休日の昼、私の携帯が鳴りました。
といっても携帯は常にマナーモード、音は出ず振動のみなので
平和を切り裂くような電話のベルのような緊張感はなく、
その様はとても地味です。
私はちょうど腹痛で、トイレに軽く篭っていたので
電話には出られませんでした。
残された着歴と簡易留守録によると、相手は弟で
とにかく電話くれとの事でした。
なんだか嫌な電話だなあ、と思いつつもすぐにかけ直すと
その知らせを聞かされたのです。
「お母さんが乳癌で、11日に入院して手術するから-」
あ、病院行ったんだ。
最初に思ったのはそんな事でした。
なんだかしこりがある、というのはかねてから聞いていたのです。
それは私が乳癌で、退院したくらいで
その時には既にかなり大きいと言っていました。
母は気が強いのに肝っ玉の小さい女で
病院に行けと勧めても怖いらしく「自分の体なんて好きにさせてくれ」
とか、
「病院なら毎日行ってる」(病院勤め)などと言い放ち
なかなか行く気にはなってくれませんでした。
どうも勤め先の病院の先生が、無理矢理に検査をしてくださったようです。
半日の検査のあと、入院と手術が決定したそうです。
そういう連絡を受けたのは、検査の翌日、
私の誕生日の翌日でもありました。
奇しくも、母は娘の誕生日にそんな検査を受け
宣告を受けていたのです。
つづく。
といっても携帯は常にマナーモード、音は出ず振動のみなので
平和を切り裂くような電話のベルのような緊張感はなく、
その様はとても地味です。
私はちょうど腹痛で、トイレに軽く篭っていたので
電話には出られませんでした。
残された着歴と簡易留守録によると、相手は弟で
とにかく電話くれとの事でした。
なんだか嫌な電話だなあ、と思いつつもすぐにかけ直すと
その知らせを聞かされたのです。
「お母さんが乳癌で、11日に入院して手術するから-」
あ、病院行ったんだ。
最初に思ったのはそんな事でした。
なんだかしこりがある、というのはかねてから聞いていたのです。
それは私が乳癌で、退院したくらいで
その時には既にかなり大きいと言っていました。
母は気が強いのに肝っ玉の小さい女で
病院に行けと勧めても怖いらしく「自分の体なんて好きにさせてくれ」
とか、
「病院なら毎日行ってる」(病院勤め)などと言い放ち
なかなか行く気にはなってくれませんでした。
どうも勤め先の病院の先生が、無理矢理に検査をしてくださったようです。
半日の検査のあと、入院と手術が決定したそうです。
そういう連絡を受けたのは、検査の翌日、
私の誕生日の翌日でもありました。
奇しくも、母は娘の誕生日にそんな検査を受け
宣告を受けていたのです。
つづく。