夢への道筋

青臭いけど、人が夢の実現のために発揮できる力って無限。夢を実現するための方法論について徒然なるままに。

アジア戦略

2006-01-03 13:58:40 | 書評
この本も5年前に買って、実家に眠っていた本です。
当時、うちの会社の理念になっている「アジア」について歴史的かつ大局的な理解を深めたくて買った覚えがあります。



アジアって言葉が指し示す対象が何なのか、誰が何のために使い始めた言葉なのか、実は十分に理解できていないことに気付きました。

本書は、地理的に歴史的に捉える1つの参考になりました。

シンガポールを中核としたラッフルズのアジア制覇の戦略構想から始まり、第二次世界大戦後にアメリカのプレゼンスが圧倒的となる流れの中で、どういう力学で何が起きたのかを大局的に書いてあります。こうしたアジアの流れに興味を持ち、理解するきっかけになりそうです。

ポルトガル・スペイン・オランダというイギリス以前の欧州列強による前近代的植民地支配、ラッフルズをはじめとするイギリスによる近代的かつ合理的な自由貿易&文明開化による海の帝国形成、大日本帝国による大陸進出・南進戦略とその崩壊、アメリカそして東西冷戦によるアジア戦略、そして、戦後の日本のアジアで果たした役割、これからの役割が書かれています。

商業主義的「海の帝国」、農本主義的「陸の帝国」という二つの力学があるというのは面白かったです。

まあしかし、相当に古くからアジアビジネスというのは中国という大市場を中心においた戦略で組み立てられてきたんだなあということを改めて感じました。

僕自身のアジア戦略にもいくつか参考になりました。