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家賃90万円のマンションに暮らす 安愚楽牧場の元社長

2014-06-11 00:00:25 | 企業の不法行為

 戦後最大級となる総額約4200億円もの消費者被害を出した、『安息楽牧場』事件。高利回りの和牛オーナー制度を謳った『安息楽牧場』 が破綻したのは2011年8月。全国7万3000人から約4200億円を集めたものの、もとより自転車操業だったことに加え、福島第一原発事故が資金繰り悪化の致命傷となった。

「当初、大型詐欺事件に発展すると見られていたが、結局、警視庁は昨年6月、三ケ尻元社長ら3人を特定商品預託法違反で逮捕し、幕引きを図った
 元社長の三ケ尻久美子被告(69)は一審で懲役2年用カ月の実刑判決を受け、現在控訴中である。

 「安息楽牧場」の三ケ尻元社長は,いま皇居にほど近い閑静な住宅街に建つ、超高級マンションの最上階部分の7、8階を占めるメゾネットタイプの部屋で暮らしている。それが発覚したのは、5月26日に東京高裁で開かれた控訴審第2回公判でのことであった。

 検事が、元社長の三ケ尻久美子被告の現在住んでいる部屋の広さや家賃なども問い質した。元社長は、“部屋数は5部屋くらい。息子家族と5人で生活している。家賃は月90万円くらいと聞いているけれど、息子の会社がなぜ便宜を図ってくれるのかはわからない″と答えた。ちなみに部屋の広さは288平方㍍、付近の家賃相場では130万前後だという。

 警察庁担当記者によると,安息楽牧場のレストラン経営などを手掛けていた関連会社の社長は、それとはまったく別に,傘下に飲食店やクラブ、IT企業を収める企業グループのトップも務めていた。元社長の息子は、そのうちの一社で働いているという。それにしても家賃90万の社宅を提供されるという待遇は尋常ではない。

 『安息楽牧場』事件は,詐欺に問われなかったため、捜査の手は資金の流れの解明まで及ばなかった。隠し資産の疑念は拭えないのである。

 現状、被害者が手にすることのできた弁済額はわずかに5%。このまま泣き寝入りで一件落着となるのであろうか……。


                                               出典:「週刊新潮」 2014年6月12日号 p42~p43

 
「安愚楽牧場」
  安愚楽(あぐら)牧場 1981年12月に有限会社安愚楽共済牧場として設立。繁殖牛の権利を出資者と売買し、生まれた子牛の売却益を還元する「和牛オー ナー制度」を始めた。90年代に詐欺容疑などで相次いで摘発された和牛商法業者の最古参で、17社程度あった業者の中で唯一生き残っていた。破綻した 2011年8月までに集めた出資金は全国約7万人から約4200億円に上る。同社資料によると、牛肉料理を楽しむ庶民の姿を描いた小説「安愚楽鍋」が会社 名の由来。

>>>詐欺容疑に関しては不起訴 
 安愚楽牧場をめぐる事件で、詐欺容疑で告訴された元社長三ケ尻久美子被告(69),元専務大石勝也被告(74)=特定商品預託法違反罪で公判中=ら3人について、東京地検は10月11日、嫌疑不十分で不起訴処分とした。
 このうち元専務の増渕進(59)被告については、同法違反容疑も処分保留となっていたが、同じく不起訴とした。

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 ▼「安愚楽牧場」 ブログ

 ・安愚楽牧場事件で元社長,元専務に実刑 =「責任重い」―東京地裁

 ・安愚楽牧場の投資被害事件  「9/24 初公判」

 ・安愚楽牧場事件捜査終結へ 警視庁と栃木県警の合同捜査本部が詐欺での立件断念へ

 ・安愚楽牧場元社長ら3人逮捕  <特定商品預託法違反の疑い>

  ・どうする海江田氏-全国安愚楽牧場被害対策弁護団 -経済評論家時代に出資を推奨とし提訴を視野へ

 ・安愚楽牧場関連・もう一つの破たん-宮崎県小林市のコスモス牧場が休園

 ・安愚楽問題で国賠訴訟検討 弁護団「行政の失態-被害拡大の一因」  

  ・安愚楽牧場のその後 -詐欺被害はなぜ繰り返されるのか-2

 ・安愚楽牧場のその後 - 「詐欺被害はなぜ繰り返されるのか-1」

  ・愚楽牧場の二次被害トラブルが急増  

 ・安愚楽牧場のその後 -栃木の子会社破産 / 鹿児島の会社(カミチク)が一部継承 

 ・安愚楽牧場の破産手続き開始を決定 -東京地裁 ) 

 ・安愚楽牧場が破産へ=民事再生手続き廃止―東京地裁 

週刊新潮 2014年 6/12号 [雑誌]

 

和牛詐欺 人を騙す犯罪はなぜなくならないのか
被 害額4300億円、被害者7万人と、戦後最大規模の消費 者被害事件となった安愚楽牧場事件。1990年代、そして2000年代後半に起こった「ふるさと牧場事件」など、怪しい和牛預託商法が行われ、そして摘発 されてきた歴史があるにもかかわらず、悲劇はまたもや繰り返されたのはなぜなのか?
  自他共に「詐欺専門記者」と認める共同通信社記者が、徹底取材で分析した「詐欺犯罪はなぜなくならないのか」
講談社

 

 


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