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日本vs.ポーランド【ロシアW杯】

2018年07月01日 | ワールドカップ(ロシア大会)
戦略的博打

第3戦、事前の報道にあったように、日本はスタメンを6人も交代してきた。
武藤、岡崎
宇佐美 柴崎、山口、酒井高徳
長友、槙野、吉田、酒井宏樹
川島

このスタメンが発表された時に、「情報戦という意味では、マズい」と思った。
このような世界大会で、相手チームに情報が流れてしまう可能性があることは、非常に良くない。
また、「秘策」など作戦があった場合に、それが外部に漏れてしまうことはチームにとって大打撃である。
今後、このようなことがないように協会及びスタッフ、選手は、些細な動きも勘付かれないように細心の注意を払って欲しい。
なぜスタメンは漏れるのか? 西野J、敵は内部にあり。断罪すべきは「関係者」【ロシアW杯】

ポーランド戦、日本は引き分け以上で決勝トーナメント進出が決まる。
一番ややこしいのは、日本が負けた時である。
日本とセネガルが、勝ち点、得失点差で並んでいたのである。
そして、コロンビアが第2戦ポーランドに勝利して、勝ち点3で追いかけてきた。
セネガルvs.コロンビア、コロンビアにすれば勝つしかない。引き分けた場合は、日本vs.ポーランドの日本の結果次第となる。
つまり、ポーランドを除く、3チームが勝ち点1以上を狙う構図となっていた。

結果は、ご存知の通り
セネガルvs.コロンビアは、0-1でコロンビアが勝利して、勝ち点6で首位通過。
日本vs.ポーランドは、0-1でグループリーグ敗退が決まっていたポーランドが勝ち点3を挙げた。

そして、日本がセネガルと勝ち点4で並ぶもののフェアプレーポイントにより2位通過を決めた。

西野監督の戦略的博打

1.スタメン6人交代の意図

2.「0-1の負け」を選択した理由

1.スタメン6人交代の意図
これは、完全にベスト16でベストコンディションで戦う為という狙いである。
大迫、乾、香川、原口、柴崎、昌子と休ませるのを重視した。
この6人がベストコンディションでなければ、ベスト16に勝ち上がってもボロクソに負けると考え、逆に、この6人がベストコンディションに戻せることができれば、勝ち上がる可能性があると考えたのであろう。そして、もう一つこの試合は、6人代えても引き分け以上が狙えると目論んでいたのであろう。ここが最大のポイントである。(つまり、負けたとしてもある条件が揃えば、2位通過が出来る)

次に、控えメンバーの試合勘。
ここまで、本田、岡崎、宇佐美、山口以外は第1戦、第2戦と出場機会がない。何か不測の事態が発生した場合に、本大会のピッチの感覚を経験させて、また、新しい可能性のある選手を見ておきたかった。そして、今回のメンバーでも引き分け以上、最低でも0-0、1-1くらいはイメージしていたはずである。

この後者ミッションは、十分ではなかった。まず、FKから失点をしてしまい、大迫と乾を入れざるを得なかったこと。
特に、大迫に関しては、後半の立ち上がりに、岡崎が足を痛めての負傷交代である。だから、コンディションが悪い選手は招集すべきではないのである。単純に、戦力として1人少ないというディスアドバンテージを掴まされたことになる。

宇佐美も全然使えなかった。武藤もアピールと言わんばかりでセルフィッシュなプレーが気になった。こちらも最後に長谷部と交代。まったく良いところない状態だった。気の毒だったのが、本来とは違うポジションで使われた酒井高徳である。(岡崎ではなく久保を招集しておけばよかったものを)槙野もわずか数試合で、昌子と序列が変わってしまった。

2.「0-1の負け」を選択した理由
監督は、最後の時間帯で、

・日本がさらに失点すること
・コロンビアがセネガルに同点にされないこと
この2つの条件がクリアされる方が、

・日本が同点にすること
・日本がさらに失点すること
・セネガルが引き分け以上となること
この3つの条件とを天秤に掛けたわけである。

上記の通り。
日本が同点を狙いに行けば、必然的に失点の可能性は高まる。
そうなると、コロンビアとセネガルの試合内容なんて関係なくなってしまう。
つまり、裏の試合の状況を「突破の可能性」に加味出来なくなってしまうのである。

日本vs.ポーランドは、目の前の状況を見ていれば、ポーランドも是が非でも追加点を取りたいわけではなく、
一応、形式的に勝利、勝ち点3を取って終えれば良いという雰囲気だった。日本が長谷部を投入して約10分間のボール回し、
ブーイングの中での試合に付き合ってくれたから。仮に、日本が前がかりに行ったら、ポーランドは逆にカウンターで追加点という狙いであったろう。

「何もしない」

日本は、試合をこのまま眠らせてしまえば良い、至極簡単なことである。
もし、ポーランドが攻めてきたら、逆にカウンターを狙うという意図である。


ちなみに、コロンビアvs.セネガルの内容は逐一スタッフから監督の耳には入っていただろう。
スタッフ(誰か分からないが、技術委員の関塚とか?)の見解としては、「セネガルが同点にするのは難しい」という情報が入っていたはずである。
試合全体の流れ、雰囲気、大局観である。実は、ここが最大のポイントである。

今回の問題をややこしくしているのが、日本戦をみんな見ていて、「セネガルvs.コロンビア」の試合をきちんと見ていなかったといことである。
きっとサッカーに少しでも詳しい人が「セネガルvs.コロンビア」を見ていて、西野監督が下した判断を知ったら、納得が行ったはずである。

勿論、理論上の可能性としては、セネガルが同点以上にすることはあったが、そこしか見ていない。
「セネガルvs.コロンビア」の状況をチェックしていたスタッフからの情報を信じて、西野監督が、その情報を信じて可能性に乗った。
決して、他力本願ではなく、スタッフを信じたのであろう。

今回の西野監督の判断は、大博打でなく、論理的な博打である。
麻雀を知っている方であればピンとくるだろうが、2着狙いをするイメージである。

親のコロンビアにトップを取らせて、自分は関係ないポーランドに安い点棒を与えればいい。そしたらオーラスは終了する。
あるいは、最後は、親がノーテンで自分はテンパイのみで終わらせる。

トップを取ったコロンビアは、2着以上を狙っているセネガルにはそうそう振らない。
さらに言えば、コロンビアには順位が逆転して、場合によっては、3着まで落ちる可能性があった。
そういう状況で、コロンビアがそうそうセネガルに直撃を振るとは思えない。
冷静に考えてみれば、最大限の警戒をして、リードを保つはずである。

つまり、西野監督の判断は、ある意味ギャンブルではあったが、丁半博打のような博打ではなく、むしろ戦略的博打だったのである。

ベルギー戦でチャンスを活かすために

次の相手はベルギーである。2位通過した日本の山は強豪揃いになってしまった。
個人的には、イングランドと日本が戦うのをワールドカップで見たかった。そういう意味で残念である。
次のベルギーは、優勝候補に挙げられると思う。(あとは、フランス)

ただ、グループリーグは、イングランド、チュニジア、パナマという随分格下だったし、イングランド戦に関して言えば、両国ともに決勝トーナメントを決めてメンバーも大きく入れ替えた状態での勝利に過ぎない。

ベルギーにしたら日本も格下だろう、しかし、世界的にコロンビア、セネガル戦を経た日本の印象は良い。
日本は、いわゆる今大会のダークホースとなった。


理想は、ベルギーが日本を舐めたまま試合に入ってきてくれることである。
そこに日本が付け入る。ベルギー戦でチャンスを活かすためには。

コロンビア戦のように日本が先制すれば、試合はどうなるか分からない。
その為には、前半20分までに失点をしないこと。
改めて、守備、ハードワークを意識してプレーしてもらいたいものである。
あとは、ゴールに近いところでセットプレーを与えない。

当たり前のことを淡々とこなして、数少ないチャンスに掛けることである。



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2 コメント

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Unknown (@kz14)
2018-07-01 21:28:47
日本が点を取りに行っていればどうなっていたか?
たらればですが、同じ状況として2-0で終了したドイツが事例になりますね。
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2018-07-02 17:15:11
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