■ ユーロ2008 グループB 第2戦 |
クロアチア(2-1)ドイツ ・前半24分 スルナ (クロアチア) ・後半17分 オリッチ (クロアチア) ・後半34分 ポドルスキー(ドイツ) |
■ 新生クロアチア |
グループBの本命と思われていたドイツがに敗れるという波乱が起きました。
波乱---ちょっと言い過ぎかもしれません。予選ではイングランドに勝利しましたし、クロアチアの評価は悪くなかった。あとは、その評価を印象付ける今大会での結果と内容が欲しかった。
この試合によりクロアチア監督ビリッチの評価も高くなったでしょうし、クロアチアというチームの強さも十二分に証明出来たと思います。一方のドイツのレーブ監督の評価は、微妙なところ・・・個人的にはよさげだなと感じていたのですが、この試合を観る限りチームをベストな状態でピッチに送れなかったという気はしました。
フォーメーション上は両チーム共、似たような形。
クロアチアのクラニチャルが1.5列目のようなポジショニングを取る感じ。スペインやポルトガルのように欧州では「柔」のイメージのチームとは正反対の「剛」のイメージのドイツとクロアチア。繰り広げられるサッカーの内容もピッチ上にバランスよく配置された選手、それほどポジションチェンジなども行われず、基本的に「自分のエリア」に忠実。その中で、激しい球際と直線的な力強いパスの動き。
◆ ボール狩りと右サイドを制圧
立ち上がりからクロアチアは積極的なプレスでドイツの出だしを上手く封じつつ自分達のリズムで試合を運ぼうとしていました。また、ドイツもクロアチアの高いDFラインの裏を何度か狙う攻撃もあり。意外とドイツの前線(ゴメス)がクイックネスがあり良い選手という印象。ただ、ドイツは、多少中央からの崩しが多く攻撃のバリエーションという意味では淡白な感じは否めず。そして、何よりもクロアチアの前線からの「ボール狩り」に苦戦を強いられました。
◆ クロアチアの素晴らしい先制点
前半24分 試合が動きました。クロアチアが右サイドから逆サイドへ展開してクロスをゴール前に上げると、ファーサイドのスルナが決めてクロアチアが先制。今大会のユーロの開催国がスイス・オーストリアということもあり、クロアチアのサポーターも多くかけつけていますし、熱狂ぶりが10年前のフランスW杯を思い出させます。
クロアチアの攻撃は右サイドのスルナとその後方チョルルカ(右SB)の縦のユニットが効果的でドイツの左サイドを制圧します。そして、右からの攻撃が多いなぁと感じていた矢先のサイドへの展開から素晴らしいゴール。
こういうゴールが美しいゴールだと思いますね。
1.サイドを変える
2.左サイドから一度央へくさびのパスを入れて、外をフリーにさせる
3.リターンを受けてファーサイド目掛けてクロス
4.この時、ドイツの守備陣をニアに密集させるように動くクロアチアの選手
5.スルナがDFの裏から現れてゴール
クロアチアのビリッチ監督は、いまにもピッチに飛び出しそうな勢いで、テクニカルエリアの中で指示を与えながら、選手達と一緒に喜怒哀楽をあらわにしていましたが、非常にチーム状態は良い感じですね。
■ ドイツの不振の理由 |
クロアチアが先制後、バラックが多少ポジションを前目にシフト。ボランチはフリンクスが一人で仕事をこなす厳しい状態(いい選手だわ)。前半1-0とクロアチアがリードしたまま試合は折り返すものの、ドイツに突破口は感じられず。
いくつか気になった問題点があり・・・
・ドイツ運動量がクロアチアに比べて少ない
・ドイツの左サイドが完全にクロアチアに制圧されているし、右サイドが効果的ではない
・バラックのコンディションが悪い様子
・クローゼが試合から消えている
後半になるとドイツは、オドンコールを右SHに投入して前半にクロアチアにやられていた左SBヤンセンを外す。前半右SHのフリッツが右SB下がり、ヤンセンがいた左SBにはラームが入る。しかし、状況は大きく変わらず。ドイツの要バラックも中盤で前後左右に右往左往する始末。基本的に最後のフィニッシュ・ワークの部分に手数を掛けれないドイツ。さらに、攻撃に厚みがないので単発で終わる状態。とにかく、クロアチアのハードワークが相手を上回っていた。前日本代表監督オシムが観戦していたら賞賛するであろう「走るわ、走る」
◆ ドイツ、運も味方に出来ず
そうこうしていたらクロアチアに追加点を奪いリードを広げる。
クロアチアが右サイドからクロスを放り込むのだが、ドイツDFの身体に辺りコースが変わる。それが不運なことにゴール方向へ飛び、クロスの対応に動き出していたレーマンが逆を取られる。しかし、レーマンも必死に喰らいつこうとするとそのボールがゴールポストに当たり事なきを得る・・・になれば良かったものの運も味方しないドイツ。ポストに当たったボールがゴール前につめていたオリッチが押し込み2-0とするクロアチア。
その後、シュバインシュタイガーを投入しゴメスをOUT。ポドルスキーを前線へ、シュバインシュタイガーが左SH。ドリブルで状況を打開しようと頑張るシュバインシュタイガー。さらに、左SBに回ったラームも前半とは打って変わって攻撃参加が増え効果が現れる。ドイツは、フリッツを外しクラニーを右SHに投入。オドンコールを右SBへ。ただ、クロアチアも時間の経過と共に選手交代をして守りを固めつつ逃げ切り体勢に入る。
◆ 一矢報いるものの・・・
後半34分 ドイツがラームからのクロスをクローゼが競り合い、こぼれ球をポドルスキーが決めて1点差とするものの最後までクロアチアハードワークと高いモチベーションの前に屈する。しまいには、ロスタイムにシュバインシュタイガーがレッドカード1発退場というおまけつき。
結局、クロアチアの前に内容的には最悪のドイツ。優勝候補の一つとして考えていたが、この第2戦を見る限り、クロアチアの勢いという部分を除いても優勝は無理と思われる。全体的に動きが良くなかったし、攻守共にどっちつかずな感は否めず。一方、クロアチアはビリッチ監督の熱いキャラと同様、選手達も素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた。
■ 98年の再現なるか!? |
10年前のフランスW杯で旋風を巻き起こしたように、このユーロ2008でも台風の目となりそうな予感。とりあえず、グループB通過は確定。あとは1位通過、2位通過でAグループ「ポルトガル、(チェコorトルコ)」どこになるか分からないが、少なくとも第3戦で大きく主力を外すということはしなそうな予感。(イエローカードの関係などでメンバー入れ替えは普通にありそうだけど)。
一方のドイツは、第3戦、開催国の一つオーストリアと対戦するが、ポーランドと引き分け勝ち点1を得たオーストリア。数字上は、「ドイツ、オーストリア、ポーランド」3チームに決勝T進出の可能性が残っている。もしかしたら、ドイツ敗退もなきにしもあらず・・・
最後まで読んで下さって、ありがとうございます。
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最後に、ゴールならなかったものの前半41分のクロアチアの素晴らしいカウンターをご覧いただきたいと思います。
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06ワールドカップのときは、そこまで強いとは感じませんでしたが…
クロアチアサッカーのこれからに期待ですね!
システムの合致を図って1対1の強さでボールを奪う→左サイドからクロスを入れて右サイドの選手が飛び込む→引いてカウンター
なんかヒディンクがやりたかったんだろう名ということをクロアチアがやってくれた気がします。
ヒディンクやオシムが巧いだけの選手を呼ばなかった理由もわかる気がしました。
元CSKAのオリッチが元気そうでよかったです。
こんばんは、はじめまして。
ドイツの時から2年しか経っていませんが、監督も変わり、何よりもチームが劇的に変化していること、そしてチームが素晴らしいことに驚きです。
こんばんは。
おっしゃる通りです。
オシムやヒディンクがやりそうな形でしたし、クロアチア代表をビリッチが(雰囲気なども含め)組織として上手くまとめている証拠でしょうね。
クロアチアはボールサイドに4-4-2ブロックを寄せていく守り方です。
ロシアは順番に一対一で奪って行く守り方で始めて、奪われたときのボールホルダーへのチェックとパスレシーバーへのマーク、カバーリングが特徴でした。
もう今後ロシアについてコメントすることはありません。
お邪魔しました。
ごきげんよう。
こんばんは。
「オランダvsロシア」勝ちましたね~!
実は、週末多忙だったので、「クロアチアvsトルコ」を見逃す始末・・・(>_<)なんとか「オランダvsロシア」は録画していましたが、まだ見ていません。
またいつでもお越しください(^-^)v