とくおかレディースクリニック~ブログ~

日々、徒然なるままに、書き込んで参ります。
どうか宜しくお付き合い下さい。

AIDについて考える

2010年03月11日 | Weblog
AIDというのは、ご夫婦以外の第三者の精子を使った非配偶者間人工授精の事をいいます。

これは一部の医療機関で行われております。
顕微授精というものがポピュラーになってきている現代におきましては、
AIDを選択するよりもご夫婦間での顕微授精にトライされるご夫婦がかなり多くなってきております。
それでも、AIDを選択せざるを得ない方々もいらっしゃいます。

不妊という領域は、大変複雑で、本当に辛い選択がいろいろあり、それを乗り越えていく強さや厳しさが必要で、、、
結果が是でも非でも、一生引きずるものがある分野なのだと実感します。

AIDは、1948年に初めて実施されました。
法的な規制はなく、日本産科婦人科学会は、
「夫婦にほかの不妊治療法がない場合、同意を得た上で、匿名の精子を使って実施可能」との見解を出しています。
同学会によりますと、AIDで年間100~200人程度が生まれているとの事です。

ここにきて、「第三者の関わる生殖技術について考える会」が発足される事となりました。
メンバーは、長沖暁子さん(慶應大学経済学部准教授)をはじめとされた約15名の方々だそうです。
長沖暁子慶應大学准教授は、
「AIDは、社会的議論もないまま事実先行で進んできました。これまでの技術の問題を振り返り、
改めて社会全体で考えるきっかけにしたいと考えます」と話されています。
夫婦以外の精子や卵子を用いる第三者間の生殖技術について、
「子供が出自を知る制度がないまま行われるのは反対」として、AIDで生まれた人や大学教授らが考える機会をもとうとされているとの事です。
おそらく・・・ここでの論点は、
AIDというものは何が何でもいけないという点ではなく、
子供が出自を知る制度がないまま実践され続けているという点にある事なのだと存じます。

厚生労働省内で記者会見したAIDで生まれた女性は「提供者を知ることが出来ないなど・・・
自分の中の空白を埋められないまま生きているのです」と話されていました。
同じくAIDで生まれたという別の女性も、匿名の第三者からの精子提供について、
「生まれた子供、親、精子提供者のほか周囲の人たちも様々な問題を抱えています。今後のAIDの是非を問いたいです」と訴えられました。

これにつきまして、安易に感想や意見を述べる事は控えたいと思います。
大変奥深い問題です・・・数え切れない位の個々の思いや感情がある事と存じます。
この機会に、皆様も、ひとつの考える機会として、ご自分のお気持ちの中でお考えになられてみて下さいませ。

子供というものは、自分達を幸せにしてくれるもの=親の為のものではありません。
まずは、ご自分自身が幸せを噛み締められる人生を設計し、
ご夫婦御二人が幸せである事を噛み締められる人生を設計し、
そこにプラスアルファをいう思いでおられる方が気持ちが楽になります。

お子様を持たず、とても幸せに・・・最高に幸せに生きておられるご夫婦を沢山存じ上げておりますので、
そのような生き方もとても素敵であり素晴らしいものだと実感しております。

「選択の自由」・・・まさにその言葉通りなのだと存じます。

ーby事務長ー

 


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