とくおかレディースクリニック~ブログ~

日々、徒然なるままに、書き込んで参ります。
どうか宜しくお付き合い下さい。

1月のラボ便り

2019年01月07日 | ラボ便り


1月のラボ便り


皆様、こんにちは。

今月のラボ便りでは、「透明帯」についてご説明致します。

「透明帯」とは、卵子・受精卵を覆っている透明な薄い膜のことを言います。

「透明帯」の働きは、卵子の時・受精卵の時によって異なります。


《卵子の時》
卵子を覆っている時の透明帯は、正常な受精が出来るよう保護しています。
卵子には1つの精子が入り、受精が起こります。
ここで2つ以上の精子が入ってしまうと、異常な受精となってしまいます。
すると、受精卵の成長は止まってしまいます。
透明帯には、この異常な受精を防ぐ働きがあります。
1つの精子が卵子に入ると同時に、
透明帯はそれ以上精子が入ることの出来ぬよう、性質を変えます。


《受精卵の時》
卵子が正常な受精をし、成長を進めるにつれ、細胞数が増えていきます。
この時期の透明帯の働きは、分割した細胞がバラバラになってしまわないように保護することです。
受精卵の細胞同士は融合し、充分に育つまで、透明帯の中で過ごします。
その後、着床の時期を迎えると、
透明帯から中の細胞が脱出し、子宮の内膜に着床します。
透明帯には以上のような働きがあると共に、
年齢が上がると硬くなってしまう性質もあります。
透明帯が硬くなると、精子が透明帯を通過できなくなり、受精しづらくなります。
また、着床の時には、中の細胞が透明帯から脱出できなくなり、
着床を妨げてしまうことがあります。

体外受精・顕微受精では、
透明帯の硬い卵子であっても受精・着床をさせることが出来ます。
顕微受精を行えば、針で精子を注入するため、
透明帯が硬くても受精することができます。

また、透明帯に切れ込みをいれる(アシステッドハッチング)を行った受精卵を子宮へ移植しているため、
透明帯が硬くても透明帯から中の細胞が脱出しやくすなり、着床を促すことができます。

本年も、ラボスタッフ一同、患者さんが一日も早く妊娠して頂けるよう、
誠心誠意取り組んで参ります。

本年も宜しくお願い致します。


とくおかLCラボスタッフより

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12月のラボ便り その2

2018年12月08日 | ラボ便り


12月のラボ便り その2


昨日のラボ便りの続きを書かせて頂きます。

体外受精と顕微授精についてのお話です。


●体外受精
培養液の中に卵子と精子を一緒に入れ、受精させます。
しかし、精子の状態が悪い(数が少ない・運動性が悪い・奇形精子が多い)場合は、
精子が卵子を包んでいる細胞を溶かせずに卵子に近づけなかったり、
透明帯を通り抜ける事ができない為、受精が起こりません。
また、受精障害がある場合も受精が起こりません。
これは、「精子が自力で卵子に入って受精する」という流れは自然と同じの為、
自然妊娠の際も起こり得る事です。


●顕微授精
卵子の中に細い針を用いて1個の精子を入れ、受精を促す方法です。
1個の卵子に対して1個の精子があれば受精を目指すことが出来る為、
精子の数が極端に少ない方でも妊娠を考えていくことが出来ます。
精子が透明帯を自力で通り抜けなくても受精が可能な為、
年齢等の要因で透明帯が硬い卵子でも受精が可能です。
また、受精障害によって体外受精では受精しない場合にも、有効な方法です。


自然での受精卵と、体外受精・顕微授精での受精卵は、質の差はありません。

2つの方法に特徴がある為、
当院では、状況により、両方の受精方法を行う場合がございます。

一度の採卵手術で多くの良い受精卵が得られることを目指しております。

気になる点や、ご不明な点がございましたら、
いつでもスタッフまでお声がけ下さい。

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12月のラボ便り その1

2018年12月07日 | ラボ便り


12月のラボ便り その1


皆様、こんにちは。

12月になって、街のイルミネーションがきれいな時期になって参りました。


今月のラボ便りでは、「受精」についてお話しします。

受精は、女性の卵管膨大部で起こります。

卵巣から排卵された卵子は、
卵管先端の卵管采がキャッチし、卵管膨大部へ進みます。

一方精子は、膣から子宮頸管を通り、卵管膨大部まで泳いでいきます。

小さな精子にとって、膣から卵管膨大部まではとても長く厳しい道のりです。
多くの精子が卵子の元に辿り着くことが出来ません。

卵子の周りに到達した精子は、頭部から酵素を出し、
卵子を包んでいる細胞を溶かして卵子に近づきます。
そして、透明帯という卵子の殻をを通り抜けて中に入り、
受精が起こります。

排卵された卵子が卵管膨大部にキャッチされていなかったり、
卵子の周りまで精子が到達していない・到達した精子が少なかったりすると、
受精は起こりません。

この受精に至るまでの過程を手助けするのが、体外受精・顕微授精です。

次回は、体外受精・顕微授精について書かせて頂きますね。

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11月のラボ便り

2018年11月06日 | ラボ便り


11月のラボ便り


皆様、こんにちは。

だんだんと肌寒くなって参りましたね。
気温の変化で体調を崩さぬよう、しっかりと対策をして冬を迎える準備をして参りましょう!

今月のラボ便りでは、「精液の調整法」についてご説明致します。

人工授精や体外受精を行うにあたって、
ご提出して頂いた精液は精液調整を行なっています。
精液を培養液に混ぜて、遠心分離器にかけることで、調整します。


精液調整を行う目的には、以下の2つがあります。

①良好な運動精子を集める。
②受精を妨げる不要物を除去する。

精液を培養液に混ぜ、遠心分離器にかけることで、
運動性が高く良好な精子を容器の底に集めることが出来ます。

精液は細胞部分の精子細胞と液体部分の精漿から出来ています。
その液体部分の精漿が精子に与える影響は大きいと言われています。
精漿には精子を輸送する、精子を守る役割がある一方、精子の受精を妨げてしまう働きがあります。
精子に無駄なエネルギーを使わせないために運動性を抑制したり、
受精する能力を抑制・制御する働きがあります。

精液調整により精漿を取り除き、精子が卵子に受精しやすい環境を作ることが出来ます。
また、精液内に含まれる細菌や衣服の繊維などゴミ、白血球を取り除くことが出来ます。
白血球は活性酸素を産生し、精子のDNAを損傷し、精子の運動率を低下させてしまいます。
白血球が増加する原因は前立腺や精嚢などの炎症によります。
また、精液調整での遠心分離は精子にダメージを与えない範囲で処理を行なっています。
調整を行うことで、精子の生存性が低くなってしまうことはございません。

このようにして、精子に悪影響となる因子を取り除き、良好な精子を集め、
治療に使用することで、成績を向上させることが出来ます。


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9月のラボ便り

2018年09月04日 | ラボ便り


9月のラボ便り


皆様、こんにちは。

台風続きで、お天気も不安定な日が続いていますが、
気持ちは明るく参りましょう!

今回のラボ便りでは、顕微授精法について、お話致します。

現在一般的に行われている顕微授精法は「卵細胞質内精子注入法(ICSI)」といいます。
細い針を使って卵子の細胞質へ1つの精子を注入する方法です。

この方法が確立されるまでには、他にも様々な方法が行われて来ました。
1つが、透明帯開孔法といい、
卵子の細胞を覆っている透明帯という膜に少し切れ込みを入れてから、
精子を振りかけて培養する方法です。

そしてもう1つが、囲卵腔内精子注入法といい、
卵子の細胞と透明帯の間に精子を複数個注入し、受精を促す方法です。

この2つの方法がありましたが、
どちらの方法も受精率が低く、
受精卵となった時に、高い確率で、
精子が複数個卵子に入ってしまう多精子受精が起きてしまうというデメリットが多い方法でした。

現在行われている卵細胞質内精子注入法では、
卵子の細胞の中に1つの精子を注入するため、高い受精率が得られます。

受精率は約8〜9割に達します。

他の2つの方法と大きく異なる点は、卵子の細胞膜を細い針で刺している点です。
その点に、不安を感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが、心配ご無用です。
卵子の細胞膜には修復能力があるためです。
修復を助ける分子が放出され、膜同士が接着・融合し、修復へと向かいます。

顕微授精の適応となる症状には、主に以下の3つが挙げられます。

1.男性不妊(精子の数が少ない乏精子症や運動精子が少ない精子無力症など)
2.受精障害(精子が卵子の透明帯や細胞膜を通過できない。卵子の細胞質に入って行くことができない。)
3.抗精子抗体陽性(精子の動きを止めてしまう抗体を持っている。)

顕微授精によって、生まれてきたお子様に先天性の異常や、
奇形が発生してしまう頻度が増えることはございません。

当院では、少しでも多くの患者様に妊娠して頂けるよう、
安心・安全で、より効果的な顕微授精を行なっています。



とくおかLCラボスタッフより

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8月のラボ便り その2

2018年08月03日 | ラボ便り


8月のラボ便り その2


皆様、こんにちは。

昨日の続きを書かせて頂きますね。

老化から精子を守る為に、日常生活で気をつける事としては、
以下のようなことがあります。


*禁煙
煙草に含まれるニコチンやタールは体にとって異物である為、
排除しようとする際に大量の活性酸素が生成されます。
また、抗酸化物質であるビタミンCを破壊してしまいます。


*サプリメントの服用
抗酸化物質の含まれたサプリメントを服用することで、
老化した精子の数が減少したという報告があります。
抗酸化物質としては、ビタミンC、ビタミンEなどが挙げられます。


*禁欲期間を長くし過ぎない
精巣内で作られて貯蓄されている精子は、射精までの時間が長いと、
その分酸化ストレスに晒される時間が長くなります。


*食生活の改善
カロリーの取り過ぎは、体内の酸化ストレスを増加させます。
脂質や糖質を減らし、
逆に抗酸化物質の入っている野菜や果物を積極的に取れると理想的です。
抗酸化物質が含まれている野菜は、
かぼちゃ・ブロッコリー・ほうれん草、果物はマンゴー・アボガドなどがあります。
また、アーモンドや落花生等のナッツ類も、抗酸化物質が含まれています。


日常生活で出来ることから気をつけていき、
良い精子を増やして妊娠につながるようにしていきましょう!





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8月のラボ便り その1

2018年08月02日 | ラボ便り


8月のラボ便り その1


皆様、こんにちは。

8月スタート致しましたね。
夏真っ盛りですね!


今回のラボ便りでは、「精子の老化」についてお話します。

精子の頭部には、DNAが入っています。
DNAは、遺伝子と呼ばれる身体の情報が入った大切なものです。

精子のDNAがダメージを受けると、
受精が正常に起こらなかったり、
受精した後に胚の成長が停止する原因となります。

そのような精子の割合が高くなると、妊娠率が下がり、
また、流産率が高くなるという報告もあります。

DNAがダメージを受けた精子は、
見た目や運動性だけで分かるわけではありません。
精液検査にて精子濃度や運動率、奇形率に問題が無かったとしても、
DNAがダメージを受けた精子の割合が高い場合もあります。

日常生活において精子のDNAにダメージを与える原因には、
主に酸化ストレスが挙げられます。

酸化ストレスを受けることは、いわゆる老化といわれています。

(※酸化ストレスについては、6月の診療部便りで詳しくご紹介しておりますので、是非お読み下さい。)

精子は数ある細胞の中でも、酸化ストレスを受けやすい細胞=老化しやすい細胞です。
精子の細胞膜(精子自体を包んでいる膜)は、酸化ストレスの影響を受けやすい物質で出来ています。
また、精子は細胞そのものが小さく、含まれている抗酸化物質(酸化ストレスを軽減する物質)が少ないのです。

そこで、老化から精子を守る為に、
日常生活で気をつける事としては、次回に書かせて頂きますね。

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7月のラボ便り

2018年07月08日 | ラボ便り


7月のラボ便り


皆様、こんにちは。

7月に入り、蒸し暑い雨続きとなりそうですね。

水分補給をしっかりと行い、どうか熱中症などにお気を付けて、お過ごしください。

今回のラボ便りでは、「体外受精の歴史」について、ご説明致します。

世界で初めてヒトの体外受精に成功してから、今年2018年7月25日でちょうど40年を迎えます。
この世界初の体外受精は、
イギリスのロバート・エドワーズ教授とパトリック・ステップトー医師により成されました。

卵管に異常がある為に、自然妊娠に至らなかった女性に体外受精を行ったのが始まりです。
この時(1978年7月25日)に誕生した女の子が、今年40歳になられるルイーズ・ブラウンさんです。

ルイーズさんの誕生はその後の不妊治療の大きな希望となりました。
ルイーズさんは2002年にご結婚され、2006年に自然妊娠で元気な男の子をご出産されております。
「体外受精で生まれた女性が将来、健康な子供を産むことが出来る」という証明になりました。

2010年にロバート・エドワーズ教授は生理学・医学賞を受賞されています。
(1988年にパトリック医師は死去されました。)

現在、ルイーズさんはご自身の経験を元に、
体外受精についての講演を、世界各国で行なっておられます。
今年の5月には来日され、六本木ヒルズでも講演されていました。

そこでルイーズさんは
「父も母も、ただ赤ちゃんが欲しかっただけ。世界を変えようなんて考えていなかった。
私から始まった体外受精が、今や世界で1000万人近いとも言われる子供の誕生をもたらしているのは素晴らしい。
自分の健康に不安を抱いたことはないし、子供を産めることも示せた。
私の存在が不妊に悩むカップルの希望になるはずだ。」
と語ったそうです。

この、勇気ある始まりがなければ、今のような技術の進歩はなかったと思います。

改めて、体外受精という技術の先駆者達に敬意を持って、日々の治療に取り組みたいと感じます。
一人でも多くの不妊に悩む方が妊娠できるよう、より一層精進して参りたいと思います。


とくおかLCラボスタッフより

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4月のラボ便り その3

2018年04月18日 | ラボ便り


4月のラボ便り その3


皆様、こんにちは。

今回は3回に分けて、無精子症について書かせて頂いております。

本日は、無精子症について3回目の投稿となります。

自分が無精子症なのかどうか、普段の生活では全く気付く事は出来ません。

それを調べるにはどうしたら良いか?

調べる方法としては、
まずは「精液検査」です。
そこで精液中に精子が確認出来なかった場合、
数回再検査を行います。

また、並行して、
ホルモン検査や、睾丸(精子を産生している精巣)の診察を行います。

複数の検査を行った結果を総合的にみて、
閉塞性無精子症か非閉塞性無精子症かの診断をし、
その方の状態に合った治療方針を決めていきます。

無精子症の方は、
日本人男性の100人に1人の割合でいらっしゃるといわれています。

また、無精子症ではなくとも、
精子の数が少ない乏精子症や、
運動性が悪い精子無力症などを含めると、
「10人に1人は精子に問題がある」といえます。

まだ精液検査を一度も受けられていない、という方は、
早めに受けられることをおすすめします。


とくおかLCラボスタッフより


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4月のラボ便り その2

2018年04月17日 | ラボ便り


4月のラボ便り その2


皆様、こんにちは。

昨日に引き続き、無精子症について書かせて頂きます。

本日は、無精子症の原因について~です。

原因としては、
それぞれ以下が挙げられます。

●閉塞性無精子症
・精管の閉塞
 (幼少期のヘルニア手術後、
 パイプカット手術後、
 先天性の精管形成不全など)
・精巣上体での閉塞
 (精巣上体炎など)
・射精管での閉塞
 (炎症や外傷など)

●非閉塞性無精子症
・先天的なもの
 (染色体異常や遺伝子異常または原因不明のもの)
・後天的なもの 
 (抗癌剤治療や放射線治療、ムンプス精巣炎、
 おたふく風邪感染後の精巣炎)

無精子症かどうか、というのはご自身では分かりません。

射精によって精液が出ていれば精子も必ず出ている、
というわけではないのです。

次回はその検査について書かせて頂きますね。


とくおかLCラボスタッフより


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