とくおかレディースクリニック~ブログ~

日々、徒然なるままに、書き込んで参ります。
どうか宜しくお付き合い下さい。

「見えない喪失」

2010年03月04日 | Weblog
本日も、
不妊カウンセラー・体外受精コーディネーター養成講座 講演集 より一部抜粋させて頂き、その抜粋に私の意見を混ぜ込んで書かせて頂きます。


愛する者との別離や死別、慣れ親しんだ住まいや職場との別れ、事故や疾患による身体の一部や機能の喪失など、人生のなかで私達は愛着の対象を失う事態に遭遇します。

精神分析学ではそれらを「対象喪失」というそうです。

周産期医療にかかわる「対象喪失」には、流産、死産、誕生後の突然死などがあります。

不妊状態にも、それらとの共通部分=「対象喪失」があるといえます。
妊娠を期待しては失望する体験を繰り返しているのが不妊状態です。
それが長期に渡って反復されると、死別の際と共通した心理状態と行動(=悲哀)がみられるようになるそうです。
それらは、内的世界における「見えない消失」であり、イメージ上の子供の喪失であるために、例え心の危機に晒されていても、悲哀反応であるとは本人でさえも自覚しにくいものであるといえます。

抑うつ状態にならないためには、まず周囲の理解と協力が必要だといわれております。
また心の休養も必要だといわれております。

それらに加えて、
心から共感してくれるサポーターが何より必要だと思います。
それが配偶者であるというのも然り、、、
同じ思いを経験している人達であるというのも然り、、、
そしてお通いの医療スタッフであるというのも然り、、、
、、、です。
辛くなられましたら、いつでもお声掛け下さい。
スタッフがしっかりとサポートさせて頂きます。
カウンセリングご希望がございましたら、いつでも仰って下さい。


追伸ー女性の高学歴や高キャリア、そして一般的にも晩婚が当たり前となっている現代・・・
   ”子供手当て”もそうですが、
   子供がいることを前提として成り立っているような社会と冠婚葬祭等の慣習、、、
   10人に1人いるといわれている不妊治療を受けている方々を苦しめる原因のひとつです。
   その辺の慣習も、ほんの少し考え直さないといけないのではないかとも思います。
   これからの日本も、まさに高齢化社会が続くわけなのですから、
   子供がいる人も子供がいない人も皆が同じでいられるように、
   老後の不安のないより良き福祉国家体制に力を注いで頂ければ、無駄な不安もなくなりますよね。
  

ーby事務長ー

コメント
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