ヒロヒコの "My Treasure Box"

宅録、DAW、ギター、プログレ、ビートルズ、映画音楽など趣味の四方山話

アンソニー・フィリップス/ギース・アンド・ザ・ゴースト(2CD+DVD) THE GEESE AND THE GHOST (DEFINITIVE EDITION)

2018年06月03日 | プログレ
     
 HOCUS POCUS BOX とほぼ同時に購入したのがこちらの3枚組ボックス・セット。ジェネシスの初代ギタリスト、アンソニー・フィリップスが77年に発表したファースト・ソロアルバムである。5.1サラウンドDVDを含むこの3枚組は随分前に発売されていたが、高価だったため買うのを躊躇していた。最近価格が下がり、また貯まったポイントを使うことでようやく手に入れた。

 レコードの方は学生時代に買っていた。店頭で見つけて、この叙情的で牧歌的な、かつ幻想的なジャケットに魅了されてしまった。米国盤のカット版(ジャケットの一部が切り取られているため少し安価で売られている)ではあったが躊躇なく購入。そして針を落とすと、まさにジャケットどおりのサウンド、楽曲が流れてきて感動したのを覚えている。2曲目のフィル・コリンズが歌う Which Way the Wind Blows の美しさ、想像力をかき立てる組曲の構成、マイク・ラザフォードとの12弦ギター・サウンド。もう言うことなし、であった。フルートやオーボエなどの楽器を効果的に導入していることや、特に12弦ギターに関しては、その後の自分の音楽作りにも大きな影響を受けた。
     
 サラウンド・ミックスについては、例えばフィルのヴォーカルが頭の上から聞こえてくるような立体サウンドを巧みに作り上げている感じだ。全体的に中々楽しめた。CD2はデモヴァージョン、ベーシック・トラックが網羅されている。例えば Which Way the Wind Blows はカラオケのように聞くこともできるだろうが、2本のギターのローポジションとハイポジションの音の置き方をしっかり聞くことができる。最後の方には、73年録音で未リリースの Silver Song、Only Your Love という2曲が収録されている。前者はジェネシスの前ドラマーであるジョン・シルバーがバンドを去る時の惜別の歌で、後者はシングルのB面用に共にマイク・ラザフォードとフィル・コリンズとの3人で録音されている。ポップで軽快な良曲だが、考えてみればジェネシスにフィルが加入した時にはアンソニーは脱退していたから、ジェネシスとしてこのメンバーが揃うことはなかった。そう考えると面白く聴くことができた。

 この後数多くの作品を発表したアンソニーであるが、私は続く2枚目と3枚目をLPで購入したのみ。3枚目の SIDES はかなりポップなサウンドになっていったのでこの1枚目はなおさら印象深いアルバムだ。その後の作品にも良作がたくさんあるという。機会があればぜひ聴いてみたい。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。