いつもは、タイトルは作品が書き上がってから決めるのが
常である私なのですが、これは、そのタイトルが気に入って
先にタイトルだけ決まっていた未完成作品(?・・・作品と言
えるのかどうか・・・^^;)に、中身を書いて行きたいと思い、
今回の掲載作品にしよう・・・と、決めさせて頂きました(^-^)
なんとなくの構想は、このタイトルを考えた頃に決まっていた
ものを使用していますが、人物達の細かな設定や背景・・・
言葉使いなどは、今、新たに考えながら書き進めていくもの
であります♪
それではまた、ご覧下さい♥
どら。
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〈 主な登場人物 〉
ザック・ハミエル ・・・ 本編の主人公。お金持ちの息子。
モア ・・・ お祖母さんと2人暮らしの少女。
エレナ ・・・ ザックの母親。
アナベラ ・・・ ザックの姉。
パン屋の主人
お祖母さん ・・・ モアの祖母。
その他。
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――――― 第 1 場 ―――――
音楽流れ、幕が上がる。と、公園(絵紗前。)
の風景。
中央に一つのベンチ。
下手より、コートに帽子を被ったザック、
ゆっくり登場。
ザック「ふぁあ・・・(伸びをする。)・・・流石に2日続きの夜勤明け
はキツイなぁ・・・だけど、不思議だ・・・」
ザック、歌う。
“この心地良い筈の疲労感・・・
今日も誰かの役に立てただろうか
それともそれは単なる驕りだろうか・・・
自己満足かも知れないなら
そんな無意味なことはない・・・
そんな風にふと感じ
心地良い疲れが
肩に重く伸し掛る・・・”
ザック、ベンチへ腰を下ろし、帽子を顔に
乗せ、眠ったよう。
一時置いて、どこからか声が聞こえる。
声「泥棒ーっ!!誰が、その子どもを捕まえてくれーっ!!」
そこへ上手より、一人の汚れた身形の
子ども(モア。)後ろを気にしながら走り
登場。
モア「へへーんだ!!誰が捕まるもんか!!いーっ!!(舌を
出す。)」
モア、ザックの前を通り過ぎようとした時、
寝ている様子のザック、足を差し出す。
モア、その足に引っ掛かって転ぶ。
モア「わあっ!!何すんだよ、おっさん!!いってぇ・・・!!」
声「どこに行った!?どこだーっ!!」
モア「(上手方を見て。)やっべぇ・・・!!(慌てて立ち上がり、
下手方へ行こうとする。)」
ザック「(モアの腕を掴む。)」
モア「わ・・・!!離せよっ!!何すんだよ!!」
ザック「(ベンチの後ろを指差す。)」
モア「・・・え?」
ザック「(顎でベンチの後ろへ行くように指し示す。)」
声「どこ行った!?こっちか!?」
モア「あ・・・(その声に慌ててザックに指示された通り、ベンチの
後ろへ身を隠す。)」
ザック、再び帽子を顔に乗せ、眠ったように。
そこへ上手より2人の商売人風の男、息を
切らせながら走り登場。
男1「待てーっ!!(回りを見回して。)どこ行ったんだ!!」
男2「全く、逃げ足の早い餓鬼だぜ!!(回りを見回す。)」
男1「(下手方を見て。)あっちの方も捜してみようぜ!!」
男1「ああ!!」
2人の男、下手へ走り去る。
ザック「(帽子を取り、下手を見る。男達が走り去ったのを見計ら
って、ベンチの背をノックする。)おい・・・もう出て来てもい
いぞ・・・」
モア「(ゆっくりベンチの後ろから顔を出す。)ホント・・・?」
ザック「全く・・・人の心地良い眠りを妨げやがって・・・」
モア「(ベンチの後ろから出て来る。)はぁー、助かったぜ。あん
な奴ら、チョロいったらありゃしない。(笑う。)さてと、これで
パンでも買って・・・(上手方へ行きかける。)」
ザック「(モアの服を掴む。)」
モア「何すんだよ!!」
ザック「ばーか!!何がチョロいんだ!!人様の物を盗んどい
て、助かるも何もないだろ!!(モアの頭を小突く。)」
モア「いてっ!!いいだろ!!あたいが何しようが!!」
ザック「・・・あたい・・・?おまえ、今“あたい”って言ったのかよ・・・
?」
モア「あたいって言っちゃあ悪いかよ!!何だよ!!変なおっさ
ん・・・」
ザック「馬鹿野郎!!女の子がそんななりして泥棒なんて、どう
なってんだ世の中は!!」
モア「女だろうが男だろうが関係ないね!!そんなこと!!世
の中、金のある奴らだけが温々と暮らせて、腹一杯美味し
いもんが食えるなんて不公平だ!!だから、あたいは金の
ある奴らから、こうやって分け前をちょっとばかし拝借して、
祖母ちゃんにパンを買ってやるんだ!!それのどこが悪い
んだよ、ばーか!!」
ザック「おまえなぁ・・・その口の聞き方、どうにかならないのか?
」
モア「どこが悪いんだよ!!仕方ねぇだろ!!あたいは生まれ
てから一度だって、学校なんてもんとは無縁の生活をして
来たんだから!!」
ザック「(モアを頭の天辺からつま先まで見て。)それにその格好
・・・何か臭くないか?おまえ・・・ちゃんと風呂入ってんの
か?」
モア「ふろ・・・?何だ?ふろって・・・」
ザック「シャワーだよ、シャワー!!シャワー位、浴びたことある
だろ!?」
モア「浴びる・・・?ああ、川で水浴びしたことなら、いくらだって
あらぁ!!(笑う。)」
ザック「そうじゃなくて・・・(溜め息を吐く。)おまえ・・・うち来るか
・・・?」
モア「・・・え・・・?(怪しむような目でザックを見る。)」
ザック「そんな目で見なくても・・・怪しむようなことは何もないさ
・・・。腹減ってんだろ?」
モア「(お腹が鳴る。“グー”)・・・(お腹を押さえる。)あ・・・」
ザック「パン位ご馳走してやるよ。」
モア「・・・本当・・・?」
ザック「ああ・・・。それにお客が来ると母や姉も喜ぶんだ。」
モア「母ちゃんと・・・姉ちゃんがいるの・・・?」
ザック「ああ・・・嫁さんじゃなくて悪いけど・・・。」
モア「・・・おっちゃんの家に・・・」
ザック「あのなぁ・・・俺はまだ若いんだ!おまえに“おじさん”呼
ばわりされるような年じゃ・・・まぁいいか・・・せめて“兄ち
ゃん”にしてくれ。」
モア「・・・うん、了解兄ちゃん!で・・・?兄ちゃん家って・・・」
ザック「直ぐそこだ。だがその前に、先ず・・・いいか?世の中盗
みなんてもんは絶対にやってはいけないことなんだ。そん
なことをするのは、人間として恥ずかしいことなんだ。」
音楽流れ、ザック歌う。
“人として
やってはいけないことがある
人だから
やらなきゃいけないこともある
間違いが
悪い訳じゃないんだ だけど
間違いに
気付けば直ぐに正すこと
その気持ちがあれば
ただそれだけで
未来はきっと明るく照らされた
正義の道!”
ザック「悪いことをやってしまったら仕方ない。でもそれに気付き
、罪を認め正しい行いでやり直すことが、本当に正しい人
間のすることなんだ。」
モア「・・・うん・・・」
ザック「だからその盗んだ物を返しに行って、ちゃんと謝るんだ
“すみませんでした”って。そしたら腹一杯食べさせてや
るよ。」
モア「・・・タダで・・・?」
ザック「ああ・・・」
モア「あたい・・・何もしなくていいのか・・・?」
ザック「何するんだよ・・・」
モア「煙突掃除とか・・・靴磨きとか・・・郵便配達とか・・・ベビー
シッターとか・・・花売りとか・・・」
ザック「何だよ、それ・・・(笑う。)そんなことしなくたって、パン位
ご馳走してやるよ。こう見えて、俺だってちゃんと働いて
るんだ。子ども一人のパン代分位、給料貰ってるんだよ。」
モア「へぇ・・・」
ザック「何が“へぇ”だ。」
モア「・・・あたいも・・・今まで沢山働いて来たんだ・・・。けど、貰
える金なんて、ほんの僅かで・・・祖母ちゃんと2人、食べて
くには盗みだって・・・あ・・・そうだ、祖母ちゃんの分・・・」
ザック「祖母ちゃんの分も付けてやる。」
モア「本当!?」
ザック「ああ・・・」
モア「やった!!あたい、昨日は仕事なくて、祖母ちゃんに何も
食べさせてやれなかったんだ!!だから、この金・・・(手に
握っていた金を見る。)許してくれるかな・・・パン屋のおっち
ゃん・・・」
ザック「ああ・・・。一緒に行ってやるよ、そのパン屋に・・・」
モア「(嬉しそうにザックを見る。)ありがとう、兄ちゃん!!」
ザック「だからもう盗みなんてするな。仕事がなくて、食べる物が
買えないなら、俺の家へ来い。」
モア「兄ちゃん家・・・?」
ザック「ああ・・・ここが俺の家だ・・・」
絵紗が上がる。と、大きな屋敷の門の前。
モア「(呆然と。)ここが・・・兄ちゃんの・・・?」
ザック「俺の家・・・と言うより、俺の親の家だな。(笑う。)」
モア「・・・何でぇ・・・金持ちじゃねぇか・・・兄ちゃんが稼いで来よ
うが来まいが・・・寝るのも食べるのも・・・苦労しないんじゃ
ねぇか!!あたいは金持ちなんか大っ嫌いなんだ!!」
モア、上手へ走り去る。
ザック「あ・・・おい!!」
ザック、呆然と上手を見詰める。
そこへ下手より、車椅子に乗ったザックの
母(エレナ。)、その車椅子を押しながら
ザックの姉(アナベラ。)ゆっくり登場。
アナベラ「あら?ザックじゃなくて・・・?」
ザック「(振り返り、2人を認める。)母さん・・・」
エレナ「おかえりなさい。(微笑む。)」
ザック「ただいま・・・。お散歩ですか?」
エレナ「ええ・・・。いいお天気だったから、少し外の空気を吸い
に・・・」
ザック「あまり長い時間、冷気に触れては体に良くありませんよ、
母さん・・・。」
エレナ「ザックありがとう、心配してくれて。それよりどうしたの?
こんなところで呆っと・・・。早く中へ入らないと、あなたの
方こそ風邪をひいてしまうわよ・・・。」
アナベラ「また何か面白いものでも見つけたのかしら?」
ザック「姉さん・・・いえ・・・別に・・・」
エレナ「あなたは昔から、好奇心旺盛だったから・・・。遊びに出
掛けて何か珍しい物を見つけると、暗くなっても帰って来
なくて・・・よく召使達が大騒ぎして捜し回っていたわね。
(笑う。)」
アナベラ「そうそう・・・(笑う。)」
ザック「それは・・・(照れ臭そうに。)」
エレナ「それよりさっき、お父様の病院から連絡があって、今夜
の夜勤の人手が足りないとかで、あなたに来てもらいた
いそうよ。帰ったばかりで申し訳ないけれどって・・・。」
ザック「はい、分かりました。それではこのまま・・・」
エレナ「そんなに急がなくても、シャワーでも浴びて、少し休んで
行くといいわ。軽いお食事でも用意させるから・・・」
ザック「いえ、食事は病院で済ませます。」
アナベラ「シャワーは?服、汚れてるわよ。またどこかで寝て来
たのね?(笑う。)」
ザック「あ・・・(服を払う。)」
エレナ「兎に角、一度中へ入ってから出かけても、遅くはないわ
ね。」
ザック「・・・はい・・・」
エレナ、アナベラ、門を開けて中へ入る。
ザック、上手を気にしながら2人に続く。
カーテン閉まる。
――――― 第 2 場 ――――― A
カーテン前。
音楽流れ、上手よりモア、ゆっくり登場。
歌う。
“何で金持ちばかりが
得する世の中・・・
ずるいよ神様 あたい達
貧乏人も少しくらい
夢を見たっていいじゃないか
煌く夜空に楽しい思い
瞼に浮かぶ幸せな暮らし
優しい家族に囲まれて
笑い声が木霊する
だけど金がないとそんなのただの・・・
ただの・・・幻想だ・・・”
そこへ下手より、仲良さそうに微笑み、
話しながら母親と娘登場。
モア、2人を認め見詰める。
モア「あたいだって・・・祖母ちゃんがいるんだ・・・淋しいもんか
・・・」
母親と娘、自分達を見ているモアに気付き、
怪訝な面持ちでヒソヒソ話す。
モア「(母娘のヒソヒソ話しに気付き。)なんでぇ!!何か文句あ
んのかよ!!」
娘「キャーッ!!」
母「まぁ、何て子かしら・・・!!(娘を庇うように。)早く行きましょ
う!!」
娘「ええ、ママ!!」
母「(モアの横を通り過ぎる間に。)フン!!汚らしい子ね!!」
母娘、上手へ去る。
モア「・・・煩いんだよ!!馬鹿野郎!!汚らしくて悪かったな!
!・・・(自分のなりを見て。)どこが汚いんだ・・・そりゃ・・・
ちょっとばかし汚れてっけど・・・(自分の臭いを嗅ぐ。)・・・
シャワー・・・って何だよ・・・(手を広げ、握っていた金を見る
。)・・・先ず・・・これを返したら・・・風呂に入れてくれんのか
な・・・兄ちゃん・・・」
――――― “Thank you!リトルレディ”
2へつづく ―――――
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http://milky.geocities.jp/little_pine2012/index.html
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http://blogs.yahoo.co.jp/dorapontaaponta
完結編を引っ張ってくるのを忘れていました・・・(^_^;)
すみません~・・・(>_<)
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――――― 第 11 場 ――――― B
カーテン前。
グリエルモ「(憤慨した様子で。)一体おまえは何を考えている
んだ!!おまえは自分の夢を全て捨てるつもりな
のか!?」
部下達「隊長!!」
フランドル「誰が夢を捨てると言った!!ただそれを叶える為
の意味が、今までと今とでは変わったと言うことだ。」
グリエルモ「変わった・・・?」
フランドル「そう・・・変わったんだ。今までは自分の欲望の赴く
ままに、欲するものは全て手に入れて来た・・・。だが
これからは違う!!目的を遂行する為の意味を見つ
けたんだ!!」
グリエルモ「・・・おまえ、あの島で何かあったのか・・・?」
フランドル「・・・今まで出会ったことのない女性がいた・・・」
グリエルモ「・・・じょせい・・・女!?おまえ気でも違ったか!?
女の為に無謀な賭けに出るのか!?」
フランドル「賭け・・・?何とでも言うがいい。俺はアリアナと出
会って目が覚めたんだ・・・」
グリエルモ「アリアナ・・・?あの蝶のような・・・(独り言のように
。)」
フランドル「俺は彼女を迎えに行く!!」
グリエルモ「フランドル・・・(諦めたように。)夢を・・・捨てた訳
じゃないんだな・・・?」
フランドル「勿論だ!!俺は彼女と共に・・・夢を必ず実現させ
てみせる!!」
グリエルモ「分かった・・・おまえの好きにしろ・・・。今までも俺
達はおまえの無茶に引っ張り回されて来たんだ。
今回だって・・・。」
フランドル「グリエルモ・・・」
グリエルモ「結婚と言う武器がなくなったのは、少々痛手だが
・・・おまえにはそこまでも考えが出来てのことだろ
う。全くおまえは昔っから一旦思い込んだら、最後
までそれを貫き通す・・・。」
横で聞いていた部下達、頷く。
フランドル「グリエルモ・・・おまえ達・・・(見回して。)ありがとう
・・・」
部下達口々に「隊長!!」
暗転。
――――― 第 12 場 ―――――
カーテン開く。絵紗前。(村の風景。)
上手より村人たち、話しながら出る。
一番最後にジュリオ、気落ちした
面持ちで続く。
アンナ「もうあの兵隊さん達が帰って、大分経つわね・・・」
アンジェラ「何?まだ忘れられないの?(笑う。)」
アンナ「だって・・・」
ウーゴ「もうあいつらは戻って来ないんだぜ。いい加減、諦め
ろよ。」
ボルソ「よぉ、ジュリオ!アリアナは相変わらず毎日、海に行っ
てるのか?」
ジュリオ「ああ・・・」
ボルソ「だけどあいつの行ってる場所って、切り立った断崖の
上だろ?いくら遠くまで見渡せるからって・・・」
ジュリア「(嬉しそうに。)だからそんなアリアナを、兄さんは毎
日、陰からこっそり見守りに行ってるのよ。」
ジュリオ「煩い!」
アントニオ「アリアナの奴も、もう諦めりゃいいのに。(笑う。)」
ジュリオ「あいつは一途なんだ!!」
アントニオ「(溜め息を吐いてジュリオを見る。)全く、おまえも
な。」
ジュリア「そうよ。兄さんもあんなにハッキリ振られたのに、まだ
思い切ることが出来ないなんて。」
ジュリオ「俺はいい加減な気持ちで、あいつを今まで思って来
たんじゃないんだ!!」
ヴィンタ「それより占いの婆さんの言ってたことは、やっぱり外
れたな!」
アンジェラ「本当ね。最近は当たった試しがないもの・・・。」
アンナ「あんな占い、当たらなくて良かったじゃない。」
ウーゴ「そうだな!」
その時、強い風が村人達の間を
吹き抜ける。
村人達、口々に驚きの声を上げる。
ヴィットリオ「(空を見上げて。)こりゃ、嵐が来るな。」
ジュリア「早く帰りましょう!」
下手より慌ててビアンカ、駆け込んで
来る。ジュリオ、血相を変えて走り過ぎ
ようとするビアンカの腕を、思わず掴む。
ジュリオ「おばさん!!」
ビアンカ「(初めて村人達がいることに気付いたように、驚いて
立ち止まる。)あ・・・ジュリオ・・・」
ジュリオ「何かあったのかい!?」
ビアンカ「アリアナが・・・!!アリアナがまた海に・・・!!今日
は嵐になるから止めとけって言ったのに・・・私がちょっ
と留守にしてる間に・・・!!早く呼び戻して来ないと、
海が荒れてくるわ!!」
ジュリオ「俺が行ってやるよ!!嵐の前の海は突然、強い風が
吹いて危ないんだ!!おばさんは家で待ってな!!」
ビアンカ「ジュリオ・・・」
ジュリオ「任せときな!!」
ジュリオ、走り出る。
ジュリア「兄さん!!」
暗転。
――――― 第 13 場 ―――――
時折、波の荒れる音。風が吹き荒れる
海岸。一輪の花を持ってアリアナ、
下手より現れる。
※
ゆっくり岩 ↑ の上へ。
半ばまで登ったところで、海の彼方に艦隊
を認める。
アリアナ「船だわ・・・船よ!!」
慌てて、岩の高いところへよじ登る。
その時、ジュリオ入って来て、
アリアナを認め、驚いて駆け寄る。
ジュリオ「アリアナ!!危ないから降りるんだ!!」
アリアナ「(ジュリオに気付き。)ジュリオ!!船よ!!フランドル
が戻って来てくれたわ!!」
ジュリオ「(岩へ登りながら。)アリアナ、こっちへ来い!!(アリ
アナの方へ手を差し出す。)」
その時、突風が吹き抜ける。
アリアナ、体のバランスを崩し、
花1輪だけ岩の上に残して、
小さい悲鳴と共に、岩の向こうへ
落ちる。
ジュリオ「アリアナーッ!!(叫ぶ。)」
ジュリオの叫び声だけ悲しく響いて、
フェード・アウト。
――――― 第 14 場 ―――――
悲し気な音楽が流れる。
フェード・インする。と、絵紗前。
(アリアナの家。)
ベッドにはアリアナ、眠っているよう。
傍らにジュリオ、膝を付きベッドに伏す。
ソファーには呆然とビアンカ。
ジュリオ「(涙声で。)アリアナ・・・アリアナ・・・」
その時、戸をノックする音。
一時置いて、フランドル、グリエルモ
入って来る。
フランドル「(ビアンカを認め、嬉しそうに近寄る。)返事がない
ので黙って入って来てしまいました。お久しぶりで
す!あの時は大変お世話になりました。(ビアンカ
の気落ちした様子に気付き。)あの・・・何かあった
のですか・・・?アリアナは・・・」
ビアンカ「(声を上げて泣く。)」
フランドル「アリアナに何か・・・?」
グリエルモ「(ベッドの上のアリアナに気付き、驚いてフランドル
の肩を叩く。)フランドル!!(ベッドの方を指差す。
)」
フランドル、アリアナを認めて、ゆっくり
近寄る。その表情からは段々と、血の気
が引いていくよう。
フランドル「アリアナ・・・」
ジュリオ「(立ち上がって。)眠ってるみたいだろ・・・でも・・・死ん
でるんだぜ・・・もう・・・いくら呼んでも目を開けてくれな
いんだ・・・」
フランドル「(声を絞り出すように。)なぜ・・・」
ジュリオ「こいつはあんたが帰ってから・・・毎日毎日、海岸へ
行って・・・迎えが来るのを待っていたんだ・・・。嵐の
今日も・・・それは変わらなかった・・・。その時に、あん
たの船を見つけ・・・喜んで駆け上がった崖の上から
落ちたんだ・・・あんたが迎えに来てくれたとそれは・・・
嬉しそうに・・・(涙声で。)あんたが・・・おまえがアリア
ナを殺したんだ!!おまえさえ来なければ!!おま
えさえ、あんな約束をしなければ・・・アリアナが死ぬ
ことはなかったんだ!!アグネスが言ってたとおり、
おまえは死神だったんだ!!」
ジュリオ、泣き顔を隠すように駆け出る。
フランドル、呆然とアリアナに近寄って、
傍らへ跪き、アリアナの手を取り男泣き
する。
フランドル「アリアナ・・・アリアナ・・・何故・・・何故死んでしまっ
た!!やっと、おまえを迎えに来れるようになったと
・・・何もかも片付いて・・・おまえを俺のところへ・・・
呼び寄せようと・・・コンスタンティノープルへ行く前
に・・・兎に角・・・おまえにそのことを知らせに・・・寄
ったと言うのに・・・何故・・・おまえは死んだ・・・アリ
アナ!!」
グリエルモ「フランドル・・・(近寄ることも離れることも出来ず
呆然と見詰める。)」
フランドルとアリアナ、スポットに
残してフェード・アウト。
フランドル「(アリアナの手を握ったまま。)アリアナ・・・俺は必
ず戻って来る・・・おまえを迎えに帰って来る・・・だか
ら待っていてくれ・・・アリアナ・・・いつまでも愛してい
る・・・」
フランドル、アリアナに口づけ
立ち上がる。名残惜しそうに見つめ
た後、視線をもぎ取って舞台中央へ。
(カーテン閉まって、フェード・イン。)
――――― 第 15 場 ―――――
フランドルの回りにいつの間にか部下たち。
フランドルの表情は険しく、敵の城塞を攻め
落とす堅い決心に肩を震わす。
フランドル「皆・・・明日は必ず攻め落とす!!いいか!!」
部下達「はいっ!!」
激しい音楽が響き渡る。歌う。
フランドル“行くぞ!!
何があっても振り返るな
進め!!
ただ前だけを見て”
全員“陽が昇ると始まる
引き返すことのできない歩が
我々の熱い戦い
心に思い描く新しい未来が”
歌い終わるとカーテン開く。
(向こうに敵城を見上げる陣営。
――――― 第 16 場 ―――――
フランドル「(部下達を見回して。)おまえ達・・・明日は早いん
だ、体を休めておけ・・・。」
部下達「はい。」
部下達、其々出て行く。
グリエルモ「フランドル・・・もう大丈夫か?」
フランドル「当たり前だ!!明日は必ずやるぞ!!」
グリエルモ「(少しホッとしたように。)そうか・・・おまえも休んど
けよ。」
その時、アンドレアの側近ジョルジョ、
大勢の部下達を従えて出る。
グリエルモ「(気付いて。)ジョルジョ殿・・・いつの間に来られた
のですか・・・?加勢など無用であるのに・・・」
フランドル「(意味あり気な視線を、ジョルジョに向けて。)また・・・
急ですね・・・それも大層な人数のようだ・・・。皇帝から
何か連絡でも・・・?(手が自然と剣に向く。)」
ジョルジョ「我々は皇帝陛下の命により、ここに参っております
・・・。(冷淡に。)」
グリエルモの表情に一瞬、緊張が走る。
フランドル「・・・その命令・・・とは・・・?」
ジョルジョ「・・・残念ですが・・・」
フランドル「(自分の殺害を悟って。)グリエルモ!!」
フランドル、グリエルモ、回りを
ジョルジョの部下に囲まれ、背を
合わせて立ち、ゆっくり剣を抜く。
一瞬の静寂が辺りを包む。
ジョルジョの部下達、剣を抜く。
激しい音楽が響き渡る。
ジョルジョの合図で、2対多数の
戦いが始まる。
途中、騒ぎに気付き出て来たフランドル
の部下数人。加勢する。
部下達「隊長!!」
次々とフランドルの部下達、相手の
刃に倒れる。部下の中で一人残った
グリエルモも敵に囲まれ、剣の雨を
受け、フランドルに思いを残しながら
息絶える。
グリエルモ「フランドル・・・」
一人残ったフランドル、勇敢に剣を
奮っていたが、等々囲まれる。今まで
離れて見ていたジョルジョ、近寄り
剣を抜く。音楽、一層大きくなり一瞬の
後、ジョルジョの振り下ろした剣に
倒れる。
フランドル、スポットに残してフェード・アウト。
――――― 第 17 場 ―――――
音楽、静かに流れ、どこからかアリアナの
“フランドル“の名を呼ぶ声が木霊する。
フェード・インする。と、辺りは人気がなく、
ひっそりとしている。
(風景変わる。)
愛しいアリアナの呼び声に、微かに目を
開き、痛みに顔を歪めながら、ゆっくりと
体を起こす。
フランドル「・・・(溜め息を吐いて、微かに微笑む。)アリアナ・・・
もう直ぐだ・・・もう直ぐ・・・おまえに会える・・・」
その時、どこからか現れた幻想の
アリアナ、フランドルの前へ。
フランドル「(驚いた面持ちで。)・・・アリアナ・・・」
幻想のアリアナ、フランドルの回りを
蝶のように舞い踊る。その様子を、
安らぎの入り混じった幸せそうな
面持ちで見詰めるフランドル。
アリアナ、嬉しそうな微笑みを湛え、
フランドルに近寄り、手を取り立ち上
がるように促す。
その手に導かれるように立ち上がり、
愛しい者に再び出会えた喜びに溢れ
固く抱き合う2人。彼方を見遣る。
――――― 幕 ―――――
その時、酔っ払った客3人、ピーター達の
テーブルに近寄る。
客1「よぉ、兄ちゃん・・・楽しくやってるじゃないか・・・。」
ピーター「何か用か・・・?」
客2「まぁ、堅いこと言わずに、皆で仲良くやろうぜ・・・」
客2「そうそう、今日は折角のクリスマスなんだし・・・」
ピーター「悪いが僕達は2人きりで祝いたいんだ。向こうへ行っ
てくれないか・・・。」
客1「まぁまぁ・・・そう言わずに・・・(ピーターのグラスに、自分の
持っていた酒瓶の中身を注いで。)さぁ、俺の奢りだ・・・」
ピーター「・・・聞こえなかったのか・・・2人にしてくれと言ったん
だ・・・」
キャシー「(怯えたように。)ピーター・・・」
ピーター「(キャシーに聞こえるように。)大丈夫・・・」
客1「さぁ、彼女にも・・・(キャシーのグラスに酒を注ぐ。)」
ピーター「(立ち上がって。)やめろ!!」
客1「(絡むように。)俺の奢りはいらねぇってのか!!」
ピーター「・・・そうだ!!」
客1「なんだと・・・!?いい気になるなよ!!」
客1、ピーターに殴りかかる。
客2、3も加わり、喧嘩になる。
キャシー「(驚いて立ち上がる。)ピーター!!」
そこへアレックス、走り登場。
その時、ピーターに殴られ、怒った客1、
隠し持っていたナイフを取り出し、
キャシーに向ける。
客1「これが見えないか!!」
ピーター「キャシー!!」
キャシー「(怯えて。)ピーター・・・」
客2、3、無抵抗なピーターに殴りかかる。
その時アレックス、物陰から飛び出し、
客1に飛び掛る。キャシー倒れる。
キャシー「(腹を庇うように。思わず叫ぶ。)やめて!!赤ちゃん
が!!」
アレックス「(その言葉に呆然と。)・・・キャシー・・・」
キャシー「(アレックスを認め。)・・・アレックス・・・」
客1「糞う!!(アレックスに飛び掛る。)この野郎!!」
アレックス「やめろ!!(客1を押さえつける。)」
客1「痛てててて・・・!!離せ・・・離せ、こいつ・・・!!」
アレックス「いい加減大人しく帰るんだ!!」
客1「痛てて・・・やめろ・・・」
アレックス「でないとこの腕がどうなっても知らないぞ!!」
客1「い・・・わ・・・分かった・・・分かったから・・・この手を離して
くれ・・・」
アレックス「本当だな!!」
客1「あ・・・ああ・・・帰る・・・帰るから・・・腕が・・・」
アレックス「(客1を離す。)」
客1「糞う・・・!!覚えてろ!!この糞野郎!!(客2、3に向
かって。)おい!!」
客2「あ・・・(ピーターを捕まえていた手を離す。)ああ・・・!(客
3に目で合図するように。)」
3人の客、罵倒を吐いて走り去る。
アレックス、呆然としているキャシーの
側へ。落ちていたキャシーのコートを
拾い、キャシーの肩に掛ける。
アレックス「(微笑んで。)・・・大丈夫だったか・・・?」
キャシー「・・・アレックス・・・」
アレックス「(優しく。)体・・・大事にしろよ・・・。俺は・・・悔しくて
・・・式には行けそうにないが・・・幸せになれよ・・・。
(微笑んで立ち上がり、出て行こうとする。)」
キャシー「(涙が溢れる。立ち上がって。)・・・アレックス・・・!!
」
アレックス「(振り返る。)」
キャシー「・・・違うの・・・」
アレックス「・・・違うって・・・?」
キャシー「・・・あなたのよ・・・」
アレックス「・・・俺の・・・?」
キャシー「(腹を触って。)この子は・・・あなたの・・・」
アレックス「(呆然と。)・・・え・・・」
キャシー「・・・ごめんなさい・・・」
ピーター「(立ち上がり、溜め息を吐く。)とうとうバレたか・・・。本
当だアレックス・・・。俺はそれを承知で彼女と結婚す
るつもりだったんだ・・・」
アレックス「馬鹿野郎!!何故もっと早くに言わないんだ!!」
ピーター「どうも、おまえ達2人は似た者同士と言うか・・・2人揃
って強情なところが欠点だな・・・。それにつけ込んで、
キャシーと結婚しようとした俺も・・・卑怯な奴だが・・・
(笑う。)じゃあ、後は2人で上手くやれよ・・・!」
ピーター、出て行く。
アレックス「キャシー・・・」
キャシー「アレックス・・・ごめんなさい・・・」
アレックス「(キャシーの手を取る。)馬鹿だな・・・(微笑む。)俺
の方こそ・・・君に謝らなきゃいけないんだ・・・。ごめ
ん・・・。それと・・・もう一つ・・・言わなきゃならないこ
とが・・・」
キャシー「・・・え・・・」
アレックス「・・・愛しているよ・・・結婚しよう・・・」
キャシー「(嬉しそうに頷く。)」
その様子を店の隅で見ていたマリアと
ジョー、顔を見合わせ微笑み、出て行く。
アレックス、キャシーの手を取り店の出口
へゆっくりと進む。
と、丁度入って来たロバート、ミリーと会う。
ミリー「あら!?(驚いて。)仲直りしたの!?」
アレックス「まぁね。」
アレックス、キャシーをエスコートしながら
出て行く。
ロバート、ミリー、2人が出て行くのを
見ている。
ロバート「やっと仲直りしたのか・・・(嬉しそうに。)」
ミリー「よかった・・・。ピーターと結婚するなんて言い出してたか
ら、どうなるかと思ってたのよ。」
ロバート「そうだな。」
2人微笑んで店の中へ進む。
フェード・アウト。(カーテン閉まる。)
――――― 第 14 場 ―――――
カーテン前。
嬉しそうなマリアとジョー、スポットに
浮かび上がる。
マリア「あの堅物の化学者がパパだったなんて・・・!!」
ジョー「よかった!!これでマリアも消える心配がなくなったね
!!」
マリア「何て素敵なの!!来てよかった・・・本当によかった・・・
。ママ・・・赤ちゃんを両腕の中に抱き締めてあげてね・・・
!!」
ジョー「さぁ、マリア!!僕達の世界へ帰ろう!!」
マリア「ええ!!」
暗転。
――――― 第 15 場 ―――――
カーテン開く。
舞台はアレックスが初めてマリアに
出会った公園。
アレックス、キャシー登場。ベンチに
腰を下ろす。
アレックス「あの日・・・俺は君と喧嘩して・・・不貞腐れてこの公
園に来たんだ・・・。(笑う。)あの時は全く、最悪な気
分だったよ・・・。」
キャシー「私だって同じよ・・・。あの日は・・・ううん・・・今日まで
ずっと辛かったわ・・・。自分の気持ちに嘘を吐いて・・・
本当はあなたと仲直りしたいのに出来なくて・・・」
アレックス「キャシー・・・。そう言えば・・・あの時、初めてマリア
に出会ったんだ・・・。えらく君と仲直りしろと、熱心に
言ってたな・・・」
キャシー「マリア・・・?」
アレックス「ああ・・・ほら、学校で君も会った子どもさ・・・。君や
俺のことをよく知っていて、今日、君が酔っ払いに絡
まれるって言うのを教えてくれたのも、あの子なんだ
・・・。丸で超能力者みたいな子だったな。(笑う。)」
キャシー「アレックス・・・そのマリアは・・・どこへ行ったの・・・!
?(思わず立ち上がる。)」
アレックス「・・・キャシー・・・?(立ち上がる。)どうしたのさ・・・」
キャシー「(アレックスの手を取って。)マリアが誰なのか分かっ
たのよ!!」
アレックス「分かった・・・って・・・?」
キャシー「(嬉しそうに微笑み頷く。)」
キャシー、ゆっくり舞台中央へ。
アレックス、キャシーへ歩み寄り、
そっと肩を抱く。
キャシー「(ゆっくり自分の腹を見る。そっと手を添え、呟くように
。)10年後に会いましょう・・・」
アレックス「(微笑んで、キャシーを見詰める。)」
アレックス、キャシー、嬉しそうに寄り添い
遠くを見詰める。
――――― 幕 ―――――
ではここで、次回掲載作品の予告を・・・
次回は、私の好きな“悪魔”さん登場のお話しで、読み
直してみたらなんと途中で書くのを止めていた作品・・・
と言うことは、途中からはこれから書き進めなければ
いけないのですが、私の作品の今風であり、昔風でも
あるところが面白いな・・・と思ったので、敢えてこちらを
ご覧頂こうと思いました(^^;
どこからが、今現在の私が書き始めた部分になるか・・・
などをご想像頂きながら読み進めて頂くと、また違った
面白みがあるのではないでしょうか・・・(^O^)
それでは次回・・・“エド”・・・エド・・・と言う名前も、以前
何度か登場しましたが・・・すみませんm(_ _)m
お楽しみに~♥
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(どら余談^^;)
1月25日(金)
なんとか無事に仮録音終了しました(^_^;)
パソコンも頑張ってくれたので、ホッと一安心です♥
まだ本録音は2月末頃の予定なのですが、
イロイロとこれを使って、編集の勉強が・・・
少しでも出来るといいですね・・・(^^;
さて、この新作品が録音し終われば、7回公演の
作品をもう一つ、書き上げてしまわなければなりません。
今までの自分作業+編集作業が加わる為、少し
ハードな新作作りに、間もなく入ります・・・(>_<)
1月26日(土)
分かりました~・・・(o^^o)
何故投稿出来なかったかの原因(>_<)
ずっとページの最後に、自分の“グー版”ワールドと、
“ヤフー版”ワールド、それに“リトルパイン”のホーム
ページのアドレス(?)を載せていたの、ご存知でした
でしょうか・・・?
それが、突然2、3日前から載せると投稿出来なくなっ
た原因のようです(^_^;)
てっきり、またいつのもようにパソコンの調子が悪くて
×になっていたと思っていました(>_<)
また何故そのようになったのか・・・は、分からないまま
ではありますが、とりあえずスッキリです(^^;
皆様にはお騒がせして申し訳ありませんでしたm(_ _)m
キャシー「(嬉しそうに微笑む。思い出したように。)・・・そうだわ
、カール・・・お母さんが迎えに来られているの・・・。」
カール「はい、先生・・・。俺・・・また転校するけど・・・おまえ達の
ことは忘れないよ・・・」
ロット「え・・・?また転校するって・・・」
キャシー「これから、バージニア州のお婆さんのところで暮らす
のよね・・・。」
カール「今まで迷惑ばかりかけて・・・すみませんでした・・・。俺
・・・キャシー先生に憧れてたから・・・つい我が儘言って
気を引きたかったんだ・・・。でも・・・先生も結婚するん
じゃ・・・俺の片思いも終わりかな・・・(笑う。)」
キャシー「カール・・・」
ロット「何だよ・・・畜生・・・折角・・・友達になれたのに・・・どうし
てなんだよ!!」
カール「ありがとう・・・ロット!ジュディと仲良くしろよ!」
ロット「(カールに抱き寄る。)馬鹿野郎!!手紙書けよ!!」
カール「ああ!じゃあ先生!みんな!!(手を上げて走り出て
行く。)」
ロット「元気でな!!(叫ぶ。)」
キャシー、そっとロットの肩に手を置く。
カーテン閉まる。
――――― 第 12 場 ―――――
カーテン前。
正装のアレックス登場。歌う。
“君が指から摺り抜けた今・・・
いくら自分を悔やんでみても
君は元へ帰りはしない・・・”
アレックス、ポケットに両手を突っ込んで、
ゆっくり歩く。
そこへマリア、ジョー出る。
マリア「(アレックスに駆け寄って。)アレックス!!こんなところ
にいたの!?」
アレックス「よぉ・・・何か用か・・・?」
マリア「随分、捜したのよ!!」
アレックス「・・・今日は楽しいクリスマスだぜ・・・。ボーイフレンド
と出かけないのか・・・?」
マリア「そんなことよりキャシーが大変よ!!」
アレックス「(驚いて。)・・・何だって!?大変って一体・・・!?」
マリア「パーティが終わって、キャシーはピーターと行ったカフェ
バーで、変な酔っ払いに絡まれるのよ!!そこでキャシ
ーは大怪我をするわ!!早く行って、助けてあげて!!」
アレックス「キャシーが・・・!?分かった!!どこのカフェバーだ
!?」
マリア「ええっと・・・学校の側の・・・先生達の行きつけだって言
ってた・・・」
アレックス「ボンか!?」
マリア「そう!!その、ボン!!ボン!!ボン!!」
アレックス「分かった!!ありがとう!!」
アレックス、慌てて駆け出て行く。
マリア「(手を大きく振る。)頑張って!!」
暗転。
――――― 第 13 場 ―――――
カーテン開く。と、カフェバー“ボン”。
ピーター、キャシーをエスコートして出る。
(歌手、歌っている。)
ピーター、キャシー、店の中へ入り、
空いているテーブルの側へ。
ピーター、キャシーに椅子を勧め、自分も
座る。
ピーター、手を上げてボーイを呼び、
何か注文しているように。
歌手の歌終わり、静かな音楽流れる。
ピーター「素敵な夜だね。それに、今日の君は一段と美しい。」
キャシー「(淋しそうに微笑む。)」
ピーター「どうしたの?楽しくないかい?」
キャシー「いいえ・・・少し踊り疲れただけ・・・。楽しいわ。」
ピーター「本当に?」
キャシー「ええ・・・」
ボーイ、飲み物を2つ、トレーに乗せて
運んで来る。ピーター、キャシーの前に
其々置く。
ピーター、グラスを持って。
ピーター「じゃあ、素敵な夜に・・・乾杯!(飲む。)」
キャシー「(グラスを上げて、口を付ける。)」
ピーター「そころで、僕たちの結婚式のことだけど・・・君は反対
したけれど、矢張りアレックスにも来てもらうことにしな
いかい?」
キャシー「・・・でも・・・」
ピーター「(微笑んで。)僕は全然、構わないんだよ。彼が君の
昔の恋人でも。他の先生には声を掛けて、彼だけ除け
者って言うのもどうかな?」
キャシー「・・・でも・・・声を掛けても彼は来やしないわ・・・」
ピーター「それならそれで仕方のないことだよ。来たくないと言
うのなら、それは彼の勝手だ。そりゃ、彼が僕と結婚
する君のウェディングドレス姿を見るに耐えない気持
ちも、分からなくはないがね。」
― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪
(どら余談^^;)
本日も遅くなってすみませんでしたm(_ _)m
夕方から爆睡し、ただいま復活致しました(^^;
全身筋肉痛で動きが多少不自由ですが、
今回もとても楽しい公演日でありました♥
↑ 1枚だけおまけフォトです(^O^)
昨日の舞台設置は、団員が来るまで1人で
組み立てていたのですが、一番下の土台
部分まで1人で組み立てできたので、
「一人でここまで出来たよ!」
の、証拠写真でした~(^_^;)
この本舞台・・・1人では支えてもらう人が
いない為、組み立てるのがと~っても
大変なのです・・・(>_<)
http://milky.geocities.jp/little_pine2012/index.html
http://ritorupain.blogspot.com/
http://blogs.yahoo.co.jp/dorapontaaponta
その時、マルコ入って来る。
マルコ「隊長!!(驚いたように。)あ・・・お邪魔でしたか?」
フランドル「馬鹿野郎・・・(マルコを見て。)何だ?」
アリアナ「じゃあ私はこれで・・・(出て行こうとする。)」
マルコ「最近、隊長の機嫌がいいのは、こう言うことだったん
ですね。」
フランドル「馬鹿者!!何がこう言うことだ!」
マルコ「皇女様と婚約中だと言うのに、角に置けませんね!」
フランドル「マルコ!!」
マルコ「あ・・・すみません・・・」
アリアナ「(それを聞いて、悲しそうな微笑みを残して出て行く
。)」
フランドル「アリアナ!!畜生!!」
音楽でフェード・アウト。カーテン閉まる。
――――― 第 9 場 ―――――
カーテン前。村の娘(アンナ)と、ロドリーゴ。
アンナ「へぇ、じゃああの人は、行く行くは全ヨーロッパ皇帝っ
てことね?」
ロドリーゴ「違うよ!皇帝はもういるんだ。皇帝一の勇将さ!」
アンナ「あら、今あなた言ったじゃない。あの人は皇帝になる
器の人物だって。」
ロドリーゴ「そうさ!頭は切れるし行動力もある。隊長には怖い
ものなしなんだ!(自慢気に話す。)」
アンナ「じゃあ皇帝になるんでしょ?」
ロドリーゴ「そんなこと、迂闊に口走ってみろ!命がないぜ!!
今のところは皇帝の腹心の部下で通ってるんだ。だ
けど隊長は必ずやる!!俺たちはあの人の部下で
あることが誇りなんだ!!」
アンナ「ふうん・・・よく分からないけど、凄い人なんだ・・・」
ロドリーゴ「その通り!!それよりさっき会ったあの婆さん、何
者だ?隊長のことを頻りに死神呼ばわりしてたけど
・・・。」
アンナ「あの人は昔はこの村の守り神みたいな人だったの。
占うことは全て当たるし。それでこの島は独占者の侵略
を免れてこれたようなものだから・・・。でもここ数年は、
もう惚けちゃって、誰か余所者が来ると必ず決まって、
ああ言って追い出そうとするのよ。尤も最近じゃ誰もあの
お婆さんの言うことを聞かなくなって・・・相手にもしなく
なったんだけど。だからあなた達もすんなり村に入れた
って訳。」
ロドリーゴ「へぇ・・・占い師なのか。」
アンナ「当たらなくなった証拠に、あなた達がこの村に来て、
もう大分経つけど、誰も死んだりしないじゃない。」
ロドリーゴ「そうだな・・・もう隊長の傷も殆ど良くなったし、後
は迎えが来て戦線復帰するだけだ。」
アンナ「・・・そう・・・もう帰ってしまうのね・・・(悲しそうな面持
ちになる。)」
ロドリーゴ「そんな顔するなよ。明日は祭りだろ!おまえの
歌、楽しみにしてるよ。」
2人、腕を組んで出て行く。
――――― 第 10 場 ―――――
激しい音楽でカーテン開く。
舞台は森。年に一度の村の祭り。
村人たち、太鼓のリズムに乗り踊っている。
途中からアンナ出て歌う。
その歌に乗り、男女踊る。
フランドル、上手より足を引き摺り加減に
出、誰かを捜しているよう。
その時アリアナ、下手より出、森の中へ。
(舞台回転。)
祭りのざわめきが少しずつ遠くなり、静か
な音楽が流れる。
フランドル、アリアナを認めて、慌てて
歩き難そうに後を追う。
アリアナ、一人ゆっくり憂鬱そうな面持ちで。
フランドル「アリアナ!!」
アリアナ「(振り返り、驚いて逃げようとする。)」
フランドル「待ってくれ!!」
アリアナ「(その声に立ち止まり、フランドルを認める。)」
フランドル「(ホッとした面持ちで。)やっと会えた・・・。あれから
一度も来てくれなかったね・・・どうしてだい?」
アリアナ「・・・(言葉に困って。)・・・母がいるし・・・私より母の
方が、医者としての腕は確かよ・・・」
フランドル「そんなことを言ってるんじゃない。俺はおまえに会
いたかったんだ、ずっと・・・」
アリアナ「フランドル・・・」
フランドル「あの時、マルコが言っていたように、確かに俺には
婚約者がいる。だがそれは今まで俺の夢の実現の
為に、どうしても必要なことだったからだ。ヨーロッパ
世界を手中に収めること・・・それが俺の夢だった。
だが、おまえが来なくなってから、俺には何が必要
だったのか・・・何を為るべきなのか、おまえの言っ
ていた言葉の意味をずっと考えていた・・・。そして
俺はここに来て、心の安らぎを初めて与えられたよ
うな気がする・・・。それはおまえがいてくれたから
だ・・・!!アリアナ・・・愛しているんだ・・・」
アリアナ「フランドル・・・」
その時、ジュリオ入って来る。
(フランドルとは、アリアナを挟んで反対側。)
ジュリオ「アリアナ!!そんな奴の言うことを信じるんじゃない
!!そいつはもう帰ってしまう奴なんだ!!」
アリアナ「(振り返ってジュリオを見る。)ジュリオ・・・」
ジュリオ「(フランドルに突っ掛るように。)あんたにはあんたの
世界がある!!アリアナにはアリアナの生き方がある
んだ!!自分の世界にこいつを引っ張り込むな!!」
フランドル「ジュリオ・・・」
ジュリオ「さっき、あんたの部下があんたを捜していたぜ。明日
いよいよ迎えの艦隊が到着するんだとよ!!さっさと
自分の国に帰って来れ!!(アリアナの方へ手を差し
出す。)アリアナ、こっちへ来い・・・」
アリアナ、ゆっくりジュリオの方へ行きかける。
フランドル「アリアナ!!」
アリアナ「(歩を止める。)」
フランドル「俺は婚約を解消して必ず戻って来る!!俺を信じ
て待っていて欲しい!!」
ジュリオ「アリアナ!!そいつの言うことなんか聞くんじゃない
!!」
フランドル「アリアナ・・・」
アリアナ、振り返ってフランドルを見詰める。
アリアナ「フランドル・・・」
ゆっくりフランドル、両手を広げる。
アリアナ、フランドルの胸に飛び込む。
アリアナ「フランドル!!」
フランドル「アリアナ!!(アリアナを抱き締める。)」
ジュリオ「(呆然と2人を見詰める。)アリアナ・・・」
フランドル「必ず戻って来るから・・・」
アリアナ「待っているわ・・・いつまでも・・・」
フェード・アウト。(カーテン閉まる。)
――――― 第 11 場 ――――― A
カーテン前。アンドレア、ジョルジョ、ホフレ。
ホフレ「よかったですね、何事も起こらないうちに、フランドル殿
が復帰されることになって。」
アンドレア「そうだな・・・丁度、冬期の休戦時期と重なったのが
幸いだった・・・」
ジョルジョ「我々は制服地の統轄さえ行っていれば、よかった
ですからね。」
ホフレ「しかし命に別状がなく何より・・・」
アンドレア「本当のところ、今、あの男がいなくなれば、確かに
我々は困るのだ・・・。自分たちの国を、力づくで奪わ
れた人々の反逆を鎮圧する力を持った将は、残念な
がら今のところ、彼の他には見当たらないからだ・・・
私がもう少し若ければ・・・あの男に任せることなく、
この手で遣り遂げてみせるものを・・・」
ジョルジョ「皇帝陛下・・・」
アンドレア「あの男の行動に、その都度一喜一憂することなく
・・・まぁ、色々言っても仕方あるまい・・・。兎に角、今
はあの男に全てを賭けたのだ。こんなところで死な
れては困る。」
ジョルジョ「いっそのこと、陛下の妹君のご子息、フロリド様に
全てを託されては・・・?」
アンドレア「私も一度はそのことを考えもしたが・・・フロリドの
器では、制服地を増やして統轄していくどころか、こ
の国の統治すらままならなくなることは、目に見えて
明らか・・・それならば、国民からの信望が厚く、武将
としても最長けたフランドルと、エリザベッタを結婚
させ、その子どもに全てを託すことに決めたのだ・・・
。」
ホフレ「成程・・・フランドル殿ではなく、エリザベッタ様のお子
様にとは、考えられましたな・・・。」
その時、家臣入って来る。
家臣「もう間もなくフランドル様が入城されます。」
アンドレア「分かった・・・」
カーテン開く。と、大広間。アンドレアたち、
そのまま舞台へ。
エリザベッタ、召使を伴って入って来る。
エリザベッタ「お父様!もうフランドル様がお戻りになられるの
でしょう?まだですの?」
アンドレア「(エリザベッタを認めて。)これエリザベッタ、はした
ないぞ!」
エリザベッタ「ごめんなさい。でも私、待ちきれなくて・・・。もう長
いこと、お会いしていないんですもの。」
アンドレア「まぁ、おまえの気持ちも分からなくはないが・・・」
家臣「(声高く。)フランドル殿がお戻りになられました!」
アンドレア「そうか・・・」
アンドレア、一段高く設えられた椅子の上に
腰を下ろす。横にはエリザベッタ、ジョルジョ、
ホフレ。
音楽と共に、フランドル、グリエルモ出て来る。
フランドルたち、アンドレアの前に跪く。
フランドル「陛下、只今戻りました!!」
アンドレア「おお、待っておったぞ!怪我はもう良いのか?」
フランドル「はい。島民の手厚い看護のお陰で、もうすっかり
完治しました!陛下にも長い間ご心配をお掛けし、
本当に申し訳ありませんでした!」
アンドレア「それは何よりだ。」
ジョルジョ「いつも勇猛なフランドル殿が、深手を負われると
は・・・と、我々も驚いていたのですぞ。」
フランドル「あれは完全な私のミスです。我々の味方陣の中
に、真逆、敵のスパイが紛れ込んでいたとは、思い
も寄らなかったものですから・・・。本当に迂闊でし
た。」
アンドレア「まぁ、よい。深手を負ったにせよ、またこうして元
気になれたのだから。」
フランドル「ありがとうございます。」
アンドレア「エリザベッタは心から心配しておったのだぞ。」
エリザベッタ「フランドル様のお帰りを、心よりお待ちしており
ました。お怪我が完治されて本当によかった!
(嬉しそうに。)」
フランドル「(少しすまなさそうな面持ちになる。)皇女・・・」
アンドレア「ところでフランドル。もうそろそろ式の準備を始め
た方がよいのではないか?いつまでもこのまま・・・
と言う訳にもいくまい。」
フランドル「陛下・・・そのことで話しがあります。」
アンドレア「何だ?何でも言うがよいぞ。」
フランドル「本来ならば、こんなところで申し上げる話しではな
いのですが・・・生憎、今まで留守にしていた間の仕
事が山のように溜まっていて、次の機会を待ってい
ると、いつになるか分かりません・・・」
アンドレア「どうした?いつものおまえらしくないぞ。いつもなら
鉄砲玉のように自分の意を申すのに・・・(笑う。)」
フランドル「(アンドレアの目を見据え。)・・・皇女との婚約を、
解消して頂きたい!!」
アンドレア「・・・何・・・?」
グリエルモ「何を言い出すんだ!?」
エリザベッタ「フランドル様・・・」
回りの者も一同に、驚きの声を上げる。
アンドレア「何を馬鹿なことを言い出すのだ。(呆れて笑う。)」
フランドル「私は本気です。陛下にはどうしてもお聞き入れ頂き
ます。」
アンドレア「(思わず立ち上がって。)どうしてなのだ!!何故
また突然にそのようなことを申すのだ!!おまえに
とってもいい話しの筈であろう!?」
フランドル「(チラッとエリザベッタを見る。)皇女には本当に申し
訳ないと思っています・・・。だが、この婚約は飽く迄
政略であったこと・・・愛情なきものであると言うことが
・・・今の私にはその意味を持たないものになってし
まったのです・・・。」
アンドレア「当たり前のことが嫌になったと言うのか。・・・今の
話しは聞かなかったことにしよう・・・。フランドル・・・
皇帝命令だ!!エリザベッタと結婚するのだ!!」
フランドル「(溜め息を吐いて。)・・・分かりました・・・どうしても
駄目だと言われるのであれば・・・私はこの国を出る
しかないようだ・・・。(立ち上がる。)」
アンドレア「フランドル・・・」
フランドル「皇帝配下を脱して、私は私の思う道を突き進むま
で・・・。」
エリザベッタ、駆け出ようとする。
フランドル、慌てて呼び止める。
フランドル「エリザベッタ!!」
エリザベッタ、立ち止まる。
フランドル「あなたには、すまないことをしたと思っています。だ
が、私の一生涯でただ一度の我が儘を許して下さい
!!」
エリザベッタ「(背を向けたまま。)私に何を許せと仰るのでしょ
う・・・。(涙声になる。)私はあなたのことを・・・父
に言われたからではなく・・・心からお慕いしてい
ました・・・!!」
フランドル「皇女・・・」
エリザベッタ「お元気で・・・」
エリザベッタ、走り出る。後ろからエリザベッタ
に付いて召使、走り出る。
フランドル「(暫くエリザベッタの走り去った方を見ているが、ア
ンドレアに向き直り。)それでは皇帝陛下・・・(出て行
こうとする。)」
アンドレア「(渋々。)フランドル・・・!!分かった・・・この婚約
は、おまえの言うとおりなかったことにしよう・・・。但
し・・・正式の婚約解消は、年が明け戦闘開始後・・・
ヨーロッパ一強固な城塞を持つと言われるコンスタン
チノープルを陥落させてからだ・・・。」
フランドル「分かりました・・・必ず約束通りに・・・!!」
グリエルモ「フランドル・・・」
フランドル、グリエルモ、部下たち残して
カーテン閉まる。
――――― “フランドル”5へつづく ―――――
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