それでは、実際にレビューしてみよう。届いた箱から出すと黒いギターケースが。ボディ材はアッシュなのだがメキシコ製テレキャスと比較して「軽い!」というのが第一印象。バタースコッチブロンドではあるが完全に木目が見える色合い。そして、さすが光栄堂選抜の一本、ケースから出してすぐに弾けるよう調整されており、茨木店長氏が言う「生きた振動系の存在感」は生音でもきれいに音が響く。さらにアンプに繋げて弾くと、これがエレキギターには完全に素人の私でも感じることのできる良い音なのだ。新開発のV-Modピックアップは全くノイズが発生しない。弾いていて気持ちが良いというのはまさにこのことだろう。ちなみに他のギターもアンプに繋げて弾いてみると、その場にいた息子が、音が全然違う!と驚いていた。これがFender USA+光栄堂厳選の底力なのだろう。
音的には大満足のギターだが、辛口を少々。まずはヘッドロゴの変更が残念。表面にCAと入れるのならばUSAの文字を入れて欲しかった。単に日本人としての希望に過ぎないが。もう一点、ナロートールのフレットが意外と弾きにくい。スライドして弾くと指とぶつかる感じがして違和感がある。前述のGuitar magazine誌では、「スムーズな運指を実現する」「ハイポジションでの和音などでもより正確なピッチを実現する」等と説明されているので、それなりに理由があってのことだろうが、私としては慣れるまでに時間がかかりそうだ。
この期に及んで高額な買い物をしてしまった私。しかし、こちらのギターには2年にわたる輸入元の正規保証と光栄堂楽器さんの無料調整が付いているので安心感が強い。かつてリッケンの新品620は色や形の美しさからほとんど観賞用になってしまったが、このテレキャス、2年保証を大いに活用し元を取るために、そして何よりも脳の活性化のために、一生懸命練習しようではないか。
<追記>
ナロートールのフレットについては慣れるにつれて問題を感じなくなった。逆に、強く押したり弱く押すことで左手だけでのビブラートが可能であることを知った(笑)。それにしても、このギターはどこのポジションを押さえても良い音が返ってくることを日ごとに再認識。まさにセレクテッド・バイ・光栄堂である!