とくおかレディースクリニック~ブログ~

日々、徒然なるままに、書き込んで参ります。
どうか宜しくお付き合い下さい。

不妊症って何?

2010年03月06日 | Weblog
日本産科婦人科学会によりますと、
「 ”不妊症” とは、とくに避妊などをしていないのに、2年以上妊娠しない場合」をいいます。
*健康な男女が結婚した場合、1年以内に約80%、2年以内では約90%の御夫婦が妊娠しているとの結果が出ています。

現代では、赤ちゃんが欲しいのに恵まれないという人も多く、御夫婦の10組に1組が不妊症に悩んでいるという厳しい現実があります。
それはなぜ?というお話は、後々書かせて頂く事に致しましょう・・・。

また、不妊症の疑いがない健康な御夫婦(上記の*に当て嵌まる男女)であっても、妊娠する確率は20%程度といわれています。
となると、なかなか子宝が授からない御夫婦の場合の妊娠する確率というのは、、、、少なくとも20%以下、、、となります。

このように考えると、赤ちゃんの誕生は、意外に簡単ではないことがわかります。

最近では、子宝を希望しているにもかかわらず、授からない期間が1年以上という場合に、不妊症を疑って、医療側は真剣に取り組むという方向性も出てきております。
ご夫婦の年齢が35歳を過ぎている場合は、更に真剣に考えていかなくてはいけないといわれています。

「どこにも原因がないから簡単に出来るはずなんですけど」
「なかなか妊娠しないという事が解せないわけです」
とか、、、
結婚されて数年経たれている方・挙児希望なのに1年経っても授からないという方で、
「何も検査していないのに”不妊治療”なんかを受けなくてはいけないんですか?」
「検査もしていないのに”不妊症”だなんて判断して欲しくないんです」というご意見で、
病院やクリニック、主治医に対してすぐに不信感を抱いてしまう方々が増えているという話をよく聞きます。

特にご主人様(←奥様が不妊治療を受けようかという年代に差し掛かった)に多いそうで、
「簡単に出来るはずなのに、自然で出来るはずなのに、薬だとか注射だとか必要ないじゃん」
「通院回数も極力少なくして、薬も使わずに、自然で授かるようにしてくれよ」
「不妊治療って’眉唾もん’じゃない?」
「人工授精?なんだそりゃ??いいじゃん自然で」
と主張してしまう方が増えているとも聞きます。
それは、人間の生殖年齢というものに対して、全く無知でしかない・無責任でしかない発言ともなってしまいます。
ご主人様、どうか上記に関してのお勉強をされて下さい。

子宝ご希望でなければ、こちら側も余計なお節介などは致しません。
ですが、子宝ご希望で来院されて下さる訳ですから、
そのご希望に応えたい!
長く長く引っ張り込んでいこうとは思っておりませんから、出来れば半年以内!少なくとも1年以内には子宝という結果を手にして頂きたい!!
と真剣に考えるわけです。

男女共、35歳を過ぎると、どんなに健康体であっても、生殖能力は落ちていきます。
卵子という細胞は実年齢と共に歳をとっていく細胞であるので、女性の場合は更に真剣勝負という事になります。

その現実を把握されて「今」を一生懸命に頑張って子宝を望んでいらっしゃる方も沢山いらっしゃいます。
年齢因子というものがどれだけ辛いものかをよくお解りになった上で、
必死に、、、
その頑張りは、本当に健気であり、痛々しい思いまでする位の頑張りです。
こちら側も、望まれる結果を手にして頂きたいと真剣に思う毎日です、、、。
今出来る事を今しか出来ないと実感して、頑張っていらっしゃる方々を心から応援している日々ですので、
尚更強く思うのです・・・。

なぜ2年ないし1年経っても妊娠しなければ不妊症なのか・・・という定義を、
正しく理解してもらえるかどうか・・・で、治療へのモチベーションは大きく変わって参ります。

現実を理解したくない=否定していたいという、最初のつまづきは大変大きなものであり、
今後続けていく治療にマイナスに働く事が容易に想像出来ます。
そのような方は、3ヶ月くらいですぐに挫折されてしまいます。
そして1年後や2年後になって「やっぱり授からないから再スタートします」と来られます。
ですが、1年後や2年後の卵子は、その分老化してしまっているのだという現実を、あの時からご理解頂けていたのなら・・・と思うのです・・・。

実年齢と卵巣年齢=卵子の年齢・・・というものを、もっと啓蒙していかないといけないと感じます。

ーby事務長ー

コメント
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