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イタリアvsルーマニア 【EURO2008】

2008年06月14日 | EURO2008
■ 脱カテナチオ

◆ 愚直なイタリア
大会前“死のグループ”と言われたグループC。イタリアは、第1戦オランダに歴史的敗退0-3という結果。

イタリア国内でも厳しい批判にさらされたドナドーニ監督は、メンバーを5人変えるという“荒療治”でチームに勝利を求める。勝ち点や得失点差など、勝ち上がりの条件はあるが、はっきり言えば、イタリアは2連勝してグループリーグを突破しなければならない。なぜなら、世界王者なのだから。

この5人入れ替えて、前半からアグレッシブなイタリアを見ながら、違和感を感じていた。「イタリアらしくない・・・」3点差で勝とうが1点差で勝とうが、勝ち点は同じ“3”。しかし、実際の試合内容に目を向けると・・・

試合は立ち上がりこそルーマニアにもいくつかチャンスがあったが、GKブッフォンの好セーブなどでゴールならず。その後、前半は時間の経過と共に試合をイタリアが完全にコントロールする展開。不運なルーマニアは味方同士で接触してが負傷退場。(どっか骨折したのかな?)しかし、どことなく落ち着いた雰囲気を醸し出すルーマニアに不気味な雰囲気。
 
イタリアは、左SBのグロッソが、高い位置まで上がりクロスを上げたりと、必勝の気持ちがピッチに戦いぶりに現れる。さらに、スタメンに名を列ねたデル・ピエーロも年齢を感じさせないプレーを見せ、さらに、ローマのデ・ロッシ、ペロッタなど、前回の中盤のミラン・トリオからは色合いが変わって、同じチームとは思えない。
ミラン・トリオから一人スタメンに名を連ねたピルロもゆっくりと試合を構成するなどという発想はあまりない模様。素早いパスの展開、長短のボールを散らしイタリアの中盤の底からゲームを組み立てる。そして、愚直なまでに前線のトーニ目掛けてのサイドからクロス、クロスの雨あられ・・・。

こんな攻撃的な、ある意味やぶれかぶれとも捉えかねないイタリアは初めて見た。
この試合のイタリアはどこかふっきれた雰囲気。世界王者のプライドか、力ずくでも勝利を奪ってやるという気持ちが伝わる好ゲームだった。
 
しかし、再三決定的なシーンがあるもののルーマニアのGKロボンツの好セーブにより先制点が奪えず。イタリアの試合プランとしては、先制点が真っ先にあったと思う。「90分で1-0でも良いから確実に勝つ」という発想はなかったように見えた。それが、「イタリアらしくない・・・」と感じた理由だった。
イタリアを迎え撃つルーマニアは、多少の運もあり結果的に前半を0点に抑えた辺りは、微妙な怖さを感じた。

■ “首の皮一枚”で繋がったイタリア

◆ ルーマニア先制!!
後半10分 試合の均衡を破ったのは・・・ルーマニアだった。
TVカメラもファウルで倒れた様子を映していた、次の瞬間。イタリアゴール前のムトゥがブッフォンの守るイタリアゴールボールを突き刺した。リプレーで見ると、ルーマニア自陣ハーフウェイライン付近からイタリアの右サイド奥に目掛けて蹴られたロングフィードをザンブロッタがブッフォンへヘディングでバックパス。それを狙っていたムトゥ。
 
第1戦、フランスと引き分けたルーマニア。
この試合もイタリアから先制。“死のグループ”と言われたグループCの台風の目となった。第1戦0-3敗戦。さらにこの試合でも敗れたらイタリアサッカー界にとってはシャレにならない事態は必至。悪戯にそんな妄想を膨らましていると・・・

◆ 喰らいつくイタリア
イタリアは、CKからのボールをこの日スタメンに入ったキエッリーニ(CB)が折り返し同じくCBのパヌッチが同点ゴールを叩き込み1-1。まだ気持ちは折れていないアズーリ。
 
この後、イタリアは「カッサーノ(→ ペロッタ)、クアリレッラ(→ デル・ピエーロ)」とスクランブル体制で選手を投入して行くものの、もう1点が遠い・・・

◆ 運
すると、今度こそ絶体絶命の事態が発生する。
ルーマニアのCKの際、PA(ペナルティ・エリア)内でパヌッチがルーマニアのD・ニクラエを倒しPKを与えてしまった。
 
ルーマニアのキッカーは、イタリアサッカーを良く知る男ムトゥ。
ところが、ムトゥが蹴ったボールは中央からゴール向かってやや右方向への軌道。イタリアGKのブッフォンが同じ方向へ反応し手と足を使いブロック。まだイタリアには多少のツキが残っているようだ・・・その後、イタリア、ルーマニア共にもう1点が遠く、試合は、そのまま終了。

ルーマニアにとっては、イタリア相手に勝利するチャンスを逃した試合だったかもしれない。イタリアは、まさに“首の皮一枚”で繋がった。

■ 最高の消化試合になるか・・・それとも

第1戦敗れ、勝ちに行った第2戦で引き分けたイタリア。優勝候補に挙がっていたチームだったが、単純にチームは混乱があるのかもしれない。そもそもスタメンを5人変えてくるというドナドーニ監督の“荒療治”もその結果は勝ち点1のみ。
決して、メンバー的に劣っているわけでもなく、選手達のコンディションも著しく悪いとも思わない。この試合の攻撃的なイタリアは、ある意味珍しい姿だったし決して悪い印象もなかった。ただ、イタリアらしくないとも同時に思ったりもしもした。理論上、まだイタリアはグループリーグ突破の可能性を残している。

ドイツW杯決勝と同じカード、第3戦「イタリアvsフランス」が、このグループ2位通過を狙う両チームの戦いになった。しかし、この“死のグループ”に「波乱」を作り出したルーマニアは、グループC1位通過を確定したオランダと戦う。つまり、オランダの試合への臨み方次第では、「イタリアvsフランス」は最高の消化試合になってしまうかもしれない。

ちなみに、第3戦は全て同時刻で行われる。よって、「イタリアvsフランス」は、常に「オランダvsルーマニア」の試合を気にしながらになるわけだ・・・両チームとサポーター、そして我々も。
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