とくおかレディースクリニック~ブログ~

日々、徒然なるままに、書き込んで参ります。
どうか宜しくお付き合い下さい。

9月のラボ便り

2024年09月07日 | Weblog
9月ラボ便り

皆様、こんにちは。
暦上は夏が終わり、秋が始まりましたね。
台風が多い時期になりますので、
皆様お出かけの際にはお気をつけ下さい。

今回のラボ便りは、「PFC-FD療法」についてお話しします。

PFC-FDとは、血液中の血小板由来因子を濃縮し凍結乾燥したものです。

血小板には新しい組織や細胞の成長を促す栄養素が豊富に含まれており、
これらを卵巣や子宮に投与することで、
卵巣機能や着床不全が改善される可能性があります。

◯卵巣注入
採卵手術と同じように、細い針を用いてPFC-FDを卵巣に注入します。
PFC-FDには卵胞の発育を促進する成長因子などが含まれており、
初期の卵胞発育や、卵胞周囲の血管新生を促進させる可能性があります。
その結果、PFC-FD注入後から数ヶ月後に採卵手術を行うと、
得られる卵子の数が増える、卵子の質が向上する効果が期待されています。

◯子宮内注入
胚移植と同じように、カテーテルを用いてPFC-FDを子宮内腔に注入します。
PFC-FD内の成長因子が、
子宮内膜組織の増殖や、血管新生を促進させる可能性があります。
また、子宮内免疫環境の改善効果により、
慢性子宮内膜炎の治療としても有効性があるという報告もあります。

胚移植周期に子宮内へと注入することで、子宮内膜が厚くなりにくい方や、
グレードの良い胚を複数回移植しても着床しない方(反復着床不全)の着床率が向上する効果が期待されています。

PFC-FDを作成する際は、通常と同じように患者さんの腕から採血します。

その血液を専門施設へ送り、
成長因子だけを取り出してフリーズドライ加工します。
患者さんご本人の血液を用いる為、
アレルギー等の副作用の危険性がありません。

PFC-FDは再生医療の一種で、
元々は整形外科領域で難治性の関節や筋腱の疾患・損傷に対する治療などで用いられいました。

近年、不妊治療領域で使われ始め、
リスクが少なく卵巣機能や子宮内環境を改善する効果があるということで注目されています。

当院でも実施しておりますので、
ご興味をお持ちの方はスタッフまでご相談下さい。





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