■ ユーロ2008 グループC 第3戦 |
イタリア(2-0)フランス ・前半25分 ピルロ (イタリア)【PK】 ・後半17分 デ・ロッシ(イタリア) |
■ “死のグループ”と化した |
ユーロ2008、グループリーグも佳境に入りました。
そんな中、“死のグループ”と言われたグループCは、実際に大会が始まってみると、本当に“死のグループ”と化しました。その中心にいたのは、大会前の予想では、強さにやや懐疑的だったオランダ。そして台風の目となったルーマニアでした。
第3戦、同時刻キックオフ「オランダvsルーマニア」、「イタリアvsフランス」
この試合前のオランダを除く3チームの2位通過する為の色々な条件というのがありました。まぁざっくり言ってしまえば、「ルーマニアが勝てば、イタリア、フランスには勝ちあがりのチャンスがなかった」ということがキーポイントでした。
ルーマニアにすれば、はなっから引き分けを狙う気はなかったでしょうし、両会場共に“勝ち上がりの条件”を気にして戦えるほど楽な相手ではなかったのは確かですからね。
◆ フランス代表、一つのサイクルが終焉
試合結果は、ご存知の方も多いと思いますが、イタリアがピルロのPKを含む2-0でフランスを破りベスト8を決めました。
この試合、前半に色々とサプライズがあり、ある意味近年の「イタリアvsフランス」らしからぬ試合になったと思いました。例えば、ドイツW杯決勝でもジダンの退場劇ってのはありましたが、結果はPK戦でイタリアが勝利。98年W杯、2000年ユーロのフランスの連覇の頃は、守備力もさることならがジダンを中心とした攻撃力というのあり、勝負強さみたいな部分も持ち合わせていたと思うのです。しかし、ドイツW杯のフランスはグループリーグではあまり良い内容ではなかった徐々にエンジンが掛かってきたものの一時期の輝きはなく。さらに、遡れば02年日韓W杯の時はグループリーグ敗退。そしてユーロ2004では優勝したギリシアの守備に苦戦しベスト8で敗退。
結局、徐々にフランス代表の一つのサイクルが終焉に向かって進んでいたとは思うのです。
それでもなまじ結果が出てきたので、ジェケ監督以降、ルメール、サンティニ、ドメネクと3人監督が交代しましたが、その中で大きな世代交代を果たすことが出来なかった。実際に、DFラインの老朽化は指摘されていましたし。
その一方で、今大会注目選手の一人、ベンゼマやナスリなど次世代のフランスを担う選手が現れていることは好材料で、この大会でのグループリーグ敗退が良い意味でフランスがリニューアルするきっかけになったとも思うのです。その成果は、2010年W杯南アフリカ大会でしょうけど。とりあえず、次なる問題は、監督人事でしょうか・・・
◆ いまだ、迷走するイタリア代表
一方のイタリアも最後の最後でグループリーグを突破するという運の強さ、勝負強さ?を見せたものの、第2戦のルーマニアとの戦いでムトゥにPKを決められていたらグループ敗退していたわけで、オフサイドがどうだこうだと言っていたものの、やはりチームとしてちぐはぐであることは否めない。
事実、第1~3戦でスタメンが固定されず、第2戦では5人を入れ替え。第3戦では2人を入れ替え。そこに大きな戦術的・戦略的意図があったかどうかは怪しい。そして、この試合でベスト8進出を決めたもののイエローカードの累積警告で、ピルロとガットゥーソを欠くことに。ドナドーニ監督は、どうすることやら・・・ただ、今回の勝利でチームとしての結束は強くなったかもしれませんけどね。
■ イタリア、フランスに欠けていたもの |
◆ 得点力と要の守備力の低下
このグループCにおいて、オランダの圧倒的な強さと勢いというのは明らかでした。そこに喰らいつくルーマニア。そして、そのルーマニアに引き分けられたイタリア、フランス。(フランスにいたっては1ゴール)これは明らかにチームとして得点力不足。
さらに、オランダに3失点のイタリア、4失点のフランス。この辺も守備力の低さを証明していると思います。多少、オランダの勢いなどを差し引いたとしても近年のイタリア、フランスを支えていたのは安定した守備力だったと思うのです。しかし、その守備が機能せず、さらには得点が取れない。結果はご覧の通り。例えば、グループBのドイツも似たような傾向にありました。各グループごとに見れば、一番スタンダードな試合をしているのは、グループDくらいなもんでしょうかね。
ただ、イタリアもフランスも守備が悪くとも攻撃面に関しては、多少可能性はあったと思うのです。
特にイタリアは、ルカ・トニが非常に良いプレーをしていましたが肝心のゴールが決まらない。ルーマニア戦なんかは1点入ったらその後2点、3点ポンポンと入るような感じはありましたし、この試合でも多くはなかったもののいくつか決定機がありました。しかし、ルーマニア戦はぐだぐだしている内にやられた・・・という感じで。
フランスは、ベンゼマ、アンリ、アネルカが鳴かず飛ばずでしたが、リベリーやゴブなどが良かった。(第3戦のベンゼマは頑張っていたが周囲との連携面では物足りず)
この辺のチーム内の攻守における微妙なバランスの悪さ、噛み合わない状況がこの2チームにはあった。
◆ リベリーの負傷とアビダルの退場
そのフランスは、リベリーの負傷退場が大きかった。それに追い討ちをかけるようにCBに入ったアビダル(たしかSBが本職では?)。
アビダルが痛恨のPKを献上。しかし、このPKを与える前にもペロッタに2列目から抜かれたシーンなど連携面での問題も感じさせましたし。前半で10人となったフランス。デ・ロッシの強烈なFKがアンリの足に当たりコースが変わり、イタリアのゴールとなり2-0。実際に、「リベリーの負傷とアビダルの退場」で試合の半分は決まったと言っても過言でなかったと思います。さすがのイタリアもこの状況で引き分けとかなるとは思えませんでしたし。
■ 勝ち続ける必要があるスペイン |
これで、ベスト8の試合スペインは、イタリアと対戦することになりました。
純粋に現在のイタリアを見れば、決してチームとして有機的に機能しているとは思えない。しかし、経験豊富かつ伝統的に粘り強いイタリアですので、油断は出来ませんし、ここから息を吹き返す可能性も多いにあると思います。
そして、スペインにとっては、ベスト8の壁を越える為には絶好の機会なのではと思うのです。それは何も今のイタリアならば勝てる可能性があるとか、ビジャが好調だから点を取れるだろう・・・とかではなく、どちらかというとスペイン自身の問題であると思うのです。
◆ 克己心
つまり、“克己心”。過去何度も期待されながらも結果を残せなかったスペインとしては、相手云々よりもチームとして本当に勝利をもぎ取る強い闘争心を持っているのか?そして、チーム一丸となって目標に向かい力強く進もうとしているのか?それが問われる最高の相手だと思うのです。
はっきり言えば、内容なんかクソでもいいと思うのです。極論、誤審であってもなんであってもスペインは勝つことが大事。よくスペイン代表は、民族性など諸問題により代表への注目度が・・・なんて聞きますが、これは現在の日本代表にも言えることですが、要は、「過去の成績よりも良い成績を残し、勝ち続ければよい!」 それに尽きると思います。
そうすれば、自ずと代表チームの求心力とは高くなると思うのです。逆に、大会前には期待されながらもグループリーグではあまり芳しくない状態だったイタリアとドイツ。伝統的に勝利への強い意識、そして、歴史。それらが両チームを支えていたと思うのです。そういう相手だからこそ、ポルトガルもスペインも勝った時に得られるものは大きいと思うのです。
◆ オランダvsロシアという楽しみ
あと残す所1チームのみ。グループD第3戦は「スウェーデンvsロシア」2位通過を賭けて戦う大一番です。第2戦、ギリシアに1-0と辛勝(見ていないので内容は不明)したロシア。一方、ロスタイムに逆転されたスウェーデン。勝者がオランダとの対戦の切符を得ることになります。やはり、ヒディンク監督率いるロシアには多少怖さってのがありますし、オランダを良く知るヒディンク采配ってのをベスト8で見たい気もします。ちなみに「スペインvsギリシア」は、実質消化試合です。
最後まで読んで下さって、ありがとうございます。ベスト8の展望・予想などは、明日か明後日にUPします。
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