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ヤマハのパシフィカはどんなギターなのか(その3)611VFM

2020年12月14日 | ギター

 杢目が美しいフレイムメイプルがトップを覆うこのギター。色はキャラメル・ブラウン。下位モデルには存在するがこのモデルでこの色は国内販売されていない。イシバシ楽器さんが海外仕様を独自に販売したものとのことだが、ヘッド裏に貼られているシールにはロシア文字が見られる。もしかしたらロシアからの逆輸入だろうか?そのヘッドの表面もフレイムメイプルが採用され、ブラウンにシルバーのロゴが映える。

     

 およそ1年前にヤマハ・パシフィカはどんなギターなのかを検証するための記事を本ブログに載せた(こちら)。エントリーモデルの112は結局良いギターだと結論づけた。その最後に、さらにピックアップ違いのパシフィカもぜひ弾いてみたいと書いたのだが、2020年の終わりを迎えるにあたりそれを強引に実現させてしまった。もし112をあれほど気に入らなかったらこうはならなかっただろう。

 雑誌ギターマガジン8月号にCasinoギターと併せて特集されていたのがP-90ピックアップである。私はこれを見るまでシングルコイルとハムバッカー意外のピックアップがあることを知らなかった。外観をしっかり見ると確かに違う。かつていくつかのP-90搭載ギターの写真を見ても全く気がついていなかった。Casinoギターなど、まさに典型的なP-90ギターではないか。ジョンやジョージも使っていたのだ。というわけで、俄然このピックアップに興味を持った訳だが、何とパシフィカの上位機種である611に搭載されていることを知った。加えてこのキャラメル・ブラウンの色合い。惹きつける何かがあった。112を手放し資金を得て、今まで貯めた各種ポイントを合わせ何とか購入原資を見繕った。こうして届いたPacifica 611VFMについて、続編として報告する。

 最初に、プラスポイントを。このモデルに搭載されているロッキンチューナーはやはり弦交換が楽だった。YAMAHAのホームページに具体的な交換手順が説明されており、それに従っていくつかの要点を飲み込めば、本当に簡単に弦交換ができてしまった。

     

 比較的細いネックと弾き易さは112で感じたのと変わらず、グッドである。各フレットのピッチも狂わない。アーミングでもチューニングの狂いがほとんどないのはさすがだ。

 さて2つの性格の異なるピックアップを有する本ギターの音色はどうか。まずネック側ソープボックス・タイプのSP-90はシングルコイルとのことだが思ったより音が柔らかく太い。甘くて暖かいサウンドと言われるのはこういうことか。ジャズ風なコードさばきにも合いそうである。ハムバッカーであるブリッジ側のCustom5の方が音がシャープで、歪みにより響きの良いクランチサウンドを作れる。そして、コイルタップするとこれは完全にテレキャスターだ。トーンを固めにするとなおさらそう聞こえる。これだけでも使えるサウンドだが、センターでのSP-90とのミックスがなんとも言えない味のある音となる。

     
     (SP-90ピックアップ)

 購入者達のレビューではセイモア・ダンカン製のSP90-1の音を絶賛している声は多い。だが、Custom5との組み合わせで色々な音作りが可能となるのが楽しいギターだと思う。サウンド的にはとても気に入った次第である。(続く)



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