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オーストラリア代表を分析

2006年05月23日 | 日本代表 (ジーコJAPAN)
1.チーム戦術

■フォーメーション■
フォーメーションに関しては、[4-3-3]か[3-4-3]だと思います。厳密には、[3-4-2-1]ではないかな?と思ってます。プレーオフのウルグアイ戦のデータがあればいいんでしょうけど・・・

■オーストラリア予想メンバー■
ヒディンクの采配のポイントは、選手交代枠3人の使い方にあると思うのです。
前回のW杯で韓国代表を率いたヒディンクは、選手一人の交代でチームのシステムを大きく変化させ、2倍の効果を生み出す采配をしました。しかし、韓国代表で行ったような事をする為には、選手スタッフを含めたチーム内の連携が重要なポイントになると思います。そこで、ヒディンクは、チームワークを作る為に3月1日の国際Aマッチデーにキャンプを張りました。そして親善試合はしませんでした。

しかし、今回のヒディンクは、オーストラリア代表を率いて時間が短い・・・そういう意味では、韓国を率いた時のように複雑な戦術パターンは少ないと思うのです。したがって、もっとシンプルかつ効率よい戦術をチームに浸透させてくると思われます。では、具体的には、日本戦ではどのように攻撃、守備の采配をしてくるでしょうか?!

2.日本の弱点は、変わらない!

日本の長年の弱点は、2つあり。
 「中盤を飛ばされた時の対応(パワープレー)」
 「引かれた相手を崩す」

これらの問題は、日本サッカー界が抱える長年の問題と言っても良いかもしれません。最近は少しはマシになったかなと思っていましたが、以前行われたボスニア・ヘルツェゴビナ戦では、引いたボスニアを崩せませんでした。

そして、ヒディンクは、間違いなくこれらの試合に関するデータを持っていると思うのです。そして、必ずこの日本の弱点を突いてくると思います。なにせ、この戦術は、シンプルなのでチームに浸透させやすいうえに、プレミアリーグでプレーする選手の多いオーストラリア代表にとっては、多分一番手馴れた戦術だと思うのです。

■中盤を飛ばすスタイルの日本戦での効果■
この中盤を飛ばすサッカーなら、W杯の初戦ということもあり緊張等でリズムに乗れないオーストラリア代表が中盤でミスをするリスクも少ないと思うのです。そして、日本代表のDF陣は、オーストラリアと比較するとフィジカル的にも強くない。つまり、試合開始時から、ある意味プレミアスタイルのサッカーで、攻撃のアドバンテージを取りに来ると思われます。そして、何よりも“日本代表の生命線(中盤)”を寸断出来るのです。

■ケネディ(194cm)のメンバー選出の意図・・・■
さらに、戦術的に意味のないサプライズをヒディンクがするとは思えない。ケネディ(194cm)の選出が気になる。必ず、スーパーサブとして使ってくるはずだし、ケネディにとっても日本戦で良いパフォーマンスならば、第2戦以降の自信になるだろうと思う。

ふと思ったが、他の対戦国(クロアチア、ブラジル)も“中盤に特徴”がある。単純に、中盤の構成力だけに目を向ければ、オーストラリアには分が悪いと思っているのかもしれない。そして、自分達のウィークポイントを回避するには、「ロングボールを放り込んで高さを生かしたパワープレー」・・・非常にシンプルだが効果がある。(一試合通じてではなく、局面において、ロングボールを活用した攻撃が多くなるであろうという意味です)

そして、先制出来たら(時間帯にもよるが)「引いて、カウンター」を仕掛けると思う。つまり、日本代表の最大の弱点2つを効率良くチーム内に戦術として取り込んでくると思われる。

3.サイドの攻防は?

以前、“サイドの攻防”も鍵になると書いたが、試合の流れの中では、重要な要素と思う。ヒディンクが三主都のサイドを使わないはずがない!
しかし、個人的には、日本代表は、三主都のサイドは、半分捨てて“片上がり”の攻撃でもいいと思う。つまり、加地のサイドは、絶対に封じて、三主都のサイドでアドバンテージを取り、“サイドの攻防”は、両者互角ということで相殺出来たらベスト。キューエルが怪我をしたようで、日本戦に間に合わないで欲しい・・・でも、個人的には、キューエルのファンなのでクロアチア、ブラジル戦では頑張って欲しいですけどね。

4.ディフェンス勝負?!

昨年のコンフェデレーションズカップでの、オーストラリア対ドイツ戦(3-4で敗れる)この時のオーストラリアの守備は、数は多いが、緩いそんな印象を持った。ドイツから3点を取ったことより、4失点をした方が気になった。ちなみに、この時のオーストラリアは、1.5軍という感じで、監督もヒディンクではない。ドイツの実力は、「強いのか弱いのか」今でも正直良く分からない。はっきり言って、歴代の中ではドイツは弱いと思うけど・・・(苦笑)

日本もオーストラリアもそれなりにチームとしてバランスのいいサッカーが出来ると思う。逆に言えば、“相手の良い所を消す”ことも大事ではないだろうか?サッカーにおいて攻撃と守備は、背中合わせでどっちが重要とは言えない。だが、守備が安定していると攻撃のリズムも出てくるのは、事実である。そういう意味で、この試合の鍵を握るのは、“ディフェンス勝負”かもしれない。

例えば、日本が3バックであれ4バックであれ、オーストラリアは、両サイドバックの位置のスペースにキューエルやブレシアーノが突いてくると思われる。または、FWのビドゥカが流れ込むかもしれない。オーストラリアの攻撃の方法論としては、十分にあり得る。その攻撃の芽を摘むこと、攻撃を寸断、停滞させてオーストラリアの攻撃のリズムを与えないことによって、逆に日本の攻撃のリズム、攻撃の波が日本に傾いてくると思われる。
以前も何度か書いた“押し相撲”の部分で負けなければ、互角以上の戦いが出来ると思う。

グループFの戦い方

最後に、グループFのブラジルが32ヶ国中最強である事前の評価に意義を唱える人はいないと思う。しかし、オーストラリア、クロアチア、日本。この3チームのチームとしての力関係を見た時には、昔のようにそれほど大きな隔たりはないと思う。だが決して日本が実力的に勝っているとも思わない。

要は、どのように3試合を戦うか?が大事であると思う。その為には、事前の分析と試合中の柔軟な対応、そして十分なチームとしての準備が必要である。昨今、忘れかけている、“精神面”も付け加えておく。前述の“押し相撲”という表現のように、耐える時間、力が拮抗している場面に重要なのは、「勝利への貪欲な気持ち」、「決してあきらめない気持ち」、そして「集中力」両者がガチンコの状態でどれだけ精神的に負けないか!?そこも大事だと思う。この点に関しては、他でもない自分達(日本代表)の中の気持ちの問題だと思う。

昨年のコンフェデレーションズカップで、ドイツ戦のビデオがあったので、それとヒディンクの采配、また、予想スタメンなどいくつかの要素をミックスして、ちょっと無理があるかもしれませんが、このような感じで分析してみました。
〔今後のオーストラリアの予定〕
対ギリシア(5/25)
対オランダ(6/4)
対リヒテンシュタイン(6/7)
完全に、“仮想クロアチア”って感じで日本は、眼中にないようです(苦笑)つまり、ヒディンクは、第3戦に勝負をかけて予選突破を狙っていると解釈していいと思う。

<追記>
この記事を書いている時には、トニー・ビドマーが代表を辞退するとは思っておりませんでした。その他、けが人も多く、現時点でメンバーも随分と変わっているようです。システムも4-2-3-1を採用しているようです。この[4-2-3-1]でも、ウィング的な動きで、SBのスペースは突いてくるんだろうなぁ~。

オーストラリア対ウルグアイのプレーオフ詳細や最新のオーストラリアのフォーメーション等は、『Mr.コンティさんのBlog』にて、ご覧下さい。

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[改訂版:06年秋-画像を追加]


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1 コメント

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コメント有難う御座いました (コージ様)
2006-05-24 09:46:02
コメント有難う御座いました。そちらこそ詳しい分析。参考になります。今後の御分析、期待しております。今オーストラリア大陸は A-League も始まりサッカー熱が急上昇中です。この調子でいけばAFCに編入してきたサッカールーは大変な脅威となりますね。でもまずはワールドカップ。日本代表も怪我だけは気をつけて本大会に臨んで欲しいものです。
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