなーとは思ったんですが、やはりプロの方にはかないません。
http://c60.blog.shinobi.jp/
をお読みくださいまし。
いえいえ、こちらこそありがとうございます。
4-4-1-1の形は、特に、後半の頭なんかは、ロシアのボランチ(キャプテンかな?)にビジャが積極的に行っていたのが象徴的でした。
今後ともよろしくお願いします。
セニット(ズィニート)は「頂点」という意味があります。
辞退者や怪我人、出場停止がでて残念ながらこのチームチームからは中盤に一人と最終ラインに二人だけです。
>「ほんわか~」みたいな80sのフットボール
このゆるいパススピードで連動して流れるようにすり抜けていくムーヴィングフットボールがロシアンスタイルです。
パワープレーとか激しいプレスとか強引なプレーがあったらヒディングの影響です。
ヒディンク色がでたのは
CSKA3バックでなくMF出身の配給が得意なポリヴァレント2バックを選んだところ。トーレス対策はしていたようです。http://jp.euro2008.uefa.com/tournament/matches/match=300689/report=pr.html
中盤の底にいたセマクにトップ下をマークさせるつもりだったようですがヴィジャに逆にやられてましたね。
後は交代枠の使い方ですが、これは失敗でした。
絶好のチャンスを演出したFWシチョフを換えて、フリーになっていたカプデヴィジャにマークをつけるため高速MFブィストロフを入れながら、気が変わったように長身FWアダモフを入れて、交代枠を浪費した上連動サッカーがかみあわなくなって個人プレーが多くなりました。
私のお気に入りジルコフは、イニエスタをマークすることが多く、ラモスをマークしていたビリャレッディノフと連携して左サイドを苦しめていましたね。
センナもいてロシアの方も苦しめられました。
センナとシャヴィがぐるぐるローテーションしながらマークをおはずしてパスを回していたのが効いてました。
スペインのパサーたちは意表をつくタイミングでDFの隙間にパスを出してきますね。そのパスに答えて走る選手たちもちゃんと入れてますしね。
引いてマークして人数掛けてカウンター、ピッチいっぱい使ってポゼッションがやりたかったのですが、
スペインの方が上手で、中盤で翻弄し、ミスを確実にゴールにつなげ、逆にボール持たせてカウンターを決めてましたね。
こんばんは、超~お久し振りです!
ある意味、お待ちしておりました(ロシアン通のCSKA352さん)
正直、全然ロシアは分からないんですけど、単純に良いチームだと思いましたよ。事実、前半にリードしていた可能性はあった訳ですし・・・。個人的には、ロシアの左の縦のユニットは、好印象でした。
あと、スウェーデンとギリシアですが鬼門は、スウェーデン戦でしょうかね?!
仮にロシアの前半の決定機で点が入っていたとしても、アラ爺がパニックに陥ったりしなければ乱打戦の末にスペインが勝ったんじゃないかなという気はします。
UEFAでノリノリだったアルシャーフィンがいればまた違ったのかもしれませんけれど、とりあえず次のスウェーデン戦も出場停止なのでおいしくいただきたいところです。
とはいえもちろん、ヒディンクが頑張って分析したスペインの弱点はラガーベックにばっちり利用してもらいたいところですけれど(笑)、SWEの左のニルションはそんなに攻撃的ではないのでリュングベリに期待となりますかね。
スペインなかなかの勝利ですね、一試合一試合前に進んでトーナメントの壁を破って欲しいものです
気になるのはやはりボールを相手が持っているときにどれだけ強くなれるかですかね
後はジミに来るラモスの上がりに起こるピンチですか…。ラモスは攻撃好きなんですけど、割と守備に関してのイマイチが多いんですよね
後グイサ出てきて欲しいです